◆統語論とは英語に「てにをは」を割り当てる手法
統語論の主たる目的は
Fish fish fish.
のような語彙並びから
Fish
という構文構造を構築するものです。
それは日本語であれば
fish
の
ラテン語であれば
Fish
となります。
統語論の目的
一般的に統語論とはチョムスキーの生成文法における統語機構をベースとしたものを指します。
統語論は文法的役割表示の無い単語並びから、文法構造(構文構造)を構築するものです。
前置詞による文法役割表示もありますが、それは中心ではありません。数や人称の一致なども本筋ではありません。
統語論の素晴らしさは、例えば、
という文を
fish(2)がfish(3)する
と解釈する道筋を精密に与えることができることにあります。(番号は構文構造表示と揃えるために付けたものです)
次のような構文木を得ることができます。fishが名詞および目的語を一つとる動詞であるという語彙知識を用いて木を構築しています。
Fish(1) fish(2) fish(3) fish(4) fish(5).
[CP]
|
[TP]
/ ∖
[NP] [T']
/ ∖ / ∖
N [CP] T [VP]
| | (pres) / ∖
fish(1) [TP] V [NP]
/ ∖ | |
[NP] [VP] fish(4) N
| | |
N V fish(5)
| |
fish(2) fish(3)
fish(2)がfish(3)するfish(1)はfish(5)をfish(4)する
[CP]
|
[TP]
/ ∖
[NP] [T']
/ ∖ / ∖
[CP] N T [VP]
| fish(1) / ∖
[TP] [は] V [NP]
/ ∖ | |
[NP] [V] fish(4) N
| | (する) |
N V fish(5)
| | [を]
fish(2) fish(3)
[が] (する)
日本語の構文木は「は」「が」「を」と動詞を意味する形態「する」から作り上げたものです。fishの語彙知識は不要で
X(2)がX(3)するX(1)はX(5)をX(4)する
でも構いません。
英語で語彙と単語の並びから見つけた構造が日本語ではマーカーと動詞形態のみで構築されています。
英語と日本語の木の差は、[CP-TP]直下の[NP]の左右の腕が逆であるだけで、基本は同じ構造をしていることが分かります。
言い換えると、統語論は「は」「が」「を」「する」を持たない英語から「は」「が」「を」「する」を見つけ出すことに等しいのです。
主語とは?
統語論では主語は次のように定義されています。
S(文)→ NP(名詞句) VP(動詞句)
主語:SのNP。Sにより直接に支配されるN''
Sは後期の理論ではCP(Complementizer Phrase)
この定義に従えば、
英語の構文木では主語はfish(1)
日本語の構文木でも主語はfish(1)
となります。
日本語でfish(1)をマークするのは「は」です。
英語のfish(2)はthat節(that自体は省略)によるfish(1)の修飾で使われます。
日本語のfish(2)はも同様です。文の主語ではありません。「が」でマークされます。
日本語の解析をどう行うか?
日本語の構文は語彙とは別のマーカーレベルで表現されています。
日本語に対し語彙並びから構文を読み取とろうとするのは、逆方向の無意味な手法です。
topicとは?
統語論には途中からtopicというものが追加されたようです。
どうやらこれは、構文外の要素であって、
「Space, the final fronter.. 」
のような、文の集合の外側におく「お題目」です。
統語関係を持たないものに付けた名前です。「は」による主語構文とは全く関連しません。
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