« ◆青空文庫をPDF化するツール (ソースも公開) | トップページ | ■バッチをやめPowerShellスクリプトを書いてみる »

◆青空文庫とPDF化とページレイアウトと「柿の種」

 青空文庫のレイアウト指定と「柿の種」

ネットワーク図書システム「青空文庫」のデータをPDF化するソフトAozoraPDFを作成しました。 ◆青空文庫をPDF化するツール (ソースも公開) これは、AozoraPDFのページレイアウトに関しての補足説明です。

青空文庫は文学本を中心としていますので、凝ったページレイアウト指定法は用意されていません。

殆どの作品データではページの意識もされていません。

そんな中、寺田寅彦の「柿の種」では、紙の文庫本のレイアウトがかなり再現できる情報が載せられています。
「柿の種」を参考にして基本の設定と表示確認を行いました。
参考にはしていますが、忠実な再現を目指している訳ではなく、電子図書として違和感のない見やすさが目標です。

寺田寅彦『柿の種』.pdf

 表紙と改丁とページレイアウト;[#改丁]

表紙の指定は青空文庫にはありません。タイトルと著者名で表紙を付加するようにしました。

ページの切り替えには単純な「改ページ」の他、次の用紙に移る「改丁」、次の見開きに移る「改見開き」があります。

「改丁」では見開き左ページに移り、「改見開き」では右ページに移ることになります。

文庫本では「改丁」が良くもちいられます。(新書では「改見開き」が使われることが多そうです)

電子書籍では「表紙」と「見開き」の関連が混乱したものとなりがちです。 右綴じ(表紙からみて右で綴じる)では本来表紙は左ページまたは独立となるのですが、多くの場合右に配置されます。

「柿の種」ではページ指定のない「自序」の後[改丁]され「単章 その1」が始まります。
AozoraPDFコマンドの表紙設定オプションとページ配置の関連を以下に載せます。

無指定 表紙1 改丁部は左に来る
-pre指定 表紙前1ページ 改丁部は左に来る
-post指定 表紙後ろ1ページ 改丁部は左に来る
-cover指定 表紙1 ビューワ指定無し 改丁部が左に来ない
-cover指定 表紙1 ビューワで表紙指定指 改丁部が左に来る

表紙は四角の枠内にタイトル、サブタイトル、著者名と青空文庫ロゴを置く単純なものです。 サブタイトルがないもの可能です。 コマンド起動オプションで青空文庫の当該著作ページのURLを指定すると、下部に青空文庫入口のURL,著作ページURL,AozoraPDU記事URLを表示します。

タイトル/サブタイトル/著者
タイトル/著者

 フォントサイズ、行数、カラム数:基本設定

1ページに載せる文字範囲設定を「柿の種」を参考に定めました。多くの紙の文庫本は少し文字が小さすぎ、多くの電子図書は文字が大きすぎて違和感を感じます。
そんな中、「柿の種」は紙の文庫本の中では大き目の活字を使っており、電子化しても丁度良い大きさだと判断しました。
ページ内表示域は少し広めにとり、15行全角37文字としました。

紙のページ

PDFのページ

紙のページは本を開いて押し付けてスキャンしたもので、性質上ページの間、"のどアキ"が小さくなってしまっています。

 横書き用フォントと縦書き変換

使用しているライブラリreportlabには縦書き用に利用できるフォント「HeiseiMin-W3」が用意されています。

残念ながらこのフォントで作成されたPDFはビューワによっては不自然なフォントが表示されてしまうことが分かりました。

しかし、通常の横書きフォントを縦に並べると、記号類の表示が不自然になります。

幾つかの記号類は回転、位置ずらしを行うようにしました。

そのまま表示
記号を回転させて表示

 柱、ノンブル(ナンバー);ヘッダ、フッタ

柱(ヘッダー部に置く記述)、ノンブル(ページ表示,フッター部に置くことが多い)の指定は青空文庫にありません。

柱、ノンブルは形態は左右のページで同一としました。左ページも右ページにも配置しています。
柱にはタイトルと見出し、小見出しを置き、ノンブルは左右にハイフンを付けた数値としました。





紙の「柿の種」では左ページの左上にのみノンブル+柱が置かれ、かつ小見出しは省かれています。

 図版;[#..挿絵(ファイル、サイズ指定)..]

1ページ1画像を配置できるようにしました。(ページ内に文と図の混在が青空文庫でありうるかはまだ調べていません)

画像は少しだけ小さめでかつ低い位置に配置するようにしました。

紙のページ

PDFのページ

サイズ指定は画像の縦横比を定めるだけに用い、全体のサイズには反映されません。

本文右の*は絵ではなく*文字であり、特別な処置は行わず*が表示されています。

 地置き(下寄席せ)文字列;[#地からn字上げ]

地(表示域下端)から指定文字数離した位置に文字列を配置することが出来ます。

前文字終端から地までの長さが足りない場合は隣の行に配置されます。

 早く生えろよ柿の種

このブログ、柿の種をばら撒いている積りなのですが、一向に生えて来ません。

冒頭の写真に「柿の種」2粒を載せるようなオフザケセンスが邪魔をしてるという話も。。。

|

« ◆青空文庫をPDF化するツール (ソースも公開) | トップページ | ■バッチをやめPowerShellスクリプトを書いてみる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ◆青空文庫をPDF化するツール (ソースも公開) | トップページ | ■バッチをやめPowerShellスクリプトを書いてみる »