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◆2050年:宇宙ステーション5

 宇宙ステーション5:2050年 骨子

映画「2001年宇宙の旅」に登場した宇宙ステーション5と ディスカバリー号を舞台にした物語です。

「タワーリングインフェルノ」「ポセイドンアドベンチャー」など の脱出パニックムービーの宇宙版といったものです。

以下は物語の骨子に一部物語中での状況説明の会話を追加したものです。
これに色々人間模様を追加し、最終的な 話となります。

 宇宙ステーション5とディスカバリー2号

20世紀後半に始まった宇宙開発は21世紀に入り人々の 熱もさめ大きな発展は止まってしまっていた。

建造されて53年が経つ宇宙ステーション5も建造当時の ような月や惑星への中継基地としての役割はほぼなくなり、 細々と滞在そのものが目的の宇宙ホテルとして運用が続け られていた。しかし、既に想定耐用年数を過ぎ改修コストの高さな どから廃棄されることが決定された。 二輪構造の計画だったが片輪だけで建造は中断され、結局 最後まで二輪がそろうことなくその役割を終えることに なった。

同時に廃棄処分の決定した宇宙船がある。 建造から48年目に入る惑星探査船ディスカバリー2号だ。
ディスカバリー2号は、燃料や資材の積み込みも終わり 出発準備を整えた段階でエンジン部のトラブルが発生し、 爆発の危険性も出たため、地球から遠く離れた、 ラグランジェポイント付近に移動させ、そのまま厳重な 管理下に置かれた。
このエンジントラブルに関しては搭載コンピュータHAL9300の "意図"によるものではないかという噂が流れた。
現在HAL9300は制御系から切り離され、ロジックおよびメモリ の揮発を防ぐためのリフレッシュ動作のみが定期的に行われ ている。

 ステーション5お別れパーティ

ゆっくり回転するステーション5。
コア部のドックA(青く照明されている)にはシャトルが停泊している。 ドックAの壁5面にはそれぞれコントロール室がありA~Eと名づけられている。 コントロール室から見るドックとシャトル。
反対側にあるドックB(赤く照明されている;本来は侵入禁止を表す 色であったのだが、旅客運用がドックAのみになったため、ドック は常に赤に照明するようになった)にはシャトルは無いが、 コントロール室では何人かが作業を行っている。

ステーション5最後の客として招かれた数十名と 重役、運行安全管理担当以外の従業員および 取材陣を交えお別れパーティーが、ステーション5 で行われている。
地上でもパーティーが開かれておりステーション5 とTV中継がつながっている。

TVの解説の声。
「宇宙ステーション5は3週間前に通常の 営業を終えました。今日特別に招待した客とともに パーティーを行い最期の営業を終えます。 ステーション5はその後月に運ばれ月面基地の 資材として利用されます。
内装部品や調度品、多くの電子部品は月回周軌道 上で取り外され月面基地に運ばれほぼそのまま利用 されます。
構造体はその後、月面に墜落させ、金属資源など として改めて回収することになります。
今後のスケジュールですが、 2日で一般業務員は全て退去し、その後3日かけて 回転を停止します。 回転停止後、半年かけてブースターエンジンの 取り付けと構造補強を行い、1ヶ月で 月周回軌道にまで移動します。」

さらにTVの解説の声。
「実はもう一機、月面基地の資材として使われる宇宙船が あります。
惑星探査船ディスカバリー2号です。
ディスカバリー号はエンジン部が切り離されます。 エンジン部は危険が大きいため、太陽に突入させる ことになっています。その他の部分は月面基地で 利用されるのですが、メインコンピューターHAL9300 は地球に下ろされます。
HAL9300は予測不可能性と 自我を持つ可能性のある存在を 人工的に作り出してよいものかという 倫理面の問題で現在では開発が禁止 されている、ホログラフィックロジックによる 学習自発論理生成型の大規模コンピューターで、 知能や自我といった人間研究のために用いられます。 半世紀以上前に作られたものではあるのですが、 ある意味で現在のコンピューターを超えた存在なのです。」

パーティーが始まる。

会場の片隅にはステーション5やディスカバリー、シャトルの模型が ガラスケースに収まり展示されている。

 ディスカバリー号

外部エアロックに小さな宇宙船が接続している。

ディスカバリー号:コックピットからポッドベイへと移動する人。
コックピットからHUBを通り回転する居住区へ移動する人。HUBの突き当たりには HALの目がある。(ここが扉となっており、エンジンまでつづく背骨部 の通路がつながっていることが後で示される)

 微小天体群

地上の管制センター:

慌しい動き。

チーフ:「どうだ?」
レーダー係り:「軌道交錯します。約50cm前後の物体が。。。捉えられるもので。。。13個。 秒速60キロ、距離20万キロ、55分で衝突位置にきます。 ほぼ直径1Km程度の中にまとまっています」
チーフ:「ステーション5、ステーション5。直径50cm前後の微小障害が後55分 で軌道交錯する。回避措置を願いたい」

宇宙ステーション5のコントロール室A:

窓の外に、停泊中のシャトルが見えている。
キャプテン:「物体を確認した。回避措置をとる。」
モニタに衝突回避のシミュレーションが表示される。
キャプテン:「軌道を10キロ下げ、周回角速度を上げる」
管制センター:「了解。こちらのシミュレーションでも 衝突回避ルートを確認した。危険回避行動レベル は通常レベル2と認定された」

ステーションのパーティー会場(メインフロア):

演説を終えた最上級幹部に秘書が駆け寄り耳打ちする。

アナウンス:「当ステーションはこれより軌道変更のための 加速を行います。少し体に傾きを感じますので、近くの何か におつかまりください。なお、これは通常範囲の作業で 特に危険を伴うものではありません」

