◇主語-述語と主体-命題
英語の主語、述語って何だ?
実は「主語」「述語」というのが良く分かっていません。
例えば、
I love you.
では主語はIで述語はloveです。
The sky is blue.
ではskyが主語でblueが述語です。何か不自然じゃありませんか?
主語はともかく述語は片方は動詞で片方は、be動詞でなく形容詞。
beには殆ど意味はなく意味を担うのはblueだからというのは分かります。
でも、
例えば、
The sky seems blue.
で述語はやはりblueとなのでしょうか?あるいはseems?
述語でなく述部と呼んで、
主語(I)+述部(love you)
主語(sky)+述部(is blue)
主語(sky)+述部(seems blue)
とするなら分かります。
Subjectを主「語」、Predicateを術「語」と訳したことが間違いだったのかとも 思ったのですが、英語の文法でも「語」に対する名前ではあるようです。
主語-述語という言語解析手法にそもそも無理があるのではないでしょうか?
あるいは極めて限定的に「be動詞を用いた文において右辺を述語と呼ぶ」などと定義 しなおすのが良いのではと考えます。
日本語の主語、述語って何だ?
英語でも「主語-述語」法は不自然ですが、それを日本語に無理やり当てはめるのは 無茶としか言いようがありません。
例えば
水が飲みたい
の「水」は主語でしょうか?
主体の「水」に対し「飲みたい」という命題が成り立っており、 これは、論理構造として
水が冷たい
水が澄んでいる
などというのと全く同じです。
「水が冷たい」の「水」を主語と呼ぶ事にはあまり抵抗はないと思います。
しかし、同じ構造であるにも関わらず「水が飲みたい」の「水」を「主語」と 呼ぶのに抵抗を感じるのは、「水」が動作主体や同値主体ではないからでしょう。
日本語としてはこれらは同じ構造であり、同じ解析ができなければなりません。
日本語の文法としては「主体」と「命題」とすべきです。
加えて「が」による構文はそれが命題の提示となることも重要です。 ◇命題構文(概念構文)と陳述構文:「が」と「は」参照
例えば
に関し
命題:「君が好きだ」
に関し
命題:「好きだ」
がなりたつ
補:断定詞「だ」の位置づけは若干微妙です。「(僕は君が好き)だ。」とする解釈の 可能性も考察してみるべきかも知れません。
てことで
少なくとも「主語-述語」による解釈は日本語文法に導入すべき手法ではありません。
もっとも、主語-述語という用語はともかく、 「論理主と論理述が格助詞で結ばれる構造」という意味では英語より日本語の方がかっちりと はまっているとは言えます。
| 固定リンク