◆化学に長さの概念を導入しよう
なぜ長さがない?
化学では長さが出てくることは殆どありません。
H2OだとかNH3といった化学式では長さの持ち込みはできないでしょうが、立体構造を示すものでも、スケールを載せることは殆どありません。
化学者の勉強は「試薬を加えて呪文を唱えると色が変わる」という魔法学校みたいな内容から始まるので 長さの概念をいつの間にか喪失してしまうのでしょう。
そして、長さの概念を喪失した化学者が生命化学に手を伸ばすと、長さが極めて重要なはずの分子でも長さを無視してしまうように見えます。
例えば、分子の立体構造を見せる化学ツールなどでも、大概の場合「長さが欠落」しています。
(下の図は「PDBjViewer (jV)」の立体表示例です:スケールがありません)


酵素の働きなども立体構造とともにそのサイズを無視しては理解できないはずです。
無機化学でもサイズは重要だと思います。
ぜひ化学の世界に「長さ」を導入してください。大昔は分からなかったでしょうが今なら分かるはずです。
学校の化学は長さを明示した「立体構造」から始めよう。
学校の化学の勉強は分子の立体構造から始めるべきだと思っています。
もちろん、その上で実用化学としてリトマス紙などでの酸性アルカリ性検査などを教えることに問題はありません。
化学の世界に進歩をもたらすはずです。
長さが消えるのは化学だけではないけれど。。
眼に関する医学系の本を眺めていたのですが、眼球が直径が25mm程度で、瞳孔が2mm~5mm程度という記述がありながら
視細胞レベルでサイズ記述が消え、ロドプシンなどもサイズなし。
眼のレンズで網膜上にどのくらいのサイズにまで像が絞り込めるかなども無し。近視の項で、図はあるのですが、スケールは無し。
どうなってるんでしょうねえ。
話は少しずれるが、Å(オングストローム)は禁止に。
M(メートル)
⇒mm(ミリメートル)
⇒μm(マイクロメートル)
⇒nm(ナノメートル)
⇒pm(ピコメートル)
の1/1000ステップの中にそぐわないÅ(オングストローム:0.1nm)を使うのは禁止しよう。
cmは一般生活上重要だけどÅが無くなっても困りはしないと思う。
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