◆銀河のスケールと回転:ダークマター不要
銀河のスケールと回転速度
ダークマター論者がいう「銀河の回転速度問題」で、これまで、スケールが表された図を見たことがありませんでした。
理論値と実測値とされるものにはどれにもスケールが入っていません。
中心からどの位はなれたらどのくらいの速度が理論上予測され、それが実際にはどうなっているかが論議の根幹であるにも関わらずです。
バルジとの位置関係は?円盤との位置関係は?全く示されないのでは何も分からないではないですか!
最近やっとスケールの入った表を見つけました。
おおよそ次のような感じのものです。
天の川銀河のデータで、グラフの点の対応星が右の絵に示されます(この記事の絵は
おおよその模写であり正確ではありません)
絵の赤い丸は太陽系を示していますが、グラフのどの点なのかは不明です。
やはり円盤部というか腕部というかの星の速度なのです。
一部の本で「銀河円盤からはるかに離れた地点の星の回転速度が。。」という記述を見たこともありますが、
少なくともこのデータでは銀河円盤内部での話となっています。
円盤部なら目に見えている星々の質量があるので、このような速度になるのには何の疑問もありません。
冒頭のグラフの理論値というのはバルジ部だけに質量があるという「ケプラー」の法則になっているだけに見えます。
太陽系の法則(ケプラーの法則)と銀河の法則
これまで何度も記事に載せたごくごく単純な質量分布と回転軌道速度の図をもう一度示します。
太陽系では質量はほぼ太陽に集中しています。
右の図は横軸が中心からの距離で縦軸は質量密度となっています。
灰色は太陽の質量が中心部にあることを示しています。
このような系での軌道速度は、右図のようになります。
ケプラーの法則です。
これに対し銀河では質量は中央部のバルジ部は一定の密度を保ち、円盤部で急激に(距離の逆二乗くらいか?)密度が減ります。
おおよそ右の図のような感じでしょうか。
このような質量分布の場合の計算上の軌道速度は右図のようになります。
速度は中心からの距離が離れるにつれ一定の値に近づきます。
冒頭の図と比べてみれば分かりますが、理論値と呼んでいるは、バルジ部にのみ質量があると仮定した場合の値なのです。
もどかしいこと
一般人なので、どうしても「一般向け科学書」から情報を得ることになります。
で、なぜかダークマターを説明する一般書が力を入れるのが「ケプラーの法則」。
「見えているマターを無視してよい」ことを述べることはありません。
たまに「ケプラーの法則」を持ち出さない本は見かけることはありますが、 そこでも計測したのは「銀河中心から遠く離れた星」というだけで、具体的な距離がありません。
見えている物質(円盤部およびハロー)をどう計算して「ダークマター」という
結論に科学者たちが達したのか?
本当はちゃんとした「論文」にアクセスして確かめるべきなのですが。。。
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