◆2色型色覚の豊かな色彩世界
【緑青:色相拡張中央彩度抑圧】
【緑青:単純無彩度連結】
【赤青:色相拡張中央彩度抑圧】
【赤青:単純無彩度連結】
【赤緑:色相拡張中央彩度抑圧】
【赤緑:単純無彩度連結】
【赤緑青】







2色型色覚の豊かな色彩世界
ヒトの多くは赤、緑、青の3色の色覚を持ち、その組み合わせで豊かな色彩世界を感じています。
哺乳類の多くは2色型色覚を持ちます。ヒトでもかなりの割合で2色型色覚を持っています。
2色型色覚では世界はどのように見えるのでしょう?
色相拡張、中央彩度抑止
以前の記事 ■色相拡張による2色型色覚シミュレータ の手法をAndroidアプリにしました。
このアプリを用いて街中を撮影したものが冒頭の画像セットです。
【色相拡張中央彩度抑圧】がこの手法を用いた結果です。
3色型でみる画像【赤緑青】とは異なる色とはなりますが、豊かな色を持っていることが分かります。
もちろんここで表示されている「色」をそのまま感じているという事ではなく、このような色の「分解能」を持って世界を見ているのです。
「CIE-XYZ色度図」を緑青2色型色覚の人が見ると扇の形の虹のように見えるらしいです。
このアプリによるシミュレート画像を載せます。

3色型色覚の人が見て、扇型の虹をくっきりと感じるはずです。
単純無彩度連結
一般的には欠けている1色を単純に他の2色の合算で補完するという極めて単純な手法
(緑+青)÷2 ⇒ 赤
(赤+青)÷2 ⇒ 緑
(赤+緑)÷2 ⇒ 青
でシミュレートされることが多いようです。
この手法では色覚と色覚の間の色相が完全に失われてしまい、色彩に乏しく貧しい絵が出来上がってしまいます。
冒頭の画像セットの【単純無彩度連結】がこれにあたります。
実際に感じる「色」を再現することは不可能であるとはいえ、色の区別がつかないこのような認識をするとは考えられません。
特に緑青2色では殆ど色が無いといってよいシミュレーション結果となります。
このような低レベルのシミュレーション結果を見て、"2色型色覚では色は殆ど感じない"と判断することは間違っています。
「CIE-XYZ色度図」の青緑単純無彩度連結でのシミュレート画像を載せます。

3色型色覚の人が見て、このシミュレート結果に扇型の虹を感じることはないでしょう。
色マッピングの調整
先に載せた緑青2色型色覚による「CIE-XYZ色度図」の色マッピングは冒頭の写真と共通です。
シミュレート結果の人肌が3色型色覚で見て不自然に感じないように選んだ値です。
どのような値を選ぶのが適切かは検討の余地があります。
アプリでは値マッピングを調整できるようになっています。
例えば、中央部の分解能を高めた値では「CIE-XYZ色度図」とカメラ撮影画像は次のようになります。

アプリ
この記事の画像はアプリで3色で撮影後2色覚シミュレートを行って取得していますが、 基本的にはカメラ画像をリアルタイム処理し表示します。
次の場所で公開しています。
GooglePlay:色相拡張による高精細知覚2色型色覚シミュレーター
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