◇NW-A4xとWI-1000Xの設定

前の記事 ◇NW-A40とWI-1000Xとポッチとマジックテープ の補足です。bluetoothでの設定はかなり複雑になっているので、項目だけでもあげておこうと。

 NW-A4xとWI-1000Xの設定項目

Walkman NW-A40シリーズとbluetoothヘッドフォンWI-1000Xをbluetooth接続するには多くの設定項目があり、それらは複雑に絡み合います。
音も少しずつ異なったなったものとなります。

Walkman(NW-A4x)設定			ヘッドフォン(WI-1000X)設定
音質 各種音質設定	bluetooth オーディオ機器接続設定 ワイアレス再生品質		音質モード bluetooth接続モード?	音質調整系
‐DSEE HX ‐イコライザー ‐VPT(サラウンド) ‐DCフェーズリニアライザー ‐ダイナミックノーマライザー	・LDAC音質優先 ・LDAC接続優先(自動) ・aptX HD ・aptX ・SBC音質優先 ・SBC接続優先		・音質優先モード ・接続優先モード	‐DSEE HX ‐イコライザー ‐サラウンド(VPT)

これらはそれぞれ単独で有効となるものではありません。
例えば、LDACを選んでいても、ヘッドフォン側がSBCであればSBCになります。
音質優先系が選ばれる場合、イコライザーなどの音質調整項目は働かないようです。
そもそもbluetoothでの接続ではDSEE HXを含む音質調整をwalkman側で行うことは確認できていません。

 Headphonesアプリ

WI-1000X設定用のAndroidアプリ「Headphones」はWI-1000Xと接続すると右のような表示が出ます。

バッテリーマークの右にwalkmanとの接続方式が表示されます。

Walkman(NW-A45)側のbluetooth設定(音質モード)とヘッドフォン(WI-1000X)側のbluetooth設定（優先モード）の幾つかの組み合わせを試してみました。

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NW-A45	:LDAC音質優先
WI-1000X	:音質優先モード
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NW-A45	:LDAC接続優先
WI-1000X	:音質優先モード

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NW-A45	:aptX HD
WI-1000X	:音質優先モード

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NW-A45	:aptX
WI-1000X	:音質優先モード

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NW-A45	:LDAC音質優先
WI-1000X	:接続優先モード (イコライザ他off)

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NW-A45	:LDAC音質優先
WI-1000X	:接続優先モード (イコライザon)

 ソースと音質に関するメモ

幾つかのソース（楽曲）と各種設定との相性に関し。

楽曲は全てCDおよびハイレゾ媒体からiTunesに投入し管理していたものをMusicCenterForPCでwalkmanに転送しました。
AAC(128kbps),AAC(320kbs),ALAC(44.1kHz/16bit),ALAC(96kHz,24bi)があります。

基本的にはAACやALACの方式より録音年代が音に、特に音の空間再現に影響している気がします。
そしてLDACだと音が素直に空間に広がり、aptX-HDだと音が素直に空間に収まる感じがします。
LDACの方がきらびやかでaptX-HDは少しくすんだ感じ、ただし録音によってはLDACは各音に余計な響きが纏わりついていて、aptX-HDの方が自然ですっきりしているようにも感じます。

接続に関してはaptX-HDの方が良いようです。

なお、今のところ[LDAC音質重視]-[音質重視]という組み合わせにほぼ落ち着いています。
設定の変更は結構面倒なので数セット購入し、それぞれ異なる設定を施し、楽曲ごとに選ぶなんて贅沢ができればいいのですけどね。

m(_ _)m : 以下、書いてはみたものの、読む価値がある気はしません。

さほど細かく調べるつもりはないのですが、いくつか気が付いたものをメモしておきます。
実はびっくりするほど音が前方定位する曲があったのですが、どれだか忘れたりするので、いくつかの曲を選びメモしておくことにしました。
そのうちきちんと比べてみようかと。

ちょっと前まで、AACでネット管理している音と、元ネタのCDを聴き比べると愕然とするほどの違いを感じたのですが、最近はあんまり感じなくなってきました。CDは2chステレオで聴いてAACの場合は疑似サラウンドでごまかしていたのですが、最近はAACの音をそのまま2chステレオで聴くこともあります。ヘッドフォンでAACなんてのはあくまで外出時のうるさい電車の中でってことでした。ここのところこのNW-A4x+WI-1000Xで聴くようになったので、試しにCDの音を有線のヘッドフォンでも聴いてみました。確かに差はあるのですが、まるっきり別物、という程の差は感じませんでした。多分、ハイレゾももっと昔に出していてくれたら感激したかもしれません。残念。技術の進み方は余りにも遅い。

そんな耳でも、設定により微妙に差を感じるので、なんとか気持ちよく聞ける設定を探したいものです。
録音によっては「音質重視」よりイコライザーなどで調整することを選択する方が良いかも知れません。

ブラームス　２番 小澤征爾/Saito Kinen Orc. '91 AAC(320kbps)

