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◇「遺伝子一致99%」の謎:比較値なし、測定法不明

全く良く分からないのが「チンパンジーの遺伝子は人間の遺伝子と99%一致している」 という話

 他は?

普通数字を出す場合比較対象となるものも示します。

ところがこの「チンパンジー話」は比較できる数値を見ることが殆どありません。

例えば、「大腸菌と人間の一致は0.01%で、バラと人間の一致は1%、犬と人間の一致は 30%」などといった数値を示してもらわないと99%がどのくらいすごいものか「全く」分かりません。

例えば「犬と人間の一致が98%」だと99%も特にすごいとは思えませんよね。

人間同士の差はどのくらいというのも欲しい。

 何をどう比較したの?

そもそも、何をどう比較したのか、示されていません。

染色体の数も違う(人は46本、チンパンジーは48本)し、きちんと対応がつく訳でもなく そっくりな染色体でも長さが違う。
DNAの分子並び全体の単純比較をすれば99%になるはずはない。

例えばコドンを数や並びを無視して比較すれば大腸菌と人間は100%一致します。

もっと大きく、例えばタンパク質をコードしている部分でも、数や並びを 無視して比較すればかなり一致します。

例えば、「A mouse bit at a cat.(ネコにネズミが噛みついた~♪)」 と「A cat bit at a mouse.(ネコがネズミに噛みついた)」という 全く異なる事象を表す文でも 並びを無視して単語だけを比較すれば100%同じ文であると「計算」されます。

「チンパンジー話」が嘘だと言っている訳ではありません。 何をどう比較したのか示してもらわないと、 数値の「意味が分からない」と言っているのです。

ちょこっと読んだものでは「分かる部分だけ調べたら、そっくりだった」 という感じだったと覚えています。知ってる単語だけかき集めたらシェークスピアの戯曲だって 他のものだって同じになります。

 遺伝構文

タンパク質をコードする遺伝子を単語と見做すと、 上位に文法があり、遺伝子並び、制御分子 並び、および文脈で「意味・発現法」が変わるものと考えます。

いわゆる「遺伝子」なんてのは「部材の設計図」に過ぎなくて、それを構築する設計記述(制御分子並び) が生物の構造を作り出しているという考えです。
チンパンジーと人間は同じ部材をつかって全く異なる設計がなされているとも 言えるわけで、部材の類似99%なんて左程重要ではない。

遺伝子をバラバラに動かしても無意味なタンパク質の塊ができるだけです。

 ### 本題とは無関係な脇道

  • 特定のmouseとcatのはずなのに「the」を使わず「a」と したのは、主題曲として物語への導入の役割をはたすためには 漠然とした「a」で状況を見せ、それが 実は主役の「Tom the cat」と「Jerry the mouse」なんだと判明する設定の文がいいかなと 感じたからです。加えて「the」を使うとこんな事が一度ありましたという限定事象性が強くて、驚きが少ない 気もしました。正しくないかも知れません。
  • ジェリーってratではなくmouseですよね。ratかな?
  • 「bit at」のatは、なんとなくatを付けないと肉を齧り取った感じが して付けました。 トムとジェリーの場合「齧る」ではない。 調べると特にatを付けない例が多いので不要かも知れません。
  • この主題歌は日本での作詞/作曲でオリジナルには無いようです。
  • 日本語は論理機能を「が」や「に」といった格助詞を体言に付与すること で示し、英語は単語の並びで示すことの典型例です。
  • 「ネコにネズミが噛みついた」の映像ではカメラはネコを狙っており そこに横から急にネズミが飛びかかる形となります。事象としては同じでも 「ネズミがネコに噛みついた」では カメラはネズミの動きを追うことになるでしょう。微妙に異なります。 おそらくサスペンス映画では「ネコにネズミが噛みついた」となるはずです。 優れた詞です。

英語を不得意としているため、 例文などに英語を用いるとどうしても本質ではない所で不明確なことを正しいかの ごとく提示してしまう 知らぬアブハチを語る 状態になってしまうのが気になって、 言い訳として、 この「脇道」を追加してしまいました。

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