◇俳句は8/8拍;俳句の拍パターン
俳句のリズムの標準パターン
俳句は通常8拍をベースとした、2つのリズムパターンのどちらかで詠われます。
(8拍ですがビート的には4+4の2ビートと捉えるべき形です)
例えば芭蕉の次の2つの句はそれぞれ別のリズムパターンとなります。
五月雨を
あつめて速し
最上川
荒海や
佐渡に横たう
天の川
違いは中の句、7音部に現れます。8拍の内、頭に休みを置くか、最後に休みを置くかが変わります。
リズム: |
中の句が4文字で切りが良い場合はtype-1になり、3文字で切りが良い場合はtype-2になります。
[type-1]
五月雨を
アツメテ / ハヤシ (あつめて速し)
最上川
夏草や
ツワモノ / ドモガ (兵どもが)
夢の跡
[type-2]
荒海や
サドニ / ヨコタウ (佐渡に横たう)
天の川
閑さや
イワニ / シミイル (岩にしみ入る)
蝉の声
これ以外に8拍に収まらない詠みのものもありますが、特殊な感じがします。
こんなパターンは許されるか?
中の句7拍を3拍+休+4拍にするパターンは余り耳にしませんが、俳句の許容範囲を超えているのでしょうか?
風静か
ひらり、はらりの
紅葉かな
この句は「ひらりはらり」ではなく「ひらり」で一旦切ることにより、まばらに散る様子を描写しています。 (という意図です。句自体は。。。う~ん。。。ま、単にリズムのサンプルということで)
リズム: |
あるいは字余り扱い(8文字)になるんですかね。
余談雑談
最後の自作の句は単にリズムサンプルなので'良い句'である必要はないし、
そもそも、言葉のセンスの無さは自覚しているので、凝るつもりはなかったのですが、
どうにもしっくりこないので色々いじりました。
結局ろくなものにはなりませんでしたが、ちょっとした助詞の選択で雰囲気が変わる面白さは分かりました。
。。。からの
字余りとリズム感
例えば次の句
太宰読む
せめて栞にと
紅葉落つ
だと、中の句の字余りが不自然な感じがします。
しかし、一茶の
雀の子
そこのけそこのけ
お馬が通る
という句は字余り(587!)でありながら不自然な感じがしません。
これは先の句が区切りが3文字目に来るのに頭に一拍の休みを置けない、 一拍置いてしまうとリズムがずれることにあります。
一茶の句は中の句が4+4なのでリズム的に違和感が出ないのです。
俳句のリズムとして許されるものかどうか判断できませんが、8ビート系のリズムであれば自然な形にできます。
リズム: |
。。。。 Yeah.
変拍子
ドラムが入るならこんなこともできる(かも)
リズム: |
心の栞
そんなこんなはともかく、 秋の句ってどうしても寂しくなりますね。
散る紅葉
せめて心の
栞にと
句の出来はともかく。。。
それ自体は大したものではないのに、何故か昔の記憶に繋がって、あの頃あんな場所にいたな、あんな事があったな、あんな風景を見たな、あんな人にあったな、とそれはまるで記憶の頁に挿まれた心の栞。
お土産に「銘菓 心の栞」を、なんてありそうですね。
。。。。。。。。。。。
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