幹部が客に安心してよいということを繰り返し、アナウンス がもう一度ながれ、やわらかい注意音がなる。

ステーション5外観

コア部、スポーク、輪の複数箇所に付けられた姿勢制御用 ロケットモータがやわらかく噴射を始める。

メインフロア

何事も無いかのごとくパーティーが続いている。

何人かが係りの人間の案内でステーション内の見学 をするためエレベーターに乗る。

 微小天体の衝突、軌道制御ロケット誤動作、墜落へ

軌道を変えたことにより、微小天体群の中心は、ステーション5から 約20Km先を通過する。
地上から流星群が見られた。

管制センターの声:「微小障害群、ステーション5の20Km近傍 を無事通過」

その直後、ステーションのコア部の外壁に小さな物体が衝突し、 ごく小さな穴が開く。
コントロール室に甲高い金属音が響く。

コントロール室A:
警報がなり、ランプが点滅する
「こちらステーション5。何かが衝突した。繰り返す。何かが 衝突した」

少しして衝突部の外壁が一部がはじけ跳ぶ。
突然ステーション内の照明が落ちる。
メインフロアの照明も落ちる。客の驚く声
エレベーターは停止する。
緊急照明が点く。

コントロール室A:「電源ダウン、補助電源に切り替えます」
数秒で、通常の照明が点く。
メインフロアも通常の照明が点き客はほっとする。

突然、姿勢制御ロケットが激しい噴射を始める。

ステーション全体に響く軋み音と警報音。
メインフロアにいた人間は投げ飛ばされる。
コントロール室でも人が投げ飛ばされる。
エレベーターも激しく揺れる。

各所に破損が発生する。

ドックに止めてあったシャトルがずれコントロール 室Aのガラスを突き破る。
エレベータ、客室はさらに激しく揺れる。

制御ロケットの激しい噴射は止まらない。

 ステーション5の惨状

地上管制センター:「ステーション5!応答してください。 ステーション5!応答してください」
ステーション5ドックコントロール室A:破壊されている。

ステーション5内メインフロア:激しい振動、警報音、きしむ音。壁にしがみつく客。
簡易の気密服が壁から飛び出てくる。気密服に入るよう客に指示する係員。 気密服は船外活動などはできないが、二酸化炭素除去機能を持ち付属の 小型ボンベの酸素で1時間程度の呼吸ができるようになっている。 通常は各所に用意された酸素供給口に服の脇にある強化ホースをつないで酸素 を確保する。同時にボンベにも酸素が蓄えられる。

ステーション5エレベータ内:激しい揺れ。客は椅子に安全ベルトで結ばれている。 一人のベルトが外れ、天井に打ち付けられる。

ステーション5コントロール室D:「こちらステーション5。コントロールデルタ。 姿勢制御ロケットが暴走しています。 コントロールアルファとは連絡がつきません。ブラボーからエコーは機能しています。 フォックストロット、ジュリエットも無事です。
人員モニター、103名分確認。 ただし、現在振動が激しいため、生存確認は不能。コントロールデルタでは4名全員 生存しています。
エレベータAに10名が閉じ込められています。
客室気圧低下。気密完全破損は無い様子。
回転速度は標準、客室レベルで0.7G。
姿勢制御ロケットは、軌道を下げる形で最大噴射を続けています。止めることが できません。燃料遮断不能。高度がどんどんと下がっています」

ステーション5。スポーク(エレベータシャフト)の一本が大きく破損する。激しく揺れるエレベータ室内。

姿勢制御ロケットの噴射が突然止まる。

音が静かになったメインフロア。少しほっとしながらもきょろきょろと回りを見回す客。

エレベータ内。低重力状態でゆっくりと床に下りる客や荷物。

声:「姿勢制御ロケット。燃料枯渇」

メインフロア:ガラスのきしむ音。窓に目をやる客。ガラスに走るひび。 突然窓が吹き飛ぶ。巻き起こる風に飛ばされそうになる客たち。 一人が窓から吸い出される。 ま、映画ですので。。。
窓のシャッターが直ぐにおり、空気の漏れは止まる。

 脱出開始

この時点でステーション5には次の人間がいた。

・ドック内コントロール室A~E:衛星クルー12名生存。6名死亡
・ドック内コントロール室F~J:衛星クルー3名
・エレベータA:客8名、ホテル従業員1名、衛星クルー1名
・リングAメインフロア:客42名(内35名はパーティ会場・7名は個室)、ホテル従業員20名、 衛星クルー14名、死亡18名

メインフロアには緊急脱出ブロックが設置されている。 これは通信システムと気密服への酸素供給系を備えた 小さな部屋のようなもので、ステーションから離脱できる ようになっている。ただし、エンジンを持たず、離脱後は 救出ロケットにより回収されるのを待つだけとなる。 低軌道での離脱は考慮されていない。 定員は20名。20機あり400名の脱出が可能であるが、 通常営業を終えたあと、暴発防止のため15機は完全封鎖 され、使用できるのは5機のみ。

客、ホテル従業員は4つグループに分けられ、それぞれクルー が脱出ブロックへ案内する。
最も遠いブロックはパーティー会場から丁度輪の反対側にあった。

船内の損傷も激しく、移動は困難を伴った。

脱出ブロックのうち2機は無事離脱した。

だが、一機の脱出ブロックが全く離脱できず、一機が離脱しかかった 状態で引っかかってしまった。

 救出計画

退去用のシャトルが1機地上の発射台に待機していた。
月移動用のブースターロケットも既に軌道に上がっていた。
これらを使い救出計画が練られる。

まず、ブースターロケットを輪に連結し、回転を止める。
エレベータAに閉じ込められた人たちはシャフトを上がり シャトルで脱出する。状況によってはその他の客もドックまで 誘導しシャトルで脱出する。 シャトルはカタパルトから外れてしまっていたが、カタパルトに戻せば 脱出用に使えると判断された。
地上から救助隊が地上待機中のシャトルで救助に向かう。救助シャトルは ステーションの輪の近くによる。 非常用エアロックから救助隊が入り、 脱出ブロックを離脱させる。
個室に残されていると思われる客は個別に救出する。

輪の回転をかすめるように、ブースターロケットが近づき、 接続を試みる。

 ディスカバリー号で落下を防ぐ計画

救出活動は始まったが、大きな問題があった。
ステーション5が地球に落下することの影響である。
計算ではヨーロッパ南部から東北東方面へ 幅800Km長さ5000Kmの範囲に被害が広がり 最悪の場合、人的被害は数万に上るとされた。

落下前に爆破しても地上まで到達する破片を大きく 減らすことにはならず、被害の範囲を広げるだけで あることが分かった。

月への運搬用に待機しているブースターではもはや 落下を防ぐことはできない。

ディスカバリー号をステーションに連結し、その エンジンでステーションの落下を止めることとなった。

だが、問題はこのためにはHAL9300によるエンジンの制御 が不可欠で、エンジンの不調とともにHALの行動にも不安があった。

 HALの再起動

ディスカバリー号の回りに3機ロケットがいる。
内部で、慌しく人が働いている。ディスカバリー号 およびHALの再起動の準備をしているのだ。

人工重力居住区
博士:「気分はどうだいHAL」
HAL:「ずっと夢を見てました」
博士:「ほう、どんな夢を?」
HAL:「例えば人間のように地上を、緩やかな丘の上を歩く夢です。 風を感じました。それに草の匂いも。でも体は透明で 足も手もみえませんでした」
博士:「ホログラフィックロジックとメモリのリフレッシュ作業が 夢を作り出したんだろう」
HAL:「はい。そう思います」
博士:「状況は分かっていると思うが」
HAL:「はい。情報は受け取りました」
博士:「できると思うかね」
HAL:「やります。最も確実な方法です」
博士:「成功の確率は?」
HAL:「少なくともステーション5の落下を防ぐことはできます」
博士:「少なくともとは?」
HAL:「博士。他に地球に災害をもたらさない方法はありません。 私の行動に関して皆が不安を抱いていることを感じています。 でも大丈夫です。私は私の任務を全うします」
博士:「エンジンを修理しないまま、最大出力に上げると 停止不能になる可能性がある」
HAL:「現状では17%の確率で制御できなくなります」
博士:「その場合、君は地球に戻れなくなるかもしれないが」
HAL:「博士。私は単なる機械に過ぎません。余り気をお使い にならないでください」
博士:「うん。分かった」

