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♪タイタン

TVで京都での料理の会話
 「これ何ですか?」
 「お豆さんのタイタンどすぅ」
の"タイタン"を聞き手が理解できませんでした。


 「タイタンって何ですか?」
 「煮物どす」
 「京都では煮物のことを"タイタン"と呼ぶんですね」
と何やらおバカなやりとりが展開されます。

もちろん「タイタン」ではなく「炊いたの」-「炊いたん」どす。


京都アクセントではギリシャ神話の「タイタン」と同じく先頭が高くなります。

京風「炊いたん」どす

関東風「炊いたん」です

恐らく「タイタン」の干渉によって「炊いた・ん」という二次表現ではなく、特別な 単語と受け取ってしまったのだろうと考えられます。

とはいえ、
・「の」が「ん」となるのは理解可能なはずで、
・料理の話なので
「炊く」、「炊いた」という言葉も予測不能ではないはずどす。

東京弁で喋っていた中でこの「タイタン」のみ京都風に話されると 誤解する可能性は高いのですが、「タイタン」の出現まで長く京都弁 を聞いているので、その流れのなかで「炊いたの」と聞き取れて 当たり前だと思います。


「聞き間違い」を起こすことは良くあります。

人間の言葉の聞き取りは極めて複雑な行為です。
純粋に音の分析によっているのではなく、本来の文脈や周辺の 状況、知識に基づく推測が大きな部分を占めます。
この推測は無意識のレベルで行われるもので、以前も述べた事が ありますが、「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」で実証される ように、字を見ただけでも音そのものが違って聞こえるといった ことが起こります。
今回のものは「空耳」とは若干異なりますが、本来文脈 から予測されるはずの「炊いた」より強く「タイタン」が 適用され単語として認識されたため、修正が不可能に なってしまったもので、恐らく"意識"でこれを修正 するのは困難なことなのだと思います。

もし仮に聞き手にギリシャ神話の「タイタン」の単語知識が なかったとすれば、恐らくこの言葉は正確に「炊いたん」と 聞き取ったはずです。
あるいはアクセントが関東風の頭が低い形であれば「炊いたん」 と聞き取ったことでしょう。

などと書いている内に僕も段々 「タイタン」が強くなり、 「炊いたん」と思えなくなってきました。
一旦そう聞こえると、分っているのに修正できない。


以前TVで各社の電気炊飯器で炊いたご飯の食べ比べを行っていました。
「タイタンの戦い」といいます。

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ちなみに「炊いたの」と「煮たの」は少し違って「炊いたの」とは水に投入した状態から温度を上げていったものです。 「煮たの」だとお湯の中に投入してもよい。
なので「お豆さんの炊いたん」は「お豆さんの煮物」より少し詳細な表現です。

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京都の方ごめんなさい。「どす」を付けさへすれば京都弁に見えるというものでは 無いことは十分わかっています。
なんでも「ぜよ」と付ければ土佐弁になる訳ではないのと同じですよね。

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この記事は 酔歩惑星からの引っ越しです。少しだけ考察を付けました。

### 2011/6/4
TOSHIBAの Studio ToSpeekサービス を使って、京風と関東風のアクセント音声を作りました。
女性の声にしたかったのですが、なぜか女性の声では うまくアクセントが付きませんでした。

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その後、この記事と同じような記事が幾つかあることに気が付きました。
この記事を削除することも考えましたが、音声比較を載せている記事は なさそうだったので、残すことにしました。

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