◇freeCAD1.0RCでCAD入門
- freeCAD1.0(Release Candidate)のインストールと起動
- 基本(ワークベンチとモデル、タスク)
- Body-Sketch(2d製図)域を作る
- 閉じた線図形(ポリライン)を引く
- 各種図形要素と拘束種一覧
- sketchの終了と押し出しによる3d化
- 3d図形を組み合わせ構築する
freeCAD
- ズーム:ズーム中心位置に移動し、ホイール
を回す - 移動: ホイール
を押しながら移動する
- まず、マウスのホイールを押しっぱなし
にする、 - 一呼吸置いて、マウスの右クリック'も'押しっぱなし
にする - その状態
でマウスを移動させる
freeCAD1.0.0(正式版)のインストールと起動
正式リリース版が出ました・https://github.com/FreeCAD/FreeCAD-Bundle/releases/tag/1.0.0"
Windows用にはインストーラ形式のものも用意されています。
本記事はfreeCAD1.0/RC1(Release Candidate:リリース候補版)を元に作成しました。今のところ正式版との差は見つかっていません。
参考までにRC1版のインストール手続きを載せておきます。
基本(ワークベンチとモデル、タスク)
FreeCADは機能セットを「ワークベンチ」という形で纏めています。

ワークベンチ
異なるワークベンチを選ぶと機能に応じた異なるメニュー構成となります・
ワークベンチは何か操作を実施すると勝手に変わってしまうことがありますので注意が必要です。
モデル(オブジェクトツリー)
モデルはオブジェクトのツリー構造でなりたちます。
第一レベルはドキュメント(保存ファイルに対応)です。
ドキュメント下には3dオブジェクトや2dオブジェクト、オブジェクトコンテナ(body)などが置けます。
多くの場合bodyの中に2DオブジェクトであるSketchを作成し、それを押し出し(Pad)等により3D化し、他の3Dオブジェクトと組み合わせて複雑な3Dオブジェクトを構築します。
押し出しや結合を行うと元となった図形は新たに作成される3Dオブジェクトに取り込まれます。
- Body(3D形状を保持するコンテナ)
- -- bodyの中にはPart Design ワークベンチで作成されたものが置かれる
以下のオブジェクトはbodyの一部としてエクスポートされるが単体でエクスポートされることはない - Sketch(スケッチ:2Dオブジェクト)
- Pad(スケッチの押し出し)
- 取り込まれたsketch(他の押し出しも同様)
- Pocket(押し出しの切り取り)
- Revolution(スケッチの回転体)
- Groove(回転による切り取り)
- Hole(穴あけ操作)
- Loft(複数のスケッチ間の立体形状)
- Sweep(パスに沿った立体形状)
- -- bodyの中にはPart Design ワークベンチで作成されたものが置かれる
- --以下のオブジェクトPartワークベンチで作成され、はbodyと同等であり、単独でエクスポートできる
- Box(立方体)
- Cylinder(円柱)
- Sphere(球体)
- Cone(円錐)
- Torus(トーラス)
- Prism(プリズム)
- Wedge(くさび形)
- Ellipsoid(楕円体)
- --以下のオブジェクトPartワークベンチで複数図形に対する操作で作成され単独でエキスポートできる
- Union(結合):複数のオブジェクトを結合
- Cut(切り取り):あるオブジェクトから別のオブジェクトを切り取る
- Intersection(交差):複数のオブジェクトの交差部分を取得
- Fusion(融合):複数の3Dオブジェクトをブーリアン演算で融合
- --以下のオブジェクトはそれぞれのワークベンチで作成され単独でエキスポートできる
- Meshオブジェクト(Meshワークベンチで作成)
- Draftオブジェクト(Draftワークベンチで作成する2Dの立体化物)

タスク
タスクには現状での基本操作が表示されます。
基本的に勝手に変わります。例えば[ボディーを作成]を押すとボディーが作成され[スケッチ]を作成に変わります。
表示される内容は後述の[拘束]状態であったり、立体物の座標、サイズなどの情報もあります。
[閉じる]ボタンは有りますが、押すと場合によっては全く理解不能な状態になりますので、押すべきではありません。
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Body-Sketch(2d製図)域を作る
Sketchで図形を作っていくには、
- 「ファイル」メニュー⇒新規(N)
- Part Design ワークベンチで
モデルのツリーでドキュメントレベル(最初は「名称未設定」)を選択し、
タスクの"ボディーを作成"を実施 - "スケッチを作成"に置き換わるので実施
- 平面を選ぶ
[アタッチメントを選択]で平面([XY平面(ベース平面)]など)選択し[OK]
ここに基本の図形を作成、押し出し等により3D部品化します。
閉じた線図形(ポリライン)を引く
マウスポインタのモード:(ワークベンチ:Sketcherで)
右下に画面のサイズが###mm×###mmと言った形で表示されますので、作成したい物体の収まる大きさになるよう、原点付近で
マウスポインタの表示は選択モード
線図形(ポリライン)を描く
メニュー「スケッチ」⇒「スケッチャージオメトリ」⇒「
図形を閉じるには開始点と同じ点に新たな線-点を追加すればよいはずなのですが、なぜか全くうまくいきません。
閉じる(開始端と終端の一致拘束)
線を閉じるには先頭の点と最後の点を「一致拘束」します。
図形を閉じるには最後の点を開始点と少しずらした地点に置き,
メニュー「スケッチ」⇒「スケッチャー拘束」⇒「

