■水平鏡像の不思議と魅力:画像認識論
水平鏡像が水面に見えるのは機構か経験か
人間は目に見えるものをどのように把握するのでしょう?
色々な角度の線形状や円のような基本の形を素早く認識する他 相似な複雑な形状が空間上に並んでいるものもたやすく認識できる ように思えます。
形の認識として対称性も重要な点となります。
この対象性の認識、相似図形の並びの認識との関連が推測される のが鏡面の判断です。 通常は完全な平面ではなく曲面となっており、そこに映る 像から表面の質を感じ取ります。
鏡面を見て、そこに映っているものを、面の向こうの空間と
感じるか、面の質感と感じるかは場合によって異なります。
例えば通常鏡に向かった場合、鏡の面というより、その奥の
像を認識します。
一般には大面積でゆがみが無い場合表面材質としてではなく
奥の空間像と認識されるものと思われます。
大きな例外が水平軸での対称像です。かなりの確率で
そこに水面のようなものを感じてしまいます。
それは不思議で怪しい幻想的な風景となります。
普通にはそのような滑らかな 水面などはなく、経験からそこに水面を感じるというのは 考えにくことです。
そこに水面を感じる仕組みは、ヒトの画像認識機構として
予め組まれたものなのでしょうか?
あるいは小規模な反射像の経験から推測してそこに面を
感じるのでしょうか?
恐らく予め画像認識の仕組みとして作りこまれている
この感覚は予めヒトの認識機構として組まれているものと
考えています。
しかし、普段この水面認識機構は強く刺激されることはありません。 その為、ここに示したような画像で強く刺激されると「脳が喜ぶ」 状態に陥り不思議な魅力を感じるのだと思います。
動画を見ている内に時々、水面ではなく単なる対称図形と 感じてしまう場合があることから、おそらく 水面刺激と単純な対称図形刺激は別の感覚として捉えられる ものだと考えられます。

画像は単に上下対称であるだけで、 手前に迫る面の要素は図形としては一切ありません。
完全に対称なので、下に面があるように捉えることも、幾何的には 考えられない事です。
面を感じるのは立体認識に関連したものです。静止画でも それなりに水平面を感じますが動きによりさらに立体感が 刺激され、面を感じることになりますが、本来その動きも 幾何的には決して下に面がある事を示してはいません。
縦軸での鏡面の場合どうなるでしょうか?右、あるいは左に
面の存在を感じるでしょうか?
同じ動画を縦にしてみました。
面の存在を感じず、単に左右対称の物体があるように感じるはずです。
参考までに、単純に縦中央で対称としたものを挙げます。特に魅力は感じない のではないでしょうか?
人間が魅了されてしまう画像は、人間の画像の認識システム
に大きく関係したものです。
例えば万華鏡も対称図形認識と、同形認識が強く刺激される
ため魅力を感じるのです。
何れ、万華鏡に関してまとめます。
水平対称動画の作成法
本記事の動画はEdius5.5で作成しました。 (単純なことでもすぐ忘れるのでメモ)
次の手順で基本を作成します。
- [表示]-[エフェクトパレット]で「エフェクトパレット」、 [表示]-[Informationパレット]で「インフォメーションパレット」を 表示させておく。
- トラック1に基本のクリップを入れる。
- トラック1を選択し、 「エフェクトパレット」から[システムプリセット]-[ビデオフィルタ]-[矩形] を「インフォメーションパレット」のフィルタ並びにドラッグする。
- [矩形フィルタ]と表示がでるので、クリックする。パラメタ設定窓 が出るので位置とサイズをちょうど上半分になるように調整する。 なお、フィルタ(F)は内側は「なし」外側は「単色」で完全黒に する(デフォルト状態)。
- トラックの左側の名前板上で、右クリックし、「複製(T)」を 行う。
- 複製された新しいトラック2を選択し、「エフェクトパレット」の[ビデオフィルタ] から[ミラー]を「インフォメーションパレット」にドラッグする。[矩形フィルタ] の下に[ミラー]が追加される。
- [ミラー]をクリックし、パラメタ設定窓で上下反転を選ぶ。
- 「エフェクトパレット」の[キー]-[合成]から[加算合成]を、トラック2にドラッグする。 ([加算合成]ではつなぎ目が目立つ場合がありますので[比較(明)合成]の方が適切です)
これを一旦Canopus HQ出力し、改めて読み込んで、トリミング、音入れ作業 を行いました。音はCinescore1.0で何の工夫もせず生成したものです。
最終出力はMPEG2 NTSC 6MVBRT,720×480,16:9,DOLBY DIGITAL(AC-3)で行い
Youtubeに投稿しました。
Youtubeの画像をブログに載せる方法に関しては
YouTubeをブログに貼り付ける;リピートさせるを参照のこと。
なお、画像のURLはYoutubeで直接アクセスするアドレスの最後の
部分で、この記事のwww.youtube.com/v/XXXX&hl=...の
XXXXを置き換える形にします。
そうしないと余計なものが出てうまく制御できません。
さらに補足:ローカルにhtmlを起動すると「s.ytimg.comと通信しようとしている」という警告が出ますがs.ytimg.comとはyoutubeの事なので
特に問題はなく、[ok]をクリックすれば再生はできます。
縦画面は残念ながらEdius5.5ではとんでもなく難しい作業(画面転換の機構
をごまかして使う)となるのでAfterEffectsで行いました。
横用の出力であるMPEG2画像を取り込み、
トラックラインのトランスフォームで回転を-90度とし、サイズを調整する
のみです。
出力はMPEG2はないのでAVI、シネパック(デフォルトです)で
行いました。
この形式は以前はYoutubeでは受け付けてくれなかったのですが
現在は大丈夫なようです。
余談、雑談、踏み外し
サバンナで進化したはずの人間がなぜこのような「水面認識能力」を 持っているのでしょうか?
ひょっとしたら ◇怪しい仮説vs怪しい反論:水棲人類説をめぐって のように人間は水辺で進化したのではないでしょうか?
チンパンジーが水を怖がるのは、
森で進化したチンパンジーはこのような認識機構を持ち合わせて
いないからではないでしょうか?単に「水」が嫌いなのではなく、
水面をうまく把握できないため
怖いのです。
それに対し、水辺で進化した人類にはこの水面の反射を認識する
仕組みを獲得したので、赤ん坊でさえ水遊びが大好きなのです。
う~ん。水棲人類説、魅力的だなあ。。。
いえ、信じてはいないんですよ。けっして。
と、言いつつ、、犬は水面を認識するけど、猫は認識しないかも知れない、、、とかとか 妄想は広がります。研究者なら実験可能かも
左右反転と上下反転:「鏡の謎」の謎
以前の記事◆「鏡の謎」の謎;"左右反転"は知識か直感かで
「鏡でなぜ左右は反転するのに上下は反転しないのか」と
いう問いは、単に「そういう知識があるだけ」ではないか
と述べました。
しかし、ひょっとすると、左右は反転した像と認識するのに対し
上下の場合はその像を認識するより水面のような面を
強く認識してしまうことがベースとしてあるのではないかと思えてきました。
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