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◆量子もつれ:ウソと科学

高度な騙しのテクニックに「誤認誘導」があります。
例えば

  • 「後ろからのあの嫌な排気がない掃除機」というと 排気が無いものと思いますが、実は横から嫌な排気がある
といったものです。
  • シミ対策クリーム「ケシミン」というと、既にあるシミを消しそうですが 実は新たなシミの発生を防ぐだけ
というのも軽い「誤認誘導」に当たるかもしれません。

宣伝文句はある程度許されるかとも思います。
しかし、科学の世界でこの「誤認誘導」を用いることは、「科学における悪意」をもった行為「ウソ」というべきです。

 量子もつれ

量子もつれ状態にある2個の粒子は、仮に遠隔地にあったとしても

  • 片方に操作を加えると、
  • 同時に、もう片方の状態が変わる
とされます。

しかし、

  • 「もう片方の状態が変わる」とはどういうことか
は明確にはされません。
「同時」もきちんと定義されることはありません。

ごく普通に解釈すると、量子もつれ状態にある2個の粒子がある場合、

  • 片方の粒子に操作を加えられたことにより、
  • 遠く離れた位置にあるもう片方の粒子に変化が"現れる"
と見えます。

これが違うのです。

  • 遠隔地で変化が"現れる"ことは決してなく
  • あとで2つの粒子を突き合わせてみれば表出しない何かが「変わっていた」ことが分かる
だけです。
しかも、「片方には既に操作を加えてあるので、変わったのは操作を加えた方ではないか」という当然の検証は行いません。

量子もつれを使った通信などもできません。

おそらく真の「量子もつれ論者」はそれを分かっていながら、わざわざ誤解を生む表現をしているのです。

学者を含む多くの人間(とくに科学ジャーナリスト)はこれに騙されて、 「量子テレポーテーション」などというセンセーショナルな表現を使ったり、 「これがテレパシーの正体だ」などと言い始めます。

 例えばこんな試験が

この図で①から出た光はハーフミラー②でA,Bの経路に分かれます。
Aの経路には③でフィルターがかかっています。
④、⑤は全反射ミラーです。
B経路(1-2-5-8)にはフィルターがかかっていないにも関わらず、最終的にBの光にはフィルターが かかったようになります⑧。

これが「量子もつれ」で③での変化が⑥に変化を与えたというのですが、 どう見てもAとBは最終段階⑦で混ぜられています。
⑥の位置で検出できる訳ではありません。
単なる波の干渉ではないでしょうか?

離れた場所にある量子どうしが、単独で観測可能な状態変化を起こすような影響を与え合うことなどないのです。

あたかも、それが起こるかのような表現は、明らかに誤認させることを目的としています。
(ひょっとしたらこの実験はジョークで、それに科学ジャーナリストが騙されただけかも)

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