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♪メロディーの曖昧記憶と記号化と音痴と

 音痴のメカニズム(曖昧記憶、または情報圧縮記憶)

自分が音痴だと気付いたのがいつなのかははっきりとしませんが、 幼稚園の頃には友達と比べ自分が歌が下手であることを認識していました。

どうもメロディーを曖昧にしか覚えられないのです。
曖昧な記憶で歌うので変な音程しかとれない。

音が分からない訳ではなく、友達の歌のうまさに感心し、 自分の音がずれていることも分ります。

聞こえたメロディーをおおよその形にして覚えているようなのです。

例えばドミソとドレミの区別はつきます。しかし、少し複雑な メロディーとしてドミソドとドレミドとなると、同じパターン だとして記憶されてしまうのです。
その違いを短時間意識しておくことはできるのですが、 直ぐに曖昧な記憶の中に組み入れられてしまいます。

次の曲は同じようなパターンで組まれています。AとA2、BとB2、 CとC2、DとD2はそれぞれ頭の3音が和音を駆け上がるか 音階を駆け上がるかの差となっています。

この明らかに違う和音駆け上がりと音階駆け上がりが、本の少し時間を 置いただけでどちらだったか分からなくなるのです。

A2はAとの差というより直前のDとのパターンの違いにより 微妙な差を感じます(「微妙じゃない、ぜんぜん違う」というのが普通の人のはずです)。
しかしCとC2になると、特に差を感じないのです。 続けて聞くと違いは分かりますが曲の流れの中では感じません。

C:
C2:

ただ、音に集中しているすると「分かります」。
例えば、楽器を演奏している最中であれば、他人の出す音であっても 多分気がつくと思います。でも、それはメロディーを認識する 基本の脳の機能ではなく、訓練により取ってつけた、音を 記号化して認識する機能のように思います。

脳は記憶するにあたって、生の形ではなく、パターンを抽出し、 圧縮した形とします。
本来デジタルに区切られた音階の並びで作られるメロディーが、大凡の高さを 上がったり下がったりするパターンだけで記憶されてしまったのです。
その記憶の前に「集中力」によって記号化して、それを元に別途記憶 することが全くできない訳ではなさそうですが、それはメロディーを 感じることではなく、自分を楽器にしてしまうことになる気がします。

小さい頃に音楽を把握し損ねたんでしょうねえ。幼稚園くらいで気が ついて少し努力したけど、もう遅い。頑固な音痴になってしまった。



ここまでいじっても、なんとなく同じように聞こえるというのを。

たとえばAの最後の音がレかミかという大きな違いがあるのに、「なんか変かな」 程度にしか感じないとすると。。。。

 やさしさに包まれたなら

例えば、 ユーミンの「やさしさに包まれたなら」
これが正解 (レミソレシレド) なのですが


声に出すとこう (レミソミレミド) なります。

(レミソミレミド)と記憶している訳ではなく、 おそらく(レミソレシレド)との 区別がない覚え方をしているのです。

音階を意識することによりこの2つを歌い分ける"技術"はもっています。でも、それは歌心ではない。

曖昧記憶性音痴にとって楽譜はとても頼りになるものです。
曖昧な音も楽譜を見る事によって少しそれらしい音程にすることが出来ます。 もちろん、曖昧な記憶で歌うことによって、正確な音程をとる能力が ゆがめられているので、相変わらず「音痴」ではあるのですが、自分としては かなり「まし」、少なくとも出したい音は分かって音を出すことになります。

 フーガ、変奏曲、メタモルフォーゼ

相似音形を強く感じるので、例えばフーガのように、同じ音形でありながら 高さが変わったり、少し変形しながら発展するものなどに強く惹かれます。

変奏曲も好きです。

音楽的能力に優れた友達がいるのですが、彼はこういった曲に魅力を殆ど 感じないようなのです。

少し違えば全く別のメロディーであって、「変奏」を感じないのです。
もちろん頭では分かる。

僕の場合は先ず同じである「感じ」がし、違いが「分かる」のです。


バルトークの弦楽四重奏曲2番という大好きな曲があります。

一楽章の基本のテーマは少し尖った強いものです。

最後の方で滑らかな小さな山なりの穏やかな音形が出てきます。少し繰り返すうち に音程が広がり、テーマの尖った音形に化けるのです。

と、僕には音形が化けたように聞こえゾクっとしたのですが、誰もそんな ことは言わないようで、音の形を曖昧に捉えるからこその観賞法に過ぎないのかな とも思います。


同じものを聞いても人によって、音痴度にもよって、まるで違うものとなるんでしょうね。

 技術的余談:<audio>タグ

HTML5で導入される<audio>タグはブラウザ毎の互換性皆無のとんでもない ものですが、html5media.jsというものを導入すればどのブラウザでも .mp3を再生できるようになるようです。

本記事ではhtml5media.jsと<audio>タグを使ってみました。

<audio>タグの前後で改行されるかどうかはブラウザによって異なるようで、 レイアウトを保つため<table>を用いました。HTML5は<table>無しでは 何もできません。困ったもんじゃ。

参考記事を非対応ブラウザでaudioタグを動かす:html5mediaに置いてあります。

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