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◆ローレンツ因子はsin値の三平方の定理表現

三平方の定理⇒ローレンツ因子
幾何的理解

 いかにも有難げな \(\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}\) 項

ローレンツ変換で出てくる項 \(\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}\) はぱっと見ではどうやって導いたのかピンと来ない、こけ脅しっぽい微妙な式になっています。
ルートだし、中身は1から引くという変な形だし、"v/c"でなく二乗"\({v^2}/{c^2}\)"だし。。。

もちろん、幾何数学の得意な人は、この式を一目見て、「三角形の斜辺と高さの比:を斜辺と底辺[,]で表したもので、aをvとしたもの」と分かって当然なのかも知れませんが、必ずしも皆が直感できるものでもありません。

基本は冒頭の図のように単純な三平方の定理です。式の変形手順を以下に載せます。

\( {c^2}={a^2}+{b^2}\)基本の三平方の定理
\( {c^2}-{a^2}={b^2}\)\({a^2}\)を左辺に移行
\( {b^2}={c^2}-{a^2}\)両辺を入れ替える
\( b=\sqrt{{c^2}-{a^2}}\)両辺の平方根を取る
\( \displaystyle \frac{b}{c}=\frac{\sqrt{{c^2}-{a^2}}}{c}\)bとcの比をとる
\( \displaystyle \frac{b}{c}=\sqrt{ \frac{{c^2}-{a^2}}{c^2} }\)右辺の分母をルートの中に移す
\( \displaystyle \frac{b}{c}=\sqrt{1-\frac{a^2}{c^2}}\)式(1) 分数を分配する
----------
\( \displaystyle \frac{c}{b}=\frac{1}{\sqrt{1-\frac{a^2}{c^2}}}\)式(2) 比を逆転する

三角関数でいえばsinに過ぎません。

 光速とローレンツ変換

先の項ではローレンツ項が単純な三角の辺の比(cos相当)に過ぎないことを示しました。

ここでは、光速不変性とローレンツ変換の単純な関係を見ます。

図に於いて、ロケットが速度vで移動しています。
この時、静止系で垂直方向から来る光ctはロケットの系では斜めct'から来ることになります。

t'をtの関数とするには、経路ct'とctの比を先の式(2)を用い

\( \displaystyle \frac{ct'}{ct}=\frac{1}{\sqrt{1-\frac{(vt')^2}{(ct')^2}}}\)式(2)にct',vt',ctを代入
\( \displaystyle \frac{t'}{t}=\frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}\)左辺をcで約分、右辺の分数要素を\(t'^2\)で約分
\( \displaystyle t'=t \frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}\)tを左辺から右辺へ移項

で得られます。

 でt'とtの関連は?

t'とtの関連は \(t'\ge t\) となります。\(\frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}\gt{1}\)であるため。

例えばv=0.6cだと、

\( \displaystyle t'\)\(= t \frac{1}{\sqrt{1-\frac{(0.6c)^2}{c^2}}}\)
\( \displaystyle = t \frac{1}{\sqrt{1-0.36}}\)
\( \displaystyle = t \frac{1}{\sqrt{0.64}}\)
\( \displaystyle = t \frac{1}{0.8}\)
\( \displaystyle = t×1.25\)

で、\(\displaystyle t' = 1.25 t\)となります。

ここで注意が必要なのは、静止系\(t\)が1の時移動系\(t'\)が1.25になるのは、

  • 移動系が1.25倍の速さとなるのではなく
  • 静止系で1の時間が移動系では1.25倍に引き伸ばされる

つまり、移動系の時間は静止系より遅くなるのです。

 光行差の光位相面到達時刻差から導く

以前の記事◆光行差と波と粒子と特殊相対論を少し精密にしようと思ったのですが、この記事ではローレンツ変換の「式の形から」幾何的な解釈をすることのみ行いました。

◆光行差と波と粒子と特殊相対論では光行差という「現象から」時間遅延を導こうとしています。近々記事を上げたいと思っています。

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