◆重力場中の相対速度の座標変換
同一経路を自由落下する2つの物体の速度
重力場中を時間差を持って自由落下する2つの物体があったとします。
先に落ちていく物体をA、もう一方をBとします。
AとBには速度差が生じます。
この速度差は特殊相対論でいう相対速度にあたるのでしょうか?
AとBの速度差は空間の性質によるものであって、経路分座標を変換していけば同じ速度となります。
すなわち、一見差のあるA,Bの速度はあくまで空間の差であってA,Bが持つ本質的な差ではないのです。
即ち
- 自由落下により発生する速度差は
- 特殊相対論でいう相対速度ではない
この例で一見重力場中で異なる速度を持っているようなAとBは「特殊相対論的には」速度差のない静止系と見做すべきなのです。
仮に重力元がブラックホールでありAがシュバルツシルト半径に達しAとBの速度差が一見光速に達したとしても、特殊相対論的には2つは静止系であり、相対速度は0なのです。
例えばブラックホールに落ちる物体は限りなく光速に近づきますが、特殊相対論的効果
- 光速に近づけば物体は重くなり、光速では無限大になり、
ブラックホールに落ちる物体は最後はブラックホールより重くなる
無限大の問題はなく、素直にブラックホールに落ちていきます。
なお、重力加速度の経路積分ではなく、経路に沿った座標変換だと考えています。
う~む。
そろそろ基礎的なところを固めて「妄想物理」を収拾しようと考えているのに、こんな基本的な疑問を持ち出すことに。。。。
ついでに、補足:物が落ちるということ
物が落ちるのは空間の性質です。この物が落ちる空間を作るのは静止質量です。落ちる物の性質には関連しません。
軽かろうが重かろうが質量がなかろうが、この空間の中では落ちるのです。
重い物が引き付けあって見えるのは双方が相手側に落ちて行っているのです。
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