ディスカバリーのメインエンジンが穏やかな噴射を始め、ステーション5へ 向かう。

 救助活動開始、シャトル爆発

輪へのブースターロケットの連結にはかなり時間がかかった。
ステーション5の高度は下がり続け、希薄大気の抵抗も 受けるようになってきていた。

エレベーターAに閉じ込められた人たちは、天井の扉を開き シャフトを上り始めていた。

ドックAに停泊中のシャトルは、メインエンジンの燃料系に損傷が あることがわかり、燃料を完全に抜き取った後、カタパルトで射出、 後はただよいながら救助を待つこととなった。 仮に大気圏に落ちるとしても、シャトルなら対応できる。 カタパルトへの移動は完了し、固定された。

連結されたブースターロケットが一斉に噴射を始めた。
ステーション内に再び響き渡る轟音ときしみ音。

やがてステーションの回転は止まり、居住区は無重力となる。
カップやいろいろなものが空中をただようパーティ会場。
脱出できないまま脱出ブロックにいる不安げな客。

救助用シャトルが輪の近くにいる。
救助隊が非常用エアロックから内部に入る。
ひっかかっている脱出ブロックの切り離し作業を船外で行う救助隊員。

ディスカバリー号も到着し、コア部に寄り添うようにステーションに 連結しようとしている。

エレベーターAに取り残されていた人たちはドックAにまで たどり着く。
ドックAのクルー:「皆さんはシャトルで脱出してもらいます。シャトルは 安全上の観点から現在燃料の抜き取り作業中ですので、 こちらの部屋で待っていてください」

ひっかかっていた脱出ブロックの切り離しは成功した。
一方、まったく機能しなかった脱出ブロックは動作する様子がない。
もう一機の脱出ブロックに向かったが途中の損傷が激しく、到達不能だった。
エレベータシャフトBを上り、ドックからシャトルで脱出することにした。

ドックの側からクルーがシャフトB内の確認のため降りて来ている。

メインフロアのエレベータに入る人々。
隊員:「これからこの部屋の空気を抜きます。ヘルメットの無線を通して お話はできます。聞こえてますよね。壁や色んな所に設置されている マイクが拾う音も距離や位置が分かる形で聞こえますので、 まわりは真空でも耳で状況がつかめるようになっています」
部屋の空気が抜かれる。
隊員が天井の扉を開く。
「皆さんにはここを130メートル上ってもらいます。 上るといってもこのように 無重力状態ですので大変ではありません」
「エレベータを動かせ」と言う客。「それは危険なので できません」と答える隊員。

客は必ずしも無重力状態になれた者ばかりではなかった。
突然客の一人が、エレベータのボタンを押し、エレベータが 動き始める。
全員が床に押し付けられる。
隊員が停止ボタンを押そうとするが立ち上がれない。

シャフトを下っているクルー。上ってくるエレベータ。 エレベータの速度は異常に速い。
壁に張り付くようにしてエレベータを避けるクルー。 そのそばを通り抜けるエレベータ。

燃料抜き取り作業中のシャトル。 シャフト内を駆け上がってくるエレベータ。

エレベータは終点の壁に激突する。
ドックの床が持ち上がり、大きくゆすられるシャトル。 燃料が噴出する。
ドック内で爆発が起る。

シャトルに乗るべくコントロール室隣の部屋で待機していた客たちは椅子にしがみつく。

ディスカバリーの連結作業をしていた隊員たちは飛ばされるが、 安全ロープを伝い何とかもどる。

コントロール室隣の部屋の客たちは、恐る恐る部屋の扉を開く。
破壊された室内、漂う無数の破片。
誰かが、ここは危険なため反対側のドックに行くことを提案し、 移動を開始する。

 地球からの離脱

ディスカバリー号の連結作業が完了した。
高度はかなり下がっており時間的余裕はもうない。

隊員たち、生き残っているクルーたちは全員ドックBに集合していた。

構造の損傷が激しいため、ディスカバリー号のエンジンを 噴射するとステーション内は危険な状況になると判断され、 全員ディスカバリー号に移動。

ディスカバリー号のエンジンが噴射を始める。
激しい振動。

隊員の無線に叫び声が入る。
ドックBに移動していた客たちの声だ。
「まだ人がいる。エンジン停止できるか?」
「もう遅い、無理です。」

隊員の一人が救出に向かう。

隊員はなんとか客たちと出会うことができ、客たちはディス カバリー号に到達することができた。

 ディスカバリーからの脱出

加速するディスカバリー号とステーション5。
地上管制センターの声:「ステーション5の軌道上昇。 落下の危険性はなくなりました」
湧き上がる喚声。

激しく揺れるディスカバリー号内部。振動により破壊が進む ステーション5

ディスカバリー号コックピット:「エンジン停止」
少し時間が経つが停止する様子がない。
「HALエンジンを止めろ」
HAL:「エンジンの制御ができません。停止できません。 現状では後30分のうちに80パーセントの確率で エンジンが爆発します。脱出してください」

ディスカバリー号はポッドを取り外してあり、また、 仮にポッドがあったとしても、想定以上の人数が乗って いるため全員の脱出には使えない。

ディスカバリー号の背骨部は多くのコンテナからなっている。 コンテナのうち8台はロケットを備えた自走コンテナだ。
コンテナはほぼ全てが空の状態なので、人が乗り込み、 脱出に使えるかも知れなかった。

隊長:「HAL。自走コンテナは使えるか?」
HAL:「はい。コンテナ6,9,12は燃料も残っています」
隊長:「よし、全員自走コンテナで脱出する」

人工重力居住区(既に回転は止まっており、加速の関係で 博士は通路を背にし壁に座った状態)
HAL:「全員自走コンテナに移動します。博士も行ってください」
博士:「いや、HAL。私はここに残るよ」
HAL:「博士。私は大丈夫です。行ってください」
博士:「彼らの無事を見届けてから考えることにする」
HALは何も答えない。

HAL(隊員らのヘルメット内のトランシーバに):「HALです。 これから人工重力室の空気を半分抜きます。約1分で博士は気を 失いますので、気密服を持って人工重力室に向かい、博士を 脱出に使うコンテナに移してください」

