◆雪の結晶は回転が作る
雪の綺麗な6角形の結晶はどのように形成されるのでしょう?
「分子の構造で6角形の結晶ができる」という単純
なことではなく、
回転が大きな役割をしていると考えています。
まず、一般に言われる分子の構造から自動的に綺麗な6角形の
結晶が出来る説から始めましょう。
水の分子構造 H-O-H において角度が105°になって
いるので6角形になるというものです。
数が合わない

一般的な説明を聞くと、右のような感じで6角形が並んだものだと思ってしまいます。
角が105°でなく120°になるのは、ちょっと酸素が手前に来るなど凸凹が あればよいので問題ではありません。
が、ちょっと考えれば分かる通り、この図のような平面配置は無理なのです。
この配置では酸素と水素の割合が1対1.5になります。
酸素の数と水素の数は1対2のはずです。
補足:一つの6角形だけを見ると酸素、水素とも6個ある。
しかし、酸素は3つの6角形で共有され水素は2つの6角形で
共有されている。即ち全体では6角形あたり6/3個の
酸素6/2個の水素を持つことになる。2対3、つまり
1対1.5となる