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▼動画で見せる黄金比と白銀比の仕組み

四角形の一部をある約束にそって切り取ると残った部分が前の四角形の 相似形になっている辺の比率に白銀比(シルバー比)と黄金比があります。

シルバー比/白銀比という呼び名はおそらく黄金比に対抗するために付けたもの で、一般的に通じるかどうかわかりません。用紙のサイズの比率です。

用紙は長辺を半分に折っても同じ比率となるようになっています。
A3用紙を半分にするとA4になりますが辺の長さ比は同じで、A4を半分にしたA5 も辺の長さ比は同じになります。

黄金比は、短辺の長さの正方形分を削除すると、残りが元の比率を維持する ものです。

四角の辺の比

 黄金比は本当に美しいか?

黄金比は美しく安定性を感じる比であると言われます。
本当でしょうか?

一体誰が、いつ、どのように調べたのでしょう?

どのような調査に基づくものかの記述を見ることは全くありません。
誰も根拠を示さない常識程怪しく危険なものはありません。

黄金比(1:1.618)は、本当に16:9(1.7778:1)や1: (1:1732)より美しいのでしょうか?

一度ちゃんと調べるべきだと思います。

パルテノン宮殿の話はいくらなんでも線の引き方 が恣意的すぎます。あんなやり方なら 1:だって、 1:、 16:9だってどんな結論でも 引き出せます。ビーナスにいたっては何と何の比で あるかさえいい加減になっている。
そもそも、長い歴史の中から恣意的にサンプルを抜き出せば どんな結論だって導き出せます。恣意的なサンプルについて恣意的な 調べ方をしているだけであり、到底信じるに足るものではありません。
もし、本当に黄金比が美しいものなら、画家はなぜ黄金比のキャンバス を選択しないのでしょう?画家が黄金比を知らないから?その意見は まさに「黄金比が美しい」というのが、自然な感覚ではなく、知識に 過ぎないと言っているのと同じです。
(個人的には1:3が美しく見えます;黄金比 はどうも寸詰まりで、黄金比よりは16:9の方がバランスがいい。根拠のないガセ常識 に惑わされなかったハイビジョン開発陣を称えます)

 なぜ縦は長く見えるか?

同じ比率でも、回転させてみると、縦が長く見えます。これはなぜでしょう? 街頭のCMディスプレイでも16:9を縦にしたものは普段みるTVの横長の16:9 より長くなっているように見えます。

昔の4:3のテレビのサイズも1:1では縦長にみえ4:3程度でちょうどつり合って 見えるからというような事がどこかに書かれていたと誰かがいっていたと 聞いたことがあるような気がします。

ノートパソコンでこの記事を見る場合、90度回転させると、完全に同じ 図形なのに比が違って見えることが分かります。

 シルバー比と黄金比を算出する

(1)シルバー比

シルバー比は次のように導き出されます。

(2)黄金比

黄金比は次のように導き出されます。

 シルバー比と黄金比を算出する(MathMLによる数式)

以下にMathMLを用いた数式を載せます。残念ながらMathMLをサポートしていないブラウザでは 無意味な項目の並びが見えるだけとなります。
MathMLに関しては HTML5,MathMLを使ってみるを参照してください。
なお、前項の数式は本項の表示をキャプチャして編集したものです。

(1)シルバー比

シルバー比は長辺をx、短辺を1とすると次のように現されます。 x1 = 1x/2

右辺の分母、分子に2をかけると x1 = 2x

両辺にx をかけると x 2 = 2

即ち x = ±2

となります。比は正の値なので+を採用します。 x1 = 2 めでたしめでたし。

(2)黄金比

黄金比は長辺をx、短辺を1とすると次のように現されます。 x 1 = 1x-1

(x-1)を両辺にかけます   x 2 - x = 1

両辺から1を引くと次の2次方程式となります。   x 2 - x - 1 = 0

2次方程式   ax 2 + b x + c = 0 の解は x = - b ± b 2 - 4 a c 2 a なので、a=1,b=-1,c=-1を当てはめると x = - -1 ± -1 2 - 4 × 1 × -1 2 × 1

即ち x = 1 ± 5 2 となります。

分子が分母より大きいはずなので+を選択し x 1 = 1 + 5 2 となります。めでたし、めでたし

MathMLのコードを示します。

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この内容は当初 ◆3:4:5と1:2:√3と3角定規とTVと黄金比と に追加しようと考えたのですが、「◆3:4:5と1:2:√3と3角定規とTVと黄金比と」は 3角形を主眼にし、かつ割合を固定的に目に収めたい記事なので、別記事にしました。

この記事のもう一つの狙いはHTML5のcanvasで作ってみることでした。 HTML5:video要素試験HTML5,MathMLを使ってみるの一環です。しかし、結構大変だったので 断念しました。数値的に図形を決められるので 簡単な問題のはずなんですけどねえ。やっぱりFlashの方が 圧倒的に簡単です。慣れだけではないと思います。
ちなみに冒頭の動画はAS3を使わずタイムラインに図形を置きモーショントゥイーン でつないだだけのものです。
canvasは時間を見てトライします。

### 2010/7/12

* 単純な白紙の上の黒い線で示していましたが、バックグラウンドを付けました。

* 単純文字だった「シルバー比」「黄金比」をphotoshop画像に置き換えました。

* 動きの異なるパターンを組み合わせ、かつ一部のパターンの図形分断部に音を 付けました。

### 2010/7/15

* シルバー比、黄金比を導き出す方法(MathMLによる式)を追加。
* 1+m:1=1:mからの導出をx:1=1:x-1からの導出に変更
* シルバー比の導出法をb/a=a/(b/2)の形からx/1=1/(x/2)に変更
* 当初の導出式はb/aと言った形での導出の方が直感に訴えるかと思ったのですが
  結局普通の形(とはいえ分母1を入れた)にしました。

### 2011/1/25

4つの四角の図を 1:3を含む ものに置き換えました。

### 2011/12/30

mathmlに色指定を入れた。

   <mfrac mathcolor="red"><mi>x</mi><mn>1</mn></mfrac>
ただし、画像は古いまま。

### 2012/08/24:プラチナ比をシルバー比に

当初1:2比をプラチナ比と 呼んでいたのですが、一般には1:2 を白銀比(シルバー比)、3 を白金比(プラチナ比)と呼ぶことが多いようなので、本記事もそれに従うことに しました。

### 2015/03/06:Flash無し対応処理変更

Flash無しの時に警告を出していたページが無くなっていたので、 自前の文字列画像に変更。
ついにFlashは「無いと言う」ことさえ「無い」状態に。

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