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◆エネルギーの重力作用

 運動エネルギーと宇宙の総エネルギー

物体群a~eと物体xがあり、相対速度vで移動していたとします。それぞれの質量をmとします。

このとき、xが動いているとすると、この空間内に存在する運動エネルギーは

  p = (1/2)*(mv^2)
となります。

もし、xを基準として物体群a~eが移動しているとしたらどうでしょう?

a~eそれぞれが運動エネルギーを持ちますので

  p = (1/2)*(mv^2)*6
となります。

宇宙に絶対位置はありませんので、見方により、総運動エネルギーが変化することになります。

一般相対論では「エネルギー」が空間をゆがめ重力作用の元となり、ひいては宇宙の膨張を押しとどめるという解釈があります。

この例での運動エネルギーの式はニュートン力学レベルのものですが、相対論の補正を施しても、 基準を変えるとエネルギーに差がでることには変わりはありません。
基準を変えただけで変化する運動エネルギーに空間をゆがめる力がありうるものでしょうか?

 運動による質量と宇宙の総質量

速度は光速を超えることはありません。
相対速度が高くなるにつれて当然加速しづらくなりますので、質量を「加速しづらさ」と定義すると、 光速に近いものほど、質量は大きくなります。
なお、相対速度0での加速しづらさが静止質量です。

先の例で、a~eを基準とした場合はxが移動しているだけで、xを基準とした場合はa~eが移動していますので、 宇宙全体での質量はxを基準とした方が大きくなります。

一般相対論では「エネルギー相当の質量」が空間をゆがめ重力作用の元となり、ひいては宇宙の膨張を押しとどめるという解釈があります。

基準を変えただけで変化する「加速しづらさとしての質量」に空間をゆがめる力がありうるものでしょうか?

 重力作用は静止質量が持つ

e=mc^2式により静止質量がエネルギーに変わり得るという点は疑いようがありません。
情報が光速を超えて伝わることがないことと、絶対空間がないということだけから導き出されます。

しかし、eが静止質量と同等の作用を持つかどうかは全く別の話です。

重力作用は静止質量が持つのです。

そのように解釈しても一般相対論は破綻しません。

 静止質量がエネルギーに変わると。。

質量がエネルギーに変わると、一部は周りの質量の運動エネルギーとなり、一部は光となり、物質の分布と空間を押し広げます。
エネルギーへの転換が継続すると空間はどんどん広がります。

物質の空間分布の広がりも宇宙拡大の一因ですが、基本は光です。広がる速度が異なる上、物質は質量を持ちますので空間の一部に於いて再び集合することもあります。
もちろん、静止質量がどんどんと減少していることも宇宙拡大の大きな要因です。

なお、この図で誤解してはならないのが、図の中心が宇宙の中心ではなく、全ての場所が同等だということです。
図の中心はあくまで作図上の都合に過ぎません。

 宇宙の始まり(妄想)

宇宙は光でも質量でもない原初エネルギー状態から始まりました。
位置の定まらないエネルギーにより一気に宇宙は膨張します。

エネルギーは直ちに物質と反物質によって構成された質量に変わり、膨張は急激に止まり、収縮に向かいます。

物質と反物質は衝突し再びエネルギー(光や運動エネルギー)に変わります。宇宙は再び急速に膨張します。
これはポンと爆発するのではなく、連続的に質量が減りつつ、エネルギーが増えていくのです。
重力ポテンシャルの低下と加速が同時に進行することにより、光速を超えることなく、後からでは光速では追いつけない位置に移動する、 いわゆるインフレーション膨張を起こすのです。

反物質が無くなり、わずかの物質のみとなり静止質量のエネルギーへの転換は止まります。重力作用により膨張速度は少し下がります。

その後、 物質どうしが重力で集中しはじめ、物質の寄り集まったところで核反応が始まります。 このエネルギーと静止質量の減少により宇宙の膨張速度は少しだけ加速していきながら現在に至っています。

ブラックホールに物質が落ちるとき、質量の一部がエネルギーに変わるとすると、膨張の加速はさらに強まります。


えっ?暗黒エネルギー?要りません、そんなもの。

 思いて学ばざれば(前記事参照)

そうだねえ。。。

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