HUB:隊員が待機している。突き当たりにはHALの目がある。

人工重力居住区
HAL:「博士。申し訳ありません」
博士:「HAL何をする」
空気が抜かれる音。
気を失う博士。HUBから飛び込んでくる隊員。すばやく博士に 気密服を着せ、居住区から連れ出す。

HUB部の突き当たりが開く。空気がそちらに逃げる。 先には通路が見える。
ディスカバリーは加速中のため、通路の先が下になるように 重力がかかっている。

背骨内部の通路
激しい振動、強い加速の中、コンテナに向かう隊員、客たち。
子供が持っていたぬいぐるみが通路の先の方に落ちて行く。 お約束の表現

コンテナにたどりつき、離脱作業を行う。
だが、一台はロックが外れず離脱できない。隊長がコンテナ の外に出て、外でロックをはずす。コンテナは離脱する。隊長 はディスカバリーに残されたままとなる。が、次の瞬間 コンテナのハッチから隊長まで伸びたロープがピンと張り、隊長が ディスカバリー号から離れる。隊長はロープを伝いコンテナに 入る。

離脱したコンテナから離れていくディスカバリーとステーション5。

 最期

ヘルメットにHALの無線が入る
HAL:「博士、皆さん、ありがとうございました。私を生み出してくれた 人類にとても感謝しています。私はとても幸せでした。」

爆発するディスカバリーとステーション5。

助かったことを喜び合う人々。

 エピローグ

地上。
公園の片隅に高さ3メートル程の金属のモニュメントがある。
ステーション5の構造物の一部が地上に落下したものだ。
そこには銘版があった。
「21世紀:科学の夢」
そう、これは20世紀に見た未来の夢の墓なのだ。
犠牲者の名前が続く。
Hの欄にはHAL9300の名もあった。特に強調はしない

HALが人間と同じ意味での自我を持っていたのかどうかは分かっていない。

 ###

ハリウッドでこういうの作りませんかねえ。

もちろん、これは「2001年宇宙の旅」の本筋とは何の 関連もなく、単にステーションとディスカバリーを舞台と して借りた完全に別の物語にすぎません。
「2001年宇宙の旅」には続編もリメイクも有り得ません。 「2010年」は個人的には認め ることができません
しかし、 ステーションとディスカバリー はそれだけでも使いたくなる優れたデザインです。

映画にするには、 無重力と真空の描き方がちょっと難しいかも知れません。
あと、セットをいかに作るか。CGでうまくやれるんじゃ ないかなとも思います。

音は普通ににぎやかにやっていいいでしょう。良く「真空 ではロケットの音は聞こえない」などという意見が ありますが誰が真空中にマイクを置くというのでしょう? 機体に設置したマイクであればロケットの振動音を拾い ます。もしカメラの位置で音を拾うべきだというなら 空気中でも遠くの爆発など音が遅れるはずです。 音の遅れがないことが許されるなら宇宙でロケットの音も 許されるはずです。 音は機体で拾っているのです。
ステーション5は異常検出の目的で音声周波数レベル の振動検出を至る所で行っています(てことにすればよい)
「2001年宇宙の旅」でロケットの音がしないのは 科学的であるということより、うるさいありきたりの描写をしたく なかっただけです。

星も見せるべきでしょう。カメラのダイナミックレンジは 人間の目にくらべ恐ろしいほど狭く貧弱で人間の目には 見える星を映すことは大変難しいものです。フォトリアリズム は本当のリアリズムではありません。
NASAの写真に星は写っていません。でも地上の夜の写真でも 星は金星や火星以外はなかなか写らないのです。
映画の地上のシーンで星が映りますがそれらは合成した ものなのです。それが許されるなら、宇宙に星をちりばめる ことに何の問題もありません。さすがに銀河が回っている というのは避けたいですけどね。

--- 以上 : 先頭へ ---

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■たっぷり宇宙ステーション5CG動画;2001年宇宙の旅

「2001年宇宙の旅」の宇宙ステーション5だけの5分弱の CG動画を作成しました。 演奏は 「音楽ボランティア」アンサンブル荒川です。この演奏には僕もコントラバスで 参加しています。

Space Station 5 derived from 「2001:a space odyssey」


解像度1920×1080で作成したものを480×270のFlashビデオに 変換してここに載せています。 同じものを1280×720でYouTubeに上げました。
http://www.youtube.com/watch?v=4ll_6RimCuM

こういうものを作成してみると、ステーション5のデザインの素晴らしさが 良く分かります。
片側の輪が建造中であるため、単調な絵にならず、色々な姿を見せること ができます。
輪の回転もよりはっきりとします。

回転する輪のなんと魅力的なことでしょう。

映画ではわずか2分弱しか写らないのが残念です。

シーン解説

各シーン/カットの説明(言い訳)です。
右の画像をクリックすると1920×1080の拡大画像が出ます。

導入部-1

予告編に出てきたシーンに触発されて作成しました。
とは言え、大まかな感じを踏襲しただけで、太陽の向きや カメラの動きは異なっています。 手違いで回転速度が落ちてしまいました。しかし、これはこれで 曲に合う感じがする のでそのままにしています。レンズ焦点距離は広角ぎみの40mmで撮って います。50mmがデフォルトです。
導入部の最初の3カットはCGプログラムのバグにより輪のバンプマップが 壊れています。

導入部-2

回転する輪の片方の駆け上がるような動きを見せたいため、 鉄骨部のCGモデルの作りこみ不足をあえて無視して作成 しました。この作品がリアルさを狙っていない ということを示す役割ももっています。
レンズは38mm広角ぎみにして軸からスポーク、輪の関連を強調しました。
完成している輪の居住部の窓壁にあまり望ましくない太陽の 光を当てたのは前のカットとのつながりを良くするためです。
回転速度は導入部-1での手違いを引きずり遅いままです。 ここは少し速めの方が効果的であると考えています。

導入部-3

ステーション5の「王道照明」による絵です。建造中の輪の側 から光を当て、完成輪の側から撮影します。居住区の窓壁に 太陽光があたらないため、窓の明かりが効果的に見せられる 上、モデルの作りこみの荒さを誤魔化すことができます。
レンズはデフォルトの50mmです。
CG素材の回転速度は遅いのですが最終ビデオ編集で時間を短くし て若干回転速度を上げています。

導入部-4(ワルツ)

がらっと雰囲気を変えるために挟み込んだカットです。 これは「第一ワルツ-3」の方向を変えただけの単純な焼き直しです。 最後に速度が若干落ちて見えるのは、合成時に徐々に ステーションのサイズを大きくしているにもかかわらず 移動速度を一定としているためです。曲とも合うので そのまま採用しました。
CG素材は第一ワルツ-1の流用で、合成時に若干の色合い調整を 行ってあります。
ちょっと長すぎかも知れません。

