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◆雷は落ちます-2。「リターンストローク」は不適切

 それでも雷は「落ちる」のです。「リターンストローク」は不適切

最近は撮影機器が進歩し、雷の落ちる様子を、時間を追って詳細に記録できるようになりました。

以前の記事◆雷の電流神話;いいえ落ちます。 でも書いたのですが、
雷は四方に細かな放電し、放電の起こった場所は プラズマ化され電気の良導体となるので、そこに電子がなだれ込み、 さらに放電を繰り返すという形で小さな稲妻が広がっていきます。
それが地上に達するとその稲妻回路を通して一気に電流が流れ、激しい 落雷現象となります。


稲妻回路は全体に渡りほぼ同じ電圧の高さを持ちます。

そして地上に達する場所では地上とは大きな電位差となります。

接地点では極めて大きな電流がながれます。

そして、電子は雪崩のように地上に流れていきます。

大量の電流の流れる場所はは地上付近から徐々に上空に向かっていきます。

稲妻の明るさだけを見れば、下から上に駆け上がるように見えるのです。

もちろん、電子はあくまで地上に向かっています。


これは一瞬のことであり、人の目で直接確認できるものではありません。
最近はハイスピードカメラによって捉えられるようになりました。

問題はこれを「リターンストローク」などと完全に誤った名称で呼ぶことが あることです。

電子流は決して上空に「戻る」訳ではありません。

映像を見て「戻る」と書くのは、まるで小学校低学年の観察日記レベルです。
極めて高度な機器を用いた夏休みの宿題に等しいと言えます。

余計な考察を行わず見たままを記録することは重要です。
しかし、名前を付けることは「記録」にとどまらず「解釈」を 与えることになります。
まともな考察を 行わずこのような安直な名称を付けることは人々の理解を誤った方向に導きます。
決して観察日記気分で行ってよいことではありません。

雷の研究は科学ではなくあくまで防災のためのものだ、という意見も分かります。
ただ、あまりにも考え不足ではないでしょうか?
科学的考察をすることにより雷の挙動の予測などもより精密になり、防災にも 役立つはずです。

「観察雷学」や「実験雷学」研究者だけでなく「理論雷学」研究者の登場を期待します。

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