冒頭の低弦の静かなうねりの上に乗るホルンと木管の音が、頭の外前方に定位します。

LDACでもaptX-HDでも木管の定位は同じような感じですが、その後に出る弦の位置、広がりが異なります。LDACの方が柔らかく空間に広がり、aptX-HDより自然に感じます。フォルテ状態ではaptX-HDは若干歪っぽくなります。

他の演奏、カラヤンやレヴァイン、では頭の中に響いてしまいます。特にカラヤンは頭の中に横並びとなります。基本的にはカラヤンの６０年代の録音はヘッドフォンには向かないようです。

サン・サーンス　３番 Levine/Berliner Phil.　'86 AAC(128kbps)

LDACでは驚くほど見事に前方外に定位します。
スピーカーシステムの前で聴いていると、スピーカーから音がでているように錯覚します。

電車の中で聴いているとき、音のする前方をずっと見ていたら、向かい側の人に不審がられたようでした。

aptX-HDでも前方定位はしますが、少し曖昧な感じになります。ただaptX-HDの方がビオラ/チェロなどの中音域弦の響きが力強く感じました。

この録音/楽曲は実は「接続重視/BASS BOOST」で聴くべきものかもしれないとも思います。
オルガンのペダル音のズシッとした存在感が曲の価値を高めます。「地を揺らす重低音」

カラヤンの演奏だとペダルが妙に腰高に聞こえます。

ベートーベン 交響曲６番 Suitner/StaatskappleBerlin(AAC:128kbps)

LDAC音質優先だとバイオリンが柔らかく響きますがaptX-HDだとなぜか、少し籠った感じでありながら、トゲを感じる音になります。
定位は頭の中を左から右に串刺しにした感じです。

他の楽曲と異なり「接続優先、BASS BOOST」が最も気持ちよく聞こえます。極めて古い録音で、子供のころに聞いて染み込んだ記憶が影響しているのでしょう。 第一楽章は穏やかな弦の響きが力強く持続する低音の上に乗るイメージがあり、この設定が合致します。

カラヤンの演奏は音質以前に速度が論外です。

ベートーベン 交響曲９番 Karajan/Berlin Phil. '62（AAC:128kbps)

なぜかLDAC音質優先だと、音の回りに何かが纏わりついている感じがして、aptX-HDがすっきりと聞こえます。
定位はモノラル音源を左右に並べた感じとなります。例えばコントラバスは右耳に存在し、その響きが全体に渡るということはありません。

本物のコンサートに行くことなくレコードを聴いて育ったので、ベートーベンの第九とはこのカラヤンの'62版なのです。

イントロ部はホルン持続音と弦のトレモロで始まります。 カラヤンの演奏ではホルンは控えめで弦の刻みがはっきり聞こえます。 ところが、多くの演奏ではホルンが強く、弦がはっきりしません。カラヤン以外は出だしから違和感バリバリなのです。

弦のトレモロに乗って跳躍下降音を第一バイオリンが発します。オクターブ、オクターブと下がり３回目にはコントラバスが重なります。

同じカラヤンの演奏でも'84版では、この下降音の頭がスタッカート気味になっており、なじむことができません。

音、響きは'84版や、さらに新しいAbadoの'87版、ごく最近の小沢の2002版などが圧倒的に良いのですが、困ったことにイントロで討ち死にしてしまいます。

この曲に関してはオーディオ観点でのいい音を望んでおらず、記憶に近づけたいだけかも。

バッハ　フランス組曲　Andre Gavrilov '95（AAC:128kbps)

ピアノ曲はiPod/Bose時代から結構聴いていました。
iPod/Boseから比べると、アップライトピアノがグランドピアノの蓋を閉じた状態にアップグレードされた感じにはなります。

Piresの「ショパン夜想曲全集」'96ではキラキラした感じに変わったのですが、バッハではそんなには変わりません。

LDACでもaptX-HDでも余り差は感じませんでした。

バッハのピアノ曲は音が明確に分かることが重要で音色は左程重要ではないのかも知れません。（人によるでしょうけどね）

バッハ　フランス組曲第５番 ヨーロピアン・ジャズ・トリオ 2006 (ALAC44.1KHz)

この録音は結構再生装置の差が明確に出ます。
豊かな高音の響きと力強いベース、切れの良いドラムからなります。ドラムは質の悪いシステムで聴くとノイズのように聞こえます。

LDACはきらびやかに、aptX-HDはくすんだ音になります。
ちなみにBoseで聴くとドラムは「プチッ、パチッ」といったノイズのようになります。

スピーカーシステム(YAMAHA RX781+PioneerS-99T)で聴く方が心地が良く、あまり外では聞きません。

総論

オーディオシステムというより、 80年代後半までは音の一つ一つをはっきりさせようとした録音がなされていて80年代後半以降は響きを捉えようとしているんだな、と感じました。

新しい録音はLDAC、古い録音はaptX-HDの方が良いような傾向はありますが、言い切るには至りません。