◇範囲格格助詞「の」
「の」は範囲格を与える格助詞です
「の」は範囲を示し、後ろに続く体言相当がその範囲内に限定
されます。範囲とは空間の場合もあれば概念的なもの、
あるいは条件の場合があります。
「の」で範囲をつなぐことにより、徐々に範囲を狭くしていく
ことができます。
例えば
- 雪 「の」 結晶 「の」 構造中 「の」 水分子 「の」 2つ 「の」 水素 「の」 角度 「の」 おおよそ 「の」 値は105度です
「範囲」として「2つ」や「おおよそ」と言った抽象度の高い要件を指定 することができることにも注目してください。
「の」は範囲/条件をどんどんと狭めていける論理学的で便利な格助詞です。
しかし、往々にして連ねすぎで結論までが遠くなり人間が解釈
するのに心理的負担が高まりがちな点は注意が必要です。
上の例は限度を超えているでしょう。
範囲のかかり方が複雑化しないように注意する必要もあります。
例えば、
- 彼女の家の話
「の」の使用法の注意点として連結個数が挙げられることが多いのですが、 注意すべきなのは範囲が順次狭くなる形で使うべきであることです。
「の」は所有格ではありません
日本語学者の中には英語との類推で『「の」は所有格』だとする意見があるようです。
それは完璧な誤りです。
日本語学の中には英語の方法論を持ち込んだための無数の
誤りが
あります。
「の」を所有格とみなすべきではありません。
そもそも、英語の「所有格」も語弊のある命名だと考えています。
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