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◇格助詞「に」と「を」の違い

格助詞「に」と「を」は明確な違いを持つ言葉であり、 一般的に誤用されることはまずありません。

この2つは

  • 「に」は対象地格+舞台格
  • 「を」は直接対象格
です。

例えば、

  • 階段にのぼる(めったにありませんが)
  • 階段をのぼる
では、「に」は階段が対象地(目的地)+舞台であり、「を」では、 単なる対象であることが分かると思います。

上の例は、意味的に「に」も「を」もありうる場合ですが、
最近民放TVで気になるのが

 「ボールが民家の窓"に"直撃」

という言い方です。

"に"というのは「目的舞台」を現します。
「あたる」であれば、窓なら窓という舞台でそれは起りますので 「ボールが民家の窓"に"あたる」という言い方は正しい表現です。

しかし「直撃」というのはその直接の対象となる舞台、例えば「窓」 で起るのではありません。回りの空間を含めた空間の中"で" その対象"に"起るのです。回りを考えるからこそ「直」なのです。
従って、舞台をそこ、例えば窓に、制限する「に」を用いるのは 正しくないのです。

この場合は、直接対象格である「を」を使い 「ボールが民家の窓を直撃」というべきなのです。

「自動詞」か「他動詞」かという観点でみると、自動詞は直接目的語 を取りえませんのでそれの起こる対象舞台を「に」で指定し、他動詞は 直接目的語を「を」で指定します。
例えば、「当たる」は自動詞なので「に」を使い「窓に当たる」となり 「たたく」は他動詞なので「窓をたたく」となります。
「直撃する」は他動詞なので「窓を直撃する」となります。「直撃する」 を自動詞と見なすことが絶対に許されないとまでは言えませんが、 抵抗を感じます。

そして、どうも世間一般の人と NHKは「を」を使い、民放のTVアナウンサーのみが「に」 を使っているように見えるのです。
もちろんこれは調べつくした訳ではなく、あくまで気がついた範囲での「感じ」です。

「ら抜き言葉」などの取り扱いを見ても、世間一般の人は 日本語をより明確な使い分けを持つ合理的なものしようと しているのに対し、 マスコミはより曖昧で使い分けの少ないものにしようと しているように感じられます。 (言葉の使い分けを無くす というのはある意味ではマスコミとしての合理なのかも しれませんけど)


2018/08/28 関連記事を "◇「に」と「を」ー2"に追加しました。

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もちろん、もし世間一般が「に」を使うのであれば、それが正しい日本語 であり、普通の人がしゃべる分にはどうあっても大した問題ではありません。

でも、耳にしません。「直撃」という表現自体を普通使わないですしね。

「バールのようなもの」とか「緊張の色を隠せない」とか「水銀柱がうなぎのぼり」 だとかマスコミ以外では聞くことのない言い回しは沢山ありますが、 それに近いマスコミ用語+マスコミ文法なんでしょうかね。

ついでにいうと、
最近TVなどで気になるのが、アポイントを取らずにインタビューすることを 「直撃」と表現すること。
とても下品な表現だと感じます。
「誰それにお話しを伺ってまいりました」でいいではないですか。
コンビニ言葉やファミレス言葉、若者言葉の批判が良くマスコミでなされますが、 その前にマスコミ言葉をなんとかして欲しい。

「に」と「へ」に関して ◇格助詞「へ」と「に」の意味 に記述しています。

 余談:漢字と日本語のミスマッチ

昇る、上る、登る、日本語としては一緒なんですけどね~。 この記事では「のぼる」にしました。
(余談のさらに余談:昇るなど自動詞だと思えるんですが 日が東の空'を'昇るなんて書けるのかな?)
(余談の更なる余談のそのまた余談:自動詞が自・動詞 でなく自動・詞に見えて仕方がない。勝手に動く言葉かい)

あぶらだって、油と脂に分けるのはどうも気に入らない。

声をあげるのも、手をあげるのも一緒にしたい。

 山

一般登山客は山"に"登りますが、山男は山"を"登ります。

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