この1000年の地球寒冷化危機。何とか危機を脱出したようだ。
国立環境研究所 地球環境研究センター
CGER(Center for Global Environment Reserach)
イラストや
100年前は厳しい気候だったが、持ち直した
冒頭のグラフは2001年に発表されたIPCCの第3次評価報告書からのもので木の年輪やサンゴ、氷床などから過去1000年気温変化を推定しています。
灰色の部分は誤差範囲のようです。最高気温最低気温ではありません。
青、黒は統計処理の違いのようですが、残念ながら明確ではありません。
細かな事はともかく、このグラフから読み取れるのは100年程前まで気温はドンドンと下がっており、この100年で持ち直したという事です。
歴史を見ても、100年前,200年前は墨田川やテムズ川が凍ったり、数年おきに冷害が繰り返される厳しい気候となっていたのが、現在は温暖で穏やかな気候に変わっています。
ごくごく普通に考えて、「地球寒冷化の危機」がこの100年で回避された と見做すべきでしょう。
「問題はこのまま温暖化が進む事だ」という意見があるでしょうが、既に100年温暖化が続いており、その結果何が起こっているかという現実を見ないまま、未来を推測するのは間違っています 。
この100年で人口は減ったでしょうか?人間が生息できる領域は減ったでしょうか?食糧生産性は下がったでしょうか?
人口が増え、これまで居住するには適さなかった地域まで居住地となり、気象に変化が無くても災害に遭う可能性が著しく高まっているはずですが、災害はそのように増えているでしょうか?
センセーショナルに喧伝される「ツバル消滅」「台風の甚大化」「動植物の大規模な絶滅」など全く起こっていない事は皆気が付いているはずです。
未来を語るには、冷静にこの100年の現実、1000年、2000年という流れの中での現実を見つめる必要があります。
この100年の温暖化で現実に発生していない害を明日にも発生するがごとき論調を張るのは完璧に間違っています。
謎の論理たち
地球温暖化終末論には私には理解不能なものが沢山あります。幾つかを上げます。
雪面/氷床の減少により高温化暴走が起こる?
気温が上がると太陽光を宇宙に反射していた雪面/氷床が減少し、地面が太陽熱を吸収することになり、気温がさらに高くなる。こうして高温化暴走が始まる。
って、逆に気温が下がると冷却暴走が起こる訳ですよね。安定点はどこにもない。雪面/氷床が全部消えるか、地球を覆いつくすかになる。
そもそも、この説は二酸化炭素とは無関係に働く仕組みであり、「この100年の気温の動きと二酸化炭素の濃度の動きが一致している」という主張がこの暴走論を完璧に否定することになります。
南極の氷床に関してもこの論理を展開する人もいるのですが、現実的に安定していることを見ると、この論理が完璧な誤りであることは明らかです。
とにかく不思議なのがなぜか誰も「逆は?」 と問わないこと。考えるまでも無く、変でしょ。この理屈。
少し考えてみると、そもそも極地は太陽から受け取る熱が少ないので氷床が発達しているのであり、その少ない熱の反射が少し変わったとしても地球全体の気温に影響を与えそうにはありません。
太陽光の反射という面では、低緯度の雲の方が多く、そして雲は温暖化で水蒸気量が増えれば量が多くなり太陽光を多く反射するため気温の変化を押さえる働きをしそうです。
海水温が上昇し台風が激甚化する?
これは直感に反するというレベルにすぎませんが
どこもかしこも熱いだけでは、あちらこちらで小さな渦が出来るだけで、台風のような巨大な構造は発達しないのではないでしょうか?
南の海と北の海(日本近海)に大きな温度差があって初めて台風は発達し、北に移動して行く。
大豊作は農家にとっては自然災害?
今年は猛暑で作物が育ち過ぎ、キャベツなど甘味が強く大きな玉となり、大きすぎて流通に乗せられなくなったのだとか。
自然相手の農業が大変であることは理解できます。不作/豊作の波が農家を苦しめるのも良く分かります。
ただ、温暖な気候が豊作を生むのは明らかであり、同じ波があるのであれば、普通と不作の波より普通と豊作の波の方が良いはずです。
作物の多くが温暖であることを必要としているのは、ハウス栽培が多いことを見ても明らかです。
生物は急激な気温変化に耐えられない?
夏と冬は?年毎の差も大きいよね。現実に耐えられていない動植物いる?
例えば、毎年桜の咲く時期が変わるのもいかに植物が柔軟に対応しているかを示している。
動物は移動するし、植物も生息位置は結構な速さで変わるよね。
昔はゲリラ豪雨も熱中症もなかった?
昔は夕立、日射病/熱射病と言っていました。
夕立は時に激しく危険でした。日射病/熱射病も怖いものでした。
「夕立そこまで来ている。雷ゴロゴロピカピカ。情け容赦無いみたいだ。誰もが一目散へと何処かへ走る。空の水が全部落ちてる。ぬかるみにはまったバスには乗客ひしめき合ってる。抜け出せない。立ち往生。。。」(井上陽水「夕立」より)
「昔は積乱雲が乱立するようなことはなかった」。積乱雲という言葉はありましたが、普通「入道雲」と呼んでいました。夏は入道雲の季節でした。
「線状降水帯は昔は無かった」。昔はその現象に名前を付けていなかっただけです。
災害が増えた実例?
地球温暖化のせいで増えたという災害の画像で、「伊勢湾台風」「冷害によるコメ不足でタイ米の輸入」「干上がった早明浦ダム」などが挙げられていましした。
確かに今世紀ではあるとはいえ、いずれも何十年も前の出来事。どう考えても逆に「この半世紀、四半世紀、と近年になるにつれどんどん災害が減っている」ということを証明している事になりますよね。
まあ「去年、今年(2023,2024)の猛暑によるコメの不作で云々」という悪質な捏造報道よりはましですけど。
アメリカの例で「デスリバー」や「LA」の話が出たりもしますが、デスリバーは昔から暑かった(熱かった?)し、LAは昔から雨の降らない地帯。
気候変動?
「気候変動に関する政府間パネル」 (IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)
「気候変動に関する国際連合枠組条約締約国会議」(Conference of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change)
で対象としている「気候変動」(Climate Change)っていったい何なのでしょう?
年毎の差を無くそうとか、まさか季節を無くそうと言っている訳ではないですよね。
旱魃が起こらなくなったり、冷夏にならなくなる事だって「変動」 ですよね。
国連は一体何がやりたいのか?全く理解できません。
記事タイトル変更
記事のタイトルを「寒冷化危機から二酸化炭素が地球を救った」から「百年前より今の気候が良い。二酸化炭素のおかげ?」に変更しました。