■動画で見る横波と縦波と水面の波:円運動モデル
シリーズ「動画で見る水面波」
横波と縦波と水面の波
「波」と聞いて真っ先に浮かぶのは「水面/海面の波」だと思います。
ところが、物理の話題では、縦波、横波の話は出てもこの本来「最も一般的であり誰もが直接目にする普通の波」である水面の波のモデルが出ることは殆どありません。
水面の波は縦波でも横波でもありません。それらを組み合わせた円"に近い"運動による波です。円に近いけど円ではありません。
波の形も単純なサイン波とはなりません。少し上の尖った形となります。
上の動画は、水面の波(単純円運動モデル)、単純な横波、単純な縦波です。
単純な横波では、点が上下(波の進行方向に垂直)に動き、単純な縦波では、
点が左右(波の進行方向と同じ)に動いています。
これに対し水面の波(単純円運動モデル)では点が円運動をしています。
この単純円運動は下の「単純な縦波」と「単純な横波」による位置変化を 合わせただけの極めて単純なモデルですが、 水面の波の外見の特徴まで良く表すものになっています。
単純な円運動ではなく、もう少し精密化したものを
■動画で見る水面波:体積保存モデル
に置きました。
#2017/12/08
円運動から三角波まで連続再現できるモデルを
■動画で見る水面波:位相跳躍モデル
に置きました
横波縦波神話
不思議なのは物理の話題に於いて「波には縦波と横波がある」となり、それに当てはまらない
水面の波が完全に無視される傾向があることです。
普通に思いつく波といえば水面の波であるにも関わらずです。
もっとひどい場合は、水面の波を取り上げても「水面の波は横波である」(×)などと 書かれることがあります。
光について
■光と縦波、横波;光の振幅とはで取り上げました。
その中で光は普通に考える横波ではないことを示しました。
「波には縦波と横波がある」は論理学的には間違いではありませんが、
まるで「縦波と横波しかない」と言っているようにとられてしまいます。
本当にそう思って言っている人もいるように思われます。
変化する値(通常周期を持つ)が隣に伝わるものが波であり、波には縦波横波以外もあることを強く認識すべきです。
というより、そもそも「横波」は本来剛体内を伝わる振動形態を
表す極めて特殊な波であり光や水面の波に当てはめるのは拡大解釈と考えた方がよい。
円運動神話
水面の波を縦波でも横波でもないと書いている書物でも、円運動と言い切っているものがほとんどです。 円には近いけど決して円ではありません。
本題とは無関係なメモ
動画はcanvasを用いています。
canvasのクリアはclearRectで行います。canvasの背景色が黒なら黒になります。
しかし、なぜかAndroid上のChrome 31.0ではクリアできず白塗りとなってしまったため、
臨時対応としてfillRectを用い黒塗りをしました。
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