◆総天然色立体・化学参考書
化学の参考書はなぜ魅力がないか
先の記事 ◆酸アルカリと左右を書いた後、ちょっと気になって本屋で 化学の参考書を色々眺めてみました。
とても驚きました!
どの本も申し合わせたように「赤黒」あるいは「青黒」の2色刷り。
化学の理解に於いてとても重要であるはずの「色」がきちんと再現されていないのです。
これじゃあ分からないでしょう!
言葉で「中性なら緑」などと書かれても。。。
今の時代フルカラー印刷はなんてことないはずなのに。
読み比べて分かったのは、どうやら、それぞれの本には自身の工夫は 全くなく、既にある図版をそのまま借用し、本文も借用、 いってみれば総パクリで作るため、大昔2色刷り時代を引きずって いるのだろうということです。
化学嫌いの多くは工夫の無い本が作り出しているのではないでしょうか?
単純に酸性、アルカリ性を示すだけでも2色刷りでは無理があります。
本の頭にカラーの図版を置いてあるものもありましたが、「昭和か!」と つっこみたくなりました。
3D表示を教科書/参考書に
ブルーバックスの化学ネタの本では良く並行法による裸眼立体での 分子モデルが載せられています。
昔は単純な化学式程度しか把握できていなかったのでしょうが、今は
どういう立体構造になっているかも分かっています。
もちろん反応式としての単純化は分かりますが、2次元図は抽象的すぎると
思うのです。
単純な構造であっても3Dで示すとイメージが掴みやすくなるはずです。
色の理由に軽く触れる
化学では突然何の脈絡もなく魔法の試薬が出てきます。
「蜥蜴の黒焼きを煎じたものをフェノール類に反応させると 紫色になります」
「乙女の涙は酸性で赤になりアルカリ性で青になります」
と、言われてもねえ。
試薬の色の変化の理由は量子化学のレベルに踏み込む必要はありますが
軽く触れるくらいのことはすべきだと考えます。
でないと、訳も分らず色んなことをただ覚えるだけの、つまらない学問に
なってしまいます。
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2012/3/10:
「チャート式なんたれかんたれ」といった受験参考書にはカラーのものが
あることが分かりました。
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