◆歌、音階と言語と人間と動物
歌と音階
色々な動物の鳴き声が「歌」と称される場合があります。
例えば、鳥であったりクジラであったりです。
でもそれらの「歌」は人間の「歌」と同じものでしょうか?
いえ、全く異なるものです。
人間の歌は、いずれの民族のものでも、音階からなりたっています。
音階を操る動物はヒト以外にはいません。
音階は絶対音ではなく相対音律です。
音階はほぼ「半音」の積み重ねの中の幾つかが選択されます。
倍音を考えればド->ソ->ミ->シ♭という音や、 ソ->レ、ミ->シ、レ->ラ、シ♭->ファといった音を得ることができます。
でも、なぜそういう音を動物としてのヒトが「採りたくなる」のか説明したものを見たことがありません。
仮に全ての民族でハーモニーが重視されているとすると、 音階はハーモニー起源だと考えられますが、 必ずしも全ての民族でハーモニーが重視されている訳ではありません。
笛や弦楽器が歌の前にあり、そこに現れる倍音系の音階に声を合わせた
ということはあるのかも知れません。
だとしてもなぜ「そうしたかった」のかは謎が残ります。
文法、イントネーションとの関係
どの言語でも文法は音の高さ、イントネーションに現れます。
赤ん坊などイントネーションのみ発現しているように見えます。
発声に於いて相対的高さを操ることはヒト以外では見られないように思えます。
この性質が歌に繋がったことは間違いありません。
そして、おそらく、その上で通常の会話とは異なる音の配置を取ることにより何等かの特別な意味合いを持たせたかったのだと思います。
母音フォルマントとの関連
母音を聞き取る機構と関連している可能性も高いと思われます。。
ひょっとしたら、 長調を明るいと感じ、短調の寂しげと感じることなども、 後天的なものではなく、言語機能の基本的な仕組みに よっているのかも知れません。
クジラの遠吠え
クジラの場合は歌というより「遠吠え」でしょう。
変にロマンチックな表現をすることが、若い有能な研究者を誤った方向に導いている気がしてなりません
音痴の空吠え
僕は絶対音感を持ちません。
しかし「音楽」は基本的に「相対音」ベースだと考えています。
オームは絶対音で反復しますが、音であって音楽ではない。
。。。でも、音楽的な絶対音感があればいいなあ。。 ま、その前に相対音感も怪しいのだけど。
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