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◇形容詞と形容動詞は逆である

 「彼女は明るいだ」はなぜ変なのか?

形容詞、例えば「明るい」など、には断定詞(だ、です)は付きません。 最近は「です」は付くようになっては 来ていますが、 さすがに「だ」は無理があり、「彼女は明るいだ」は許される ようにはなっていません。

なぜ「彼女は明るいだ」が変な感じを受けるのでしょう?

断定詞「だ」には英語でいうbe動詞に近い機能を持ちます。 例えば「光は波だ」といった形で使えます。

「形容詞」はどのように使うものでしょう。

「彼女は明るい」というようにそれ自体で直接状態を現す 機能を持ちます。
英語を持ち出すのは抵抗がありますが、「明るい」には be動詞「is」が含まれているようなものなのです。 「は」は論理構造を示しますが 動詞的な機能を持つ訳ではありません。
「明るい」は純粋な形容詞ではなく動詞的機能を内在する 形容詞、言わば形容詞動詞なのです。

つまり「彼女は明るいだ」を無理やりSVO式で現せばS(VC)Vの形 Vが2個ある形になり、強い違和感が生じるのです。
動詞を用いた「私は東京に行くです」が強い違和感を 与えるのと同じです。
(地域に よっては「SVV形式:オラ東京さ行くだ」が許される 所もあります)

 「彼女はほがらかだ」形容動詞

形容動詞と呼ばれるものがあります。

「彼女はほがらかだ」、「ほがらかな人」といった使い方をします。

確かに何かを「形容」する、あるいは状態を示す言葉です。

しかし、この言葉のどこに「動詞」の要素(心)があるというのでしょう?

形容動詞はbe動詞的要素(心)を一切持たないから、断定詞が必要と なるのです。
明るい(形容詞)とほがらか(形容動詞)を並べてみましょう。

  • 彼女は明るい
  • 彼女は明るいだ(重なり感あり)
  • 彼女はほがらか(不足感あり)
  • 彼女はほがらかだ
「彼女はほがらか」は文として足りない感じがすることが分かると 思います。これは「ほがらか」は純粋な「形容詞」であって動詞の 機能を持たないからです。

つまり、一般的に言われる品詞は、機能を考えると

  • 形容詞と形容動詞が逆
なのです。
名詞を直接形容するかという点では「明るい」は形容可能であり、 「ほがらか」は「な」を付けないと形容することはできません。これで困ってしまって こんなヘンテコな命名となってしまったのでしょうかね。
動詞と同じく活用があるから「形容動詞」にしちゃえ。
ってそりゃないでしょう。「動詞」というのは活用するかどうかではなく、 単語の持つ機能でつけた名前です。
今さら変えられないと言えばその通りですけど。

 余談:色の形容・詞

日本語で残念なのが、色を現す品詞が混乱している事です。
以下では間違った命名ではありますが、一般的に言われる「形容詞」 「形容動詞」という品詞名を使います。

空は青い・青い空形容詞
葉は緑だ・緑の葉名詞
顔は真っ青だ・真っ青な顔形容動詞
真緑(不可)

品詞としては形容詞ですが、「黄」や「茶」はそのままの形では 形容詞とならず「色」を付けた「黄色」「茶色」となります。
「真っ黄色」は許されても「真っ茶色」は許されません。

歴史的には「赤」「青」「白」「黒」があり、そこに「黄色」や 「緑」が加わったものと思われます。
「黄色」形容詞として馴染みましたが、「緑」は未だに 形容詞化/形容動詞化されておらず、シルバーやグリーンなどと同じ 「名詞」扱いであるのは驚くべきことだと言えます。
「グレーな領域」などと外来語に追い抜かれてしまった感じ すら受けます。

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