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◆イカタコと上下

 イカタコ図鑑の上下

イカ・タコ図鑑ではなぜか足/触手/触腕を上に、胴を下に描きます。

これは全く馬鹿げた習慣です。

胴を下にする理由は全くありません。
例えば犬の絵を頭が上で胴が下と描くでしょうか?
頭が胴の直上にあるのは人間などごく限られた生物だけです。
足ではなく触手だから上に描くというのも全く理由になりません。

通常の生活状態を考えると、イカは横方向で足は横、タコは胴を上に足を下に するのが適切です。

水平方向からの図ではイカの大きな特徴である先端のヒレ(いわゆるミミ)が 認識づらくなりますので、これを分かるように描くべきです。

例えばカレイやヒラメを描く場合このように描きます。

進行方向を上に描くという方法も考えられるでしょう。
例えば昆虫などは主に進行方向を上に書きます。

イカはヒレ側にも触腕側にも移動します。しかし通常の移動はヒレ側であり、 触腕側への移動はエサを取る時や他個体を攻撃する時などです。 スミを吐いて逃げる時などもヒレ側に進みます。水の抵抗と体の形状を 考えても当然です。トビウオと類似した形で海面の上を飛ぶイカもいます。 当然ヒレ側が進行方向です。

タコの場合足が接地している訳であり、どんな理屈をこねくり回しても 足を上に描くことはまともではありません。
イカに揃えたなどというふざけたことを言ってはなりません。もし揃える なら、方向が明確であるタコにイカを揃えるべきです。

図鑑での空間配置はこのような回りとの空間関係を表すべきであり、 決して解剖学的小知識から描くべきではありません。

2012/3/13:補足

ヒレが見える形が必ずしも水平から見たものではないということを示すため 斜めに描くのも良いかも知れません。
以前の記事◆タコは巻貝、イカは二枚貝?イカ、タコ、貝の進化系図では斜めに描きました。
(ただし、この記事のイカ・タコは生活状態を表している訳ではありません)

 なぜイカタコ図鑑はおバカなのか

おバカな権威主義と拝借行為がはびこっているだけだと思われます。
最初に誰かが「あれは頭ではなく胴だから」という対象生物の現実の生活様式 とは違う知識で無理に変に描いたのが何の検証も行われないまま引き継がれて います。

図鑑以外の書物でも「胴を上に描くと素人っぽく思われちゃう」というクダラナイ 理由で馬鹿げた習慣が踏襲されています。

 ### 2015/11/12

頭足類学者の国際シンポジウムのロゴマーク作成で、イカを描く方向が問題になったようです。
図鑑でイカは胴を下にするということに関し、 TVで学者が「動物は捕食時の進行方向を上に描くというのが図鑑の基本」というような意見を述べていました。

TVの出演者は「タコは?」「クラゲは?」とまっとうな疑問を出していましたが、残念なことにそれ以上追及されず次の話題に移りました。

"捕食時の進行方向"は図鑑でのタコの描き方にあてはまりません。

空中から地上の獲物を襲う猛禽類など、足を上に描くでしょうか?

後付の理由を探すのはやめるべきです。

「私たちの世界ではこのように描く」とも言っているようですが、「私たちの世界」 というのは 「イカタコ学者村」の事だと思います。恐らくこの発言は「この描き方自体は 学問的に望ましくないかもしれないけど仲間内ではこうするんだ」という ことを意味しているのでしょう。学者たる者、仲間内での閉じた表現に 留まることなく、もっとオープンになるべきです。
仲間内だけしか通じないオバカな習慣を捨てる勇気を持ちましょう。

 酸アルカリの左右イメージとは違う

先の記事◆酸性アルカリ性と左右 で酸性アルカリ性を左右方向に分ける習慣があることを書きました。
酸アルカリは現実の方向とは無関係ですので、この様な習慣を持ちこむ ことに問題はありません。
しかしイカタコは現実世界での方向性を持っています。くだらない意味づけ で方向性を変えるべきではありません。

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