PhotoShopで白を透明化、諧調で半透明化したい
PhotoShopで図柄を作成する場合、一旦白の上に図を作り、最終的には白を
諧調に応じ半透明化したいことは良くあります。
色々な図形を作成する場合、必ずしも、透明情報も含めた形で
作り上げることができないことも多く、また、透明情報を持たない
図形をベースに作り上げることもあるからです。
基本:諧調をアルファー・チャンネルに置き、マスク化する
手順は次のようになります。
- 輝度をチャネルとしてもつモードにする
- 輝度をアルファー・チャンネルに複製する
- アルファー・チャンネル(輝度情報)で領域選択を行う
- 選択域をマスク化する
- マスクを調整する
アルファー・チャンネルと透明化のマスクは別物であり、アルファー・チャンネルの
情報で透明化用のマスクを作成する形となります。
「このチャンネルをマスクとして使う」と指定できればいいだけだと思うのですが
なんでこんな回りくどい手続きを要求するんでしょうねえ。
なお、ここではマスクを調整していますが、元となるアルファチャネルを調整した上で
マスクにすることも可能です。
以下、画面はPhotoShop-CS6でのものです。以前の版でも同じ作業が可能なはずです。
00. [ウィンドウ]->[チャネル]でチャンネル表示
「ウィンドウ」メニューで「チャンネル」にチェックを入れチャンネルを表示させます。
01. 輝度情報がチャンネルとしてあるLabカラーに変更する。
[イメージ]メニュー-[モード]-[Labカラー]でモードをlabカラーにする。
LabカラーはLが輝度を表し、a,bはそれぞれ赤の色合い、青の色合いを表します。
この輝度情報からマスクを作成することになります。
場合によってはRGBモードで例えばGをマスクとして使用するといった形も可能です。
02. マスク用に輝度情報をアルファー・チャンネルに複製する。
チャンネル表示の「L」で右クリックをし「チャンネルを複製」を選びます。
「Lのコピー」の名前でアルファー・チャンネルが追加されます。輝度情報の複製です。
03. アルファー・チャンネル(輝度情報)で領域選択を行う。
[選択範囲]メニューから[選択範囲を読み込む]を選びます。
「選択範囲を読み込む」ダイアログでチャンネルとして「Lのコピー」を選びます。
「Lのコピー」チャンネルにある輝度情報を反映した領域選択が行われます。
04. 選択域をマスク化する。
[レイヤー]メニューから[レイヤーマスク]->[選択範囲をマスク]を選びます。
チャンネルに「レイヤー1マスク」が追加され、
選択が画面の透明度に反映されます。
05. マスクを調整する。
このままでは薄くなりすぎますので、マスクの色合いを調整します。
「レイヤー1マスク」を選択し、
[イメージ]メニュー →[色調補正]→[明るさ・コントラスト]
コントラストと明かるさを上げます。
レベル調整で細かく調整することもできますし、ブラシなどで手書きのマスク
を追加することもできます。
「Lのコピー」は不要ですので消しても構いません。
03. マスク用輝度情報を調整する。
そのままの輝度情報ではマスクが薄くなってしまうため、
「Lのコピー」チャンネルを選択し、表示させた上で、
[イメージ]->[色調補正]->[明るさ・コントラスト]で調整します、
トーンカーブを用いて細かく調整しても構いません。
04. アルファー・チャンネル(輝度情報)で領域選択を行う。
[選択範囲]メニューから[選択範囲を読み込む]を選びます。
「選択範囲を読み込む」ダイアログでチャンネルとして「Lのコピー」を選びます。
「Lのコピー」チャンネルにある輝度情報を反映した領域選択が行われます。
05. 選択域をマスク化する。
[レイヤー]メニューから[レイヤーマスク]->[選択範囲をマスク]を選びます。
チャンネルに「レイヤー1マスク」が追加され、
選択が画面の透明度に反映されます。
「Lのコピー」チャンネルは不要となりますが、再びマスクをかけ直す
ことなども考えそのまま残します。
06. 画像を保存する。
[ファイルメニュー]から[Web用に保存]を選びます。
「Web用に保存」ダイアログでPNGを選びます。
JPEGでは透明情報を
乗せることはできません。GIFでは滑らかな透明度を得ることはできません。
透明バック
白バック
上の絵は、
透明バックにした.pngファイルとオリジナルの白バックの.pngファイルを、少し色を付けた<div>
内に配置しています。
透明バックではバックグラウンドの色の上に画像が乗っていることが分かると思います。
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アルファー・チャンネルが直接透明度を表すのではなく、
アルファー・チャンネルを使って選択し、
その選択状態をマスクにするという何とも遠回りで分かりづらいやり方
となるため、何度やっても直ぐ忘れます。
印刷用のCMYKモードは本質的に白部は透明と考えるべきなので、
白を透明にし、白バックの上に乗せた時に本来の色になるという
出力があっていいと思うんですけどねえ。
アルファー・チャネル/マスク/透明化に関しては次の記事もあります。
###余談
アルファー・チャンネルのアルファー(α)とは、本来の画像情報に
「プラス・アルファー(+α)」するものという意味ですが、この
「プラス・アルファー」は「プラス・エックス(+χ)」の書き方
が汚くて、読み間違えたんだという話があります。
「メメクラゲ」
と同じですね。(さあ、誰が分かるか、この例え)
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2012/5/25:
当初アルファーチャンネルを調整した上でマスクにしていたが、まずマスクを
作りマスクを調整する形に変更