◆「ん」は「ん」が正しい。
「ん」の発音記号
日本語の「ん」には3種類の発音「m」「n」「ŋ」が混在しておりこれを一つの文字「ん」で表すのは日本語表記の欠点だという人がいます。
英語の有声鼻音は「m」「n」「ŋ」かも知れませんが、なぜそれに割り当てようとするのかさっぱり分かりません。
例えば「でんわ」の「ん」は口腔への息の流れを遮断しておらず、絶対に「m」でも「n」でも「ŋ」でもありません。
「れんあい」の「ん」は若干「ŋ」に近いけどやはり口腔への息の流れを閉じきってはいません。
舌の位置で分類するなら「ぜんたい」「でんりゅう」「せんげん」でそれぞれ異なります。
調べると「日本語のんの発音は8種類」と言っている人もいるようですが、どうみても次に続く音への準備の差に過ぎず、「ん」を異なる発音とするのには無理があるように思えます。
「ん」は「鼻腔部を通す有声音」を表す発音記号です。
「m」「n」「ŋ」を持続させているときに「m」「n」「ŋ」で明確な音響的差はあるんでしょうか?
もし差がないなら発音記号としては同じとすべきではないでしょうか?
「n」と「m」しかなく音声記号として合理的な「ん」が無かったから区別されたということではないでしょうか?
国際標準としての発音記号は「ん」を基本として「後続する発音の準備を含む」として「んm」「んb」「んt」「んl」「んr」「んn」「んw」。。。とするのが正しい道だと思います。
少なくとも日本語の発音表記としては「ん」は極めて合理的で優れています。
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