一致拘束モードにせず、

他の拘束
拘束には「一致拘束」の他「水平拘束」「垂直拘束」や「距離拘束」、「角度拘束」などがあります。
拘束の実施は
- 拘束モード(アイコンは
に補表示を付加したもの)で 対象点または対象線を選択する - オブジェクト選択モード(アイコンは
)で対象点または対象線を選んで メニュー「スケッチ」⇒「スケッチャー拘束」⇒各種拘束またはツールボックス上のアイコンを選択する
各種図形要素と拘束種一覧
(ワークベンチ:Sketcherで)
他の図形要素、および拘束の一覧のメニューを示します。
描画要素 | 拘束 | |
---|---|---|
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![]() |
描画要素はツールボックスにも表示されます。

拘束はツールボックスにも表示されます。

基本的な拘束の例
ここでは
水平/垂直拘束と水平距離拘束:
次の例では「水平拘束」を行った後「水平距離拘束」を行っています。「水平距離拘束」を行うと距離を数値で入力するダイアログがでます。距離を示す補助線もでます。

この例では「水平距離拘束」水平の線に対して行っていますが、線を伴わず水平値でもない2つの点に対しても水平距離を設定できます。ある点と原点の距離を指定し、点の絶対位置を定めることも可能です。
完全拘束:
拘束には「角度拘束」や「同値拘束」などがあります。
拘束を重ね、全ての線/点の位置などが確定すると、タスク部に完全拘束と表示されます。

補助線の表示/非表示の切り替え
沢山拘束を重ねると補助線が邪魔となる場合、タスクのConstraintsにある目玉マークで消すことができます。

sketchの終了と押し出しによる3d化
ワークベンチ:(Sketcher)->(Part Design)
メニュー「スケッチ」⇒「スケッチを終了」またはモデルのオブジェクトツリーのSketchの右クリックで「編集を終了」または、ツールバー上の
タスクの[閉じる]を押してはなりません。
ワークベンチが[Part Design]に変わり、表示部は3D用に変わります。
「タスク」には有効操作の「モデリングツール」が表示されます。通常はこの段階で「パッド」を使い押し出しによる3Dかを行います。

パッド(押し出し)を実施すると、厚さを設定するダイアログが出て[OK]をを押すと、厚みの付けれられた3D情報が生成されます。閉空間が多重化している場合、切り抜きとなります。この例では小さな穴が穿たれています
Bodyの直下にあったSketchはPadの配下に移動します。

3d図形を組み合わせ構築する
ワークベンチ:(Part)
ワークベンチPartでは複数の3D要素を組み合わせることができます。
要素はSkectherで作成したものをベースにした押し出しPadや、回転押し出しRevolition他の3D図形を用いることができる他、プリミティブ図形として立法体、円柱、球、円錐、トーラスなどが用意されます。
図形を見る方向は右上の操作パッドで変更できる他マウスの中央ボタンを押しながら右ボタンを押し続けることで滑らかに変更することができます。
プリミティブ図形の追加:
メニュー「パート(P)」⇒「プリミティブ」⇒「
立方体が原点に追加されます。

変形、角丸め(fillet)、面取り(chamfer):
追加した図形は左のデータ部にあるサイズ情報、位置情報、回転情報の数値をいじることにより変形出来ます。
角を丸くするフィレット、面取りを行うチャンファーなどの機能もあります。
ここでは立方体を移動変形後フィレットを適用し、押し出し図形にチャンファーを適用しています。

boolean合体:
2つの要素を合体するため、選択します。選択はなぜか図ではなかなかうまく行きません。モデルのツリービューで2つの要素Fillet(立方体)とChamfer(Pad)を選択します。

メニュー「パート」⇒「ブーリアン」⇒「

boolean差分;くり抜き:

boolean演算で図形のくり抜きができます。右図のように円柱を用いてくり抜きを行います。
小さな穴は予めSketchレベルで穿ち、押し出しによって生成されたものです。
円柱を追加した状態の構造を示します。元々の図形(Fusion)にある穴を見るため、Fusionを選択した3D図形と、ワイヤーフレーム図を載せます。ワイヤーフレーム図は「表示メニュー」⇒「描画スタイル」⇒「ワイヤーフレーム」で得られます。
メニュー「パート」⇒「ブーリアン」⇒「ブーリアン演算」を実施します。タスクに表示されるブーリアン演算パネルで1番目の図形と2番目の図形を選びます。3D図では選べないことに注意が必要です。◎差集合を選択し、[適用]を実行すると1番目の図形から2番目の図形がくり抜かれます。

boolean差分の繰り返し
1つずつ演算を適用していく必要があることに注意が必要です。
一つ実行するとそれに対応する図形(ここではCut)が作られていくことにも注意が必要です。
作業を積み重ねる場合、新に作られたもの(ここではCut)を1番目の図形として選択する必要があることに注意が必要です。
とにかくいろんなことに注意が必要です。ブーリアン演算のリストにある名前がが3dのどの図形に相当するかは、ときどきモデルのツリーを表示し、選択して確認することが必要です。
Ctrl-Zで操作を巻き戻す事ができますが、ブーリアン演算上のリストは元にもどりません。一旦閉じて「ブーリアン演算」を再び実行して初めてリストが更新されることに注意が必要です。
ここでは最終図形はCut001となることに注意が必要です。
Cut001内にこれまでの組み上げた図形が入っています。本来、この内部の図形,例えばSketchを変更することでCut001が変更できるはずなのですが、モデルツリーが表示できなくなる等の障害が発生することがあるので注意が必要です。

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