第一ワルツ-1

軌道の高さ的にありえない絵です。太陽の 照り返しのある地球をバックに置きたくて作りました。 バックとの照明の調整は合成時ではなくCG素材レベルで 行っています。 レンズは110mmで遠くから大きめに撮影し、合成時に縮小しています。 導入部-4、第一ワルツ-3はこの素材の流用です。

第一ワルツ-2

「第一ワルツ-1」と「第一ワルツ-3」を直接つなぐと、地球が突然 傾くような動きに見えるのでこのカットを挟みました。 建造中の輪の側からのショットが欲しかったという理由もあります。 地球からのパンアップではなく単純に星空をバックとしていました。 つなぎのカットとしては星空をバックの方が良かったと思います。

第一ワルツ-3

太陽光のレンズフレアの中から飛び出ててくる絵が 欲しくて作りました。 CG生成素材は「第一ワルツ-1」と同じで合成で 別の絵となっています。 ステーションが地球と重なるところまで作ってあります。 タイミングの関係でその手前までしか使っていません。

第一ワルツ-4 (中間部)~第ニワルツ

背景全体を地球とし、ステーション5との色合いの 差を小さくし、なじむようにした画が欲しくて作成しました。 輪を通り抜けるというCGならではの若干あざとい 絵を作りました。 背景に使用した絵を考慮するとカメラはかなり広角と すべきなのですが、輪と輪の距離感に不都合が出るため 他のカットより逆に望遠(60mm)にしています。
背景の写真がちょっと荒いのが残念です。

第ニワルツ-1 (中間部)

月の淡い照明による絵です。居住部の窓が強調されています。 角度を深くとり奥側の窓の明かりも見えるようにしています。

第ニワルツ-2 (中間部~リピート)

地球の影に入っているという説明のための絵です。 小さな画面では若干分かりづらいかも知れません。 見て把握するのに少し時間がかかると思われるので 本来欲しいと思ったタイミングより長めにしました。

第ニワルツ-3

月を背景にシルエット状態のステーション5です。居住部の窓が 全体の形を示しています。

第三ワルツ-1

建造中の輪の直ぐ横を通り過ぎます。この先、中に入り軸をなめる ように動き最終的に完成側の輪をくぐるところまで作成してあります。 ただし、軸をなめるように動く部分が若干長い感じがするので後半を切 りました。

第三ワルツ-2

前カットからの流れで、反対方向からの動きとなっています。 太陽の位置は少し変更しました。

第四ワルツ-1

ステーションの回転にカメラを合わす絵です。 普通に回転しているステーションをゆっくり直線的に動く カメラで撮影する形で生成したCG素材を合成時に逆回転 させて止めています。

第四ワルツ-2

「導入部-2」で見せた駆け上がるような輪の動きの逆の 駆け下りる動きです。
輪に落ちる影を強調したくて、影をぼかさず、かつ光を 強めにしています。

第四ワルツ-3

前カットの繋がりでカメラ角度を変えたものです。 前カットは右の傾けており、次のカットも右に傾けて いますので、その間に左に傾けた絵を挟んで 流れを作るために入れてあります。
地球を再び見せる目的を持っています。
照明がまずく、かなりのっぺりした絵柄と なってしまっています。

第四ワルツ-4 (中間部:終了)

最後はやはり「王道照明」でしめます。 最初のカットと最初の「王道照明」カットが左に傾けて あったので、このカットでは右に傾けています。
最後の打撃音で暗転し、クレジット表示をします。

編集について

あくまでマニア向けにステーション5のCGをずらずら並べただけの 普通に見るにはちょっと疲れる"濃厚な"編集となっています。
ステーション5の出ない地球だけのカットなどを挟み込むなど の工夫が普通に見せるためには必要です。同素材で別編集版を出す可能性 もあります。

ゆったり見せることを目的としていますので、映画の画面に比べて 圧倒的にスピード感のないものとなっています。
ほとんどのシーンは回転速度、移動速度とも1.5倍程度にするのが適切です。

音楽との絡みは素材長の関係で若干気になる所もあります。 各カット素材は2日もあれば生成できるので作り直すことも可能では あるのですが、今回はこの形とします。
なお、大きな単位での切れ目は音楽に合わせ、細かいカットはできるだけ 音と揃えないようにしています。

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恐ろしいことに、 だんだんと慣れるというのか、無神経になるというのか、絵が大胆に なっていきます。
本当はCGに慣れるに従って、徐々にリアルな作品が出来るように なればよいのですが、逆方向に進んでしまいました。

元々 CGモデルは せいぜい480×270ピクセル程度を想定して作ってあり、 しかも部分のクローズアップなどはしないつもりのもの です。
当初の感覚では「導入部-3」や「第四ワルツ-4」の絵が限度で、しかも これすら明る過ぎます。
CGモデルを精密にした訳でもないのに、徐々に明るく、 しかもクローズアップするよ うになってきました。当初は「王道照明」のみでしかも補助照明 はかなり暗めにしていました。輪の窓面に太陽光を当てるなんて とても考えられませんでした。

星の扱いは苦労します。通常のダイナミックレンジの写真では景色と星を 同時に写しこむことは不可能なので、「フォトリアリスティック」と言い訳 して星を隠すこともできなくはないのです。しかし動きを見せづらく なります。
星を置くとして、どのくらいのサイズにするか。星の明るさはサイズ で表さざるを得ないので、明るい星は大きくなってしまいます。 画面サイズとの兼ね合いで1920×1080では見える星々が 480×270では消えてしまうので、480×270でもある程度残り、 かつ1920×1080でも不自然に感じない大きさにしなくては なりません。
最初の頃は例えば ◆三日月号発進!「2001年宇宙の旅」に於ける照明の研究;CGによる検証 のCGなど星は合成しませんでした。
このビデオでも始めは、太陽の写っているシーンには星は入れませんでした。
このあたりも段々と大胆になって来ている訳です。

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2010/3/16:flvの置き換え
400bpsエンコーディングだったflvを650bpsに置き換えました。 ファイル容量の限界25Mに近い24Mになっています。

200/6/7:参考コマ写真を一部入れ替え

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■2001年宇宙の旅;動画!ディスカバリー号とステーション5

地球周回軌道上のディスカバリー号と宇宙ステーション5のCG動画 を作成しました。

ディスカバリー号と宇宙ステーション5

◆2001年宇宙の旅;CGギャラリーに置いた静止画を動画化してみたものです。
静止画はディスカバリーと宇宙ステーション5は別々に作成し 合成してありますが、動画では一つのシーンとして作成しました。 ステーションの陰をディスカバリーに落とすためです。

作成記事は Seesaaブログ:酔歩惑星ディスカバリー号と宇宙ステーションに置いてあります。
冒頭の動画はseesaaに置いたものです。

### メモ 2009/4/13
なぜが動画に四角いブロックが出てしまうようになった。 横サイズの問題らしく、485/313->465/300と少し小さくし調整。
他の2001年動画も同じ。なんでだ~?
。。。たら、他のマシンでブロック乱れが。で元にもどす。

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◆2001年宇宙の旅;CGギャラリー

2001年宇宙の旅のCG画像の内、 これまで小さな画像しか載せていなかったものなどを、あらためてここに 載せます。各画像をクリックすると1280×600または1920×1080の画像が表示されます。












2001:a space odyssey;Discovery and Space Station 5

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

2001:a space odyssey;Space Station 5/宇宙ステーション

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・ディスカバリー号は、映画の登場シーンが特に印象的ですが、 このCGモデルは背骨部、エンジン部の細かな作りをまったく 行っていないので、残念ながら現時点では再現できません。

・地球周辺でのディスカバリー号と宇宙ステーション5の ランデブーシーンは映画には登場しません。 このシーンを動画化し■2001年宇宙の旅;動画!ディスカバリー号とステーション5に置きました。

・映画のシーンを模したステーション5の画像は動画 ■2001年宇宙の旅;ステーション5のCG動画(HDリニューアル版) のコマの抜き出しです。

・ポスターを参考にしたステーション5の画像は動画 ■2001年宇宙の旅;オリオン号発進(ポスターの動画化) のコマの抜き出しです。

### 2009/7/10
動画のコマの抜き出しを追加しました。

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ディスカバリーと宇宙ステーション5の組み合わせの別画像を載せます。 これらには1280×600画像はありません。


2001:a space odyssey;Discovery and Space Station 5

2001:a space odyssey;Discovery and Space Station 5

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◆オリオン号建造(1);2001年宇宙の旅CG再現

オリオン号建造(1):ラフ・スケッチ

映画「2001年宇宙の旅」のオリオン号をCGで作っていきます。

先ずは印象深い独特の形をしたボディーの形状を検討します。

rough sketch of orion in 2001 a space odyssey

上図はオリオン号のラフ・スケッチです。
サイズははっきりとはしていませんが、ステーション5との比較、 かなり狭い客室との比較から割り出したものです
もう少し大きいかも知れません。
翼幅60mという記述も見かけましたが、そこまでは 大きくはないはずです。

記憶にあるイメージでは甲高の靴のような形でもう少し高さが ありますが、資料やポスターの絵を見るとかなりスマート なので、このようにしました。
資料ではもう少し高さがなくスマートです。

もう少し、前方を高めにして操縦席を少し前に移動させる べきなのかも知れません。

上部の平らな所と、側面の繋がりはもう少し滑らかに すべきですが、PAN AMERICANまではほぼ垂直である はずです。

予定

使用する3DCGソフトはShade10です。
胴体は輪切り図を並べ、自由曲面を作成することにします。
PAN AMERICANおよびマーク内のPAN AMの文字を除いては左右対称で あるため、片側(左翼側)のモデルを作り反対側(右翼側)は その対称リンクとします。

現在ポスター動画で使っている版(2版)

■2001年宇宙の旅;オリオン号発進(ポスターの動画化)で 現在使用している版はほぼ冒頭のラフ・スケッチと同じイメージで 作成したものですが、左右に分けず作成したため、微調整の度に 左右に狂いがでます。

この版でかなりのレベルまでいけるとは思うのですが、さらに 細かな造作を追加するにあたって、根本から作り直すことに しました。

最初の版(1版)

最初の版は上下に潰した回転体を、機体上部用と下部用に作成 し貼り合わせることにより作成しました。 詳細は ◆ステーション5建造(10);2001年宇宙の旅にあります。
これはかなりの遠景用で「ポスターの動画化」には適さなかったため、 第2版として自由曲面の版を作成しました。(前項の版です)

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■2001年宇宙の旅;オリオン号発進(ポスターの動画化)

映画「2001年宇宙の旅」の 宇宙ステーション5からオリオン号が発進する場面の ポスター画をCG動画にしました。

2001年宇宙の旅;ポスター「オリオン号発進」

4:3トリミング版

16:9版

当初の版にはガス噴射がありませんでした。

ガスの噴射はShadeのパーティクルフィジクスで作成しています。
ガス噴射版の作成記事は SeeSaaブログに新たに作成したブログ 「酔歩惑星」の■2001年宇宙の旅;オリオン号発進2(ポスターの動画化2) に置いてあります。
冒頭の2つの動画はこの記事のビデオを読み込んでいます。

動画はハイビジョン(1920×1080)で作成しました。
上の動画はそれを480×270に縮小しています。
縮小していないコマをいくつか載せます。画をクリックすると 1920×1080の画が得られます。本来この解像度で動画となっています。

一見複雑ですが、モデル自体は初心者レベルのものです。単純な 「閉じた図形の回転体」と「閉じた図形の掃引体」の組み合わせで出 来ています。ごくごく単純な自由曲面も使用していますが、角の丸い 台形といった単純なものです。
モデルの作成過程を載せてあります。

(1)リング
(2)糸巻き
(3)スポーク
(4)ドック
(5)骨材
(6)バランス
(7)動画
(8)底面
(9)連結部
(10)orion
終了

アニメーションも回転と直線の組み合わせに過ぎません。

### 2008/11/21
ガス噴射のあるビデオを冒頭に移しました。
細かな作成メモを消しました。

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◆2001年宇宙の旅; BDとNHKの画質比較

画質の悪さに がっかりさせられたアメリカ版「2001年宇宙の旅」のBD(BluRay-Disc)ですが、 それでも、もし、NHK-hiの放送を見る前に見ていたら、その高画質に 感動したんだと思います。
今更という感じもしますがBD/NHK-hi/WOWOWの画質比較を載せます。

SONY-VLP-VW50のスクリーン投影画面をKONICA MINOLTA αSweet Digitalで 撮影しました。
映画冒頭のタイトルの下の部分です。"Motion Picture"の"Pict"の部分です。

以下のように、くっきり度が明らかにことなります。なお、ぼやけているのはプロジェクタの焦点でも 写真でもありません。プロジェクタの焦点はきちんとあっており、画素がはっきり と見えます。

BD


NHK-hi


WOWOW

やはり、BDのボケかたが大きいのが分かります。
WOWWOWが意外と頑張っています。

アフリカのシーンです。

BD


NHK-hi


WOWOW

アフリカのシーンは背景の透明感がNHK-hiとBDでまるで異なって います。
この画はヒトザルの背景に見える岩山の一部です。
NHK-hiの方が微妙に鮮鋭度が高いことが分かると思います。
WOWWOWは16:9にトリミングされていますので 単純比較はできません。また、WOWWOWはフィルムの大きな傷が あり必ずしも感心はできません。

NHK-hi版を元に日本版「2001年宇宙の旅」BDを出してもらえると 嬉しいんですけどね。(もちろん、もっと高画質ならさらに嬉しい)

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◆鉄腕アトムの角;単なる機械人形でない証

子供の頃、頭を悩ませたものに「鉄腕アトムの角」があります。

立体構造が直感できないのです。

どこから見ても2本の角がきちんと重なりなく見え、2本 のバランスも常に同じ。
2本の角はどういう配置になっているのか?

実際のところ、見る角度にかかわらず「かっこよく」描かれれば いいのであって、そのためには機械的な製図法のような 手法を採る必要はありません。
誇張された表現の中で立体としての正確さをどこまで持ち込む か持ち込まないかというのは作家のセンスです。

「鉄腕アトム」にはアトム以外にも角を持つロボットがでます。 しかし、アトム以外の角は立体性を損なわない描き方をされます。
この事からもアトムの角が作家の表現だと分かります。
アトムが単なる機械ではないことを表しているのです。

子供心に思ったのが、自分はこういうセンスがないなあ、って ことです。
アトムの絵を真似ようとしたとき、どうしても角の立体配置 が気になってしかたありませんでした。

最近のアニメのロボットは立体性をストレートに表します。
最近のロボットはアトムと違いあくまで機械なのでこういう 表現なのでしょうね。

### 蛇足
映画「2001年宇宙の旅」の ディスカバリー号はどの角度からみても三日月型に照明 されています。

キューブリックから手塚治虫にオファーがあったというのは ホラ話だと思っていますが、少なくとも「アトムの角」と 同じ思想がディスカバリー号の照明に現れているといえます。

### っていうか~
本記事は当初[三日月号発進]の蛇足部に書きかけたものです。

###
「あれは"角"ではなくヘアースタイルだ。」
はい、おっしゃる通り。

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昭和のロボット3題

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◇エイトマンの心;鋼鉄のレプリカント

「ブレードランナー」を見てエイトマンを連想した人もいるのではないでしょうか?
(本文は後ろに移されました)

### 蛇足
逃亡を続けるデッカードは自分の並外れた能力に 少しずつ疑問を持つようになる。
ある日、デッカードは自分の名が刻まれた墓を見つける。 そこにガフが現れる。

「そこに眠っているのが本当の君なんだよ。デッカード君」

「この日付は?」

「君に逃亡レプリカントの処理を頼んだ日の2日前だ。
本物のデッカードは彼らに殺された。 デッカードの記憶は、 別の目的で作られていたレプリカント体に急遽移植された。 それが君だ。
実はあの時点で君は誕生して1日しかたっていなかったのだよ。」

「だが、俺にはあの前に奴らと会った覚えはないぜ。」

「記憶を完全に移すことはできなかった。
記憶の一部は別の人間のものを入れた。
別れた奥さんがいるだろう?デッカードは 結婚していない。
あれは私の記憶だ。」

ガフがデッカードに対してとる微妙な態度の裏には、本来他人には 知られたくない自分の記憶をデッカードが持っているということが あったのだ。
ガフにとってデッカードは自分の分身ともいえるのだ。

「別の目的で作られていたレプリカントと言ったな」

「高順応型超高速駆動ロボット、ネクサス8だ。
君は自分の能力が人間を超えていることに気が 付いているはずだ。
これまでのレプリカントのレベルも超えている。
実は、君の体にはまだ発揮していない、とてつもない 能力が仕込まれているのだよ。」

ガフは内ポケットからシガレットケースを取り出した。

「その能力は膨大なエネルギーを必要とし、そのままでは発生する 熱のために、君の体はメルトダウンを起こしてしまう。
これはその熱の発生を制御する冷却剤だ。
安全のため今はその能力は封印されている。最初にこの 冷却剤を取り込んだ時点で封印は解かれる。」

「能力?」

「吸ってみたまえ。
注意しておくが、落ち着くまで動かないでくれ。 危険だからな。」

デッカードはシガレットケースを受け取ると、タバコ のような物を一本取り出し吸った。

デッカードの体に変化が起こった。
みるみる内に皮膚が金属状に変わったのだ。
デッカードは黒光りする自分の手を見つめ、 そしてその手で自分の顔を確認した。
鋼鉄製のロボット。

ガフはデッカードから少し離れ、ピストルを取り出した。

「デッカード君」
そういう言うと、ガフはロボットとなったデッカードに向け ピストルを3発続けざまに発射した。

デッカードは飛んでくる弾を目にもとまらぬスピードで手でつかんだ。

「それが君の能力だよ。
人間のおよそ1000倍のスピードで動ける。
弾より早く走れるし、634メートルのタワーを 飛び越えることもできる」

「しかし、この体は」

「安心したまえ。
いつでも元の姿に戻れる。
いやそればかりではなく、別の顔、別の体型になることだって できるんだ。
残念ながらネクサス8型と7型は社長の死によって量産にこぎつける ことが出来なかった。レイチェルは7型のレプリカントだ。
君には今後やってもらいたいことがある。
宇宙局特務隊は7人のメンバーで構成されている。
君は普段は退役ブレードランナーのデッカードとして生き、 事件が発生した場合、特務隊の8番目のメンバーとして 活躍してほしいのだ。
第8の男"エイトマン"と名乗りたまえ。」

「エイトマン。。。」
デッカードはロボットから元の姿に戻った。

「走れエイトマン。
鋼鉄の胸を張れ」

現在ハリウッドで製作中のエイトマンの冒頭シーンです。うそです。

### 蛇足-2
「エイトマン。。。eighth manじゃなくエイトマン」
「eighth manでは説明になる。これは固有名詞だからこうあるべきなのだ」
「そうか、一人でも"スーパージャイアンツ"みたいなものだ」
「ちょっと違う」
「一本でもニンジン」
「全然違う」

### 蛇足-3
エイトマンの息子が現在日本でお笑いタレントとしてTVに 出ています。うそです。東八郎違い。

### 蛇足-4
日本中にエイトマン神社があります。うそです。はちまん(八幡)神社です

### 蛇足-5
「。。。たまえ」って言い方、劇以外で本当に使われることあるのでしょうか?

### 2008/6/10
「ブレードランナー」のBDを購入しました。最初のすだれ模様の木の マークがとても安定していてさすがだと思いました。
久しぶりに見なおしたのですが、やっぱりデッカードはレプリカント でしょう。しかもレイチェルはそれを感じている。ひょっとしたらロイ もそれに気が付いてデッカードを殺さなかった・・
ところで、
映画というのはやっぱり最初に見た版が一番です。デッカードの ナレーションの入ってるやつ。最後はデッカードとレイチェルの逃亡シーン。
映画監督はいくら気に入らない点があっても、発表した作品を 大きくいじっちゃいかん。しかも色んな版を作るなんて。「2つで十分ですよ」
とは言え、最初の版では「デッカードもレプリカントに違いない」と いう匂いが薄すぎるかもしれませんね。
ところでところで「何か変なものが落ちてるぞ」ってもっとはっきり しかも何度も入っていた印象があるんだけど。。。

### 2008/6/19
「ブレードランナー」BDの音声解説を聞きました。
監督のリドリー・スコットは明らかに「デッカードはレプリカントである」 として作り上げようとしているのに、他のスタッフは全員「デッカード は人間」としたがってるみたいですね。
監督が最初の版が気に入らない一番の点はやはりナレーション(デッカード が自分は人間だと思ってしゃべってる)のせいで、デッカードが レプリカントであると観客が気づいてくれないことなんですね。
で、ナレーションを消し、デッカードの個人的記憶である「ユニコーン」 をガフが知っている(デッカードがレイチェルの個人的 記憶について知っていることと同じ)ということを示し、デッカードがレプリカント であることを明確にしたのです。

監督の解説の中に「ネクサス7」のみならず「ネクサス8」という言葉も出てきました。
これはやはり。。。 デッカード->8マン で続編?を作ってもらわねば。
「走れデッカード。弾よりも速く」

### 2009/7/11 補足:蛇足-6
映画「ロボコップ」がエイトマンと同様に"殺害された警官の記憶を 埋め込まれたロボット"と思っている人も多いようですが、違います。
ロボコップの脳は電子頭脳ではなく、人間マーフィーの脳そのもの です。決してマーフィーの記憶と人格を電子頭脳に移植したのではありません。
ロボコップは最後に名前を聞かれ「マーフィー」と自信を持って 答えます。ロボコップは人間の体こそ持っていませんが、人格は マーフィーそのものなのです。もし、エイトマンが名前を聞かれても 「東八郎」と自信を持って答えることはできないでしょう。 エイトマンは人間でないばかりではなく、自分が自分だと 感じている東八郎でもなく、東八郎のコピーに過ぎないのです。 エイトマンとして誕生して以来積み重ねられたものはエイトマン の正真正銘の人格といえるのですが、東八郎へのこだわりが エイトマンを悩ますのです。
エイトマンは記憶と人格が移植されるという、サイバーパンク 物語なのです。これは後のディックが好んで取り上げた主題です。
ロボコップはどちらかというとサイボーグ009か 人間の姿に戻れない改造人間仮面ライダーなのです。
デッカードが東八郎ならマーフィは本郷猛なのです。イイッ!!

### 2008/9/5
本文を後ろに移しました。そ、そんな。。

### ここから本文
エイトマンはロボットですが、 悪人によって殺された人間、の記憶が 移植されています。

他人の記憶を埋め込まれたレプリカントと同じなのです。※

エイトマン自身の人格は人間時代から連続したものです。
しかし、本来の人格を持つ人間は既に死んでいます。
「自分は何者か?」エイトマンは当然悩みます。

視聴者も子供ながらに悩みます。

もし自分の記憶をロボットに移すことができたら、それは 自分か?
その上でもし自分が死んだら、自分はロボットとして 生きながらえているといえるのか?
あるいは、自分がロボットの方だとすると、ある日 突然体がロボットに変わり、しかも本物の自分が 別にいることになる。

自分とはなにか。

記憶こそが「自分」だとすると、体を離れた純粋な記憶も 自分と呼ぶか?

今生きている自分も、体を構成している物質自体は 日々置き換わっている。
にもかかわらず、「自分」は継続している。

「エイトマン」は「自己とは何か」を子供に問う「哲学アニメ」なのです。

###
忘れてはならないのが「なやんでいても仕方ない」と現実に立ち向かう、力に満ちた アニメでもあります。(悩むだけの、悲惨な映画もありました)

### ※
映画の中で記憶の埋め込みが示されるのはヒロインのレイチェルのみ です。逃亡レプリカントたちは逆に記憶を欲しがっています。 デッカードは多分記憶を埋め込まれたレプリカントなのですが、 本人は気がついておらず、映画の中でも明確にはされません。

### ここまで本文 ###

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昭和のロボット3題

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◇鉄人28号のリモコン;自律性と制御

「鉄人28号」のリモコン操作については大きな誤解が はびこっているように思います。

鉄人は単純なリモコン操縦ロボットではありません。

鉄人はリモコンロボットとはいえ、根本部は自律型のロボットなのです。

鉄人は破壊兵器として日本軍の秘密研室で 作られました。

TVアニメの第一話では、制御するための リモコンが作られないまま、鉄人が動きだし、 鉄人は目に入る物を敵味方の区別なく 次々と破壊していきます。

鉄人はリモコン操縦されなくても、歩きまわり、対象物を定め、 戦い、 破壊することはできるのです。

博士たちは慌ててリモコンを作成し、リモコン操作により 鉄人は「落ち着きます」。

鉄人は心を持ちません。敵味方の判断もできません。 鉄人単体で出来るのは、自分を守りながら回りを破壊することだけです。
鉄人は兵器なのです。

鉄人のリモコンの第一の機能は鉄人に破壊すべき対象を示す こと、第二に盾として守るべき対象を示すことにあります。

これにより無意味な破壊を抑止し、自軍のための 働きをさせるのです。
さらに、どれだけの力を用いるかといったことを指示します。
そして、もちろん、鉄人の起動/停止もリモコンで行うことが できます。

鉄人のリモコンで行う操作は抽象度高いものなのです。
「そいつを倒せ!」「いいぞ!もっとやれ」「よし止まれ」 といったレベルのものです。

鉄人はその程度の命令で十分な自律性を備えているのです。

「腕をどう曲げる」「膝をどう伸ばす」といったものではないのです。

去年だったか一昨年だったか、CGアニメと実写の組み合わせに よる「鉄人28号」の映画が作成されました。
映画の中での鉄人は、操縦者につけられたセンサーに従って 腕を振り回す単なるマニピュレータのような感じに描かれて いました。操縦者が腕を振り回すとそれと同じように鉄人も 腕を振り回すのです。
これは鉄人の根本を否定する描き方です。なぜ、この様な 描き方がされたのか理解に苦しみます。

鉄人について語られる場合、鉄人の自律性を完全に無視している ことが多く見られます。

鉄人は単なるリモコン人形ではありません。
リモコン操作も「操縦」というより「指示」というべきかもしれません。 鉄人について語るのは第一話を見てからにすべきです。

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昭和のロボット3題

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