■動画で見るFM電波と縦波の違い
波と波変調と密度と移動
FM電波の説明図では、波の密度が縦波の媒体の密度と同じように見えてしまいます。
この為、FM波は縦波(疎密波)だと間違って説明されることがありますが、FM波は縦波(疎密波)
ではありません。
縦波とFM波は一見似たような疎密の変化をしますが、縦波は媒体はその場所
で震えるだけで疎密が波として進行するのに対し、
FMでは疎密を構成する搬送波そのものが進行しています。
[バネ]にチェックを入れるとバネを伝わる縦波の表示となります。
バネの表現が波と紛らわしく、これで動きが無ければ画面上区別は
付きません。
[動き]のチェックを外すと止まります。
(FM波は作図の都合上、上下の位置変化で波を現していますが、実際には位置の変化 ではなく方向を持った値の変化です。 進行しているのは波であって電場や磁場ではないことも認識しておく 必要があります。図では位置が変らず上下に伸縮みする棒でこれを現しました。)
言うまでないと思いますがFM(Frequency Modulation;周波数変調)
は波そのものでは有りません。
波の周波数を変化させているのです。
FMには基本となる波があります。信号が無い状態でもこの基本の
波は出続けています。
波に疎密が乗っているのであって、
疎密が波を構成する疎密波ではないのです。
上の図で[信号]のチェックを外すと信号
を乗せない基本の波が表示されます。
縦波は「疎密」が波そのものであり、波が波として進行していく 原動力でもあるのですが、FMの「波の疎密」は波の原動力では ありません。
垂直偏波と水平偏波
もう一つ誤解を呼ぶ要素に偏波(偏光)があります。
電波(光)進行方向と直交するベクトルを持ちます。
ベクトルの向きはぐるりと360度
あり得るのですが、1方向に偏らせることができます。
光であれば「偏光」電波なら「偏波」と呼びます。
この方向はアンテナの起電力に直結し、アンテナの形状に より特定方向に偏波した電波を拾うようにできます。
例えば水平に偏波した電波と垂直に偏波した電波なら 同じ周波数でも受信し分けることができるのです。
現実に偏波方向を変え同一周波数で多重に行う放送はありませんが、 隣接する局などとの混信を防ぐために、垂直、あるいは水平偏波 とする場合があります。
垂直と水平、縦と横、確かに誤解しそうです。
縦波、横波、光の波、水面の波
この記事は ■光はいわゆる横波ではない;光の振幅とは の派生記事です。
水面の波も横波ではありません。
水面の波に関して■動画で見せる横波縦波と水面の波 と
■動画で見せる液面波:体積保存モデル
に記事を置きました。
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2012/6/20:
iPad対策でFlashが無い貧弱なブラウザの場合静止画を
出すようにしました。
2015/3/6:
Flash無し対応を変更
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