◆ギボシ端子加工:メモ
模式図
ギボシ端子は主に車の電装系で電源線を接続するのに用います。
コードと端子は圧着されており、捩じり止めや半田止めに比べ熱や衝撃に強い構造となっています。

ギボシ端子にはオスとメスがあり、メスからオスに電流が流れる形で回線を構築します。
補足:電線の色
電線の色とプラス側,マイナス側(アース側)の関係は次の様になっています。
・ | 赤-黒 | :赤がプラス、黒がマイナス(アース) |
・ | 黒-白 | :黒がプラス、白がマイナス(アース) |
・ | 黒地に白線-黒 | :黒地に白線がプラス、黒がマイナス(アース) |
黒はプラスの場合もマイナスの場合もあります。設置ミスなどもありますので、必ずテスターで確認すべきです。
端子にはスリーブと呼ばれるカバーがかかっており、 接触や断線を防いでいます。メス側はスリーブが全体を覆い、オス側は根元のみを覆っています。

端子は
- (1)電線の芯線を押さえる金具部
- (2)電線の被覆部を押さえる金具部
- オス・メスの接合部
電線を差し込み、金具部(1)、(2)
を電工ペンチで強く変形させることに
より電線と端子が圧着されます。
「かしめる」と言います。
押さえ金具はハート型に変形します。
電工ペンチのかしめ部はこのための特殊な形状をしています。
電工ペンチ
ギボシ加工には電工ペンチを用います。

ペンチは
- 先端で電線を切る
- その後ろでギボシをかしめる
- 根元で電線のビニール被覆を剥がす
手順
電線の被覆を5mm程剥ぎ、先をねじりまとめます。

上の写真は電線とギボシ端子の組み合わせを示しています。スリーブを
電線に通してあります。スリーブには方向がありますので注意が必要です。
写真は説明のためのものであり、実際には一本ずつ作業していきます。
「芯線が細い場合、より良く圧着させるために、折り返す」という意見と、 「芯線が破断する可能性があるので折り返してはならない」という意見が あるようです。一応折り返さない方針で作業しています。
最初にスリーブを通した後、芯線部、被覆部の順でかしめます。 スリーブは後から通すことはできません。

かしめは「仮かしめ」「本かしめ」の2段に分けて行います。
それぞれ電工ペンチの適切な数値で示されるかしめ部を使います。
- 被覆を5mm程剥ぐ
- 芯線を捩じってまとめる
- スリーブを通す
- 芯線部かしめ(電線のみ締める)
- スリーブの再確認
- 仮かしめ(1.25-2.0)
- 本かしめ(0.5-0.75)
- 被覆部かしめ(被覆を含めて締める)
- 仮かしめ(3.0)
- 本かしめ(1.25-2.0)

かしめると、ハート型につぶれます。かなりグッと力を入れる必要があります。
かしめが終わるとスリーブを被せます。左がスリーブを被せた状態です。

ギボシ端子どうしを繋ぐと次のようになります。一旦つないだ後外すことも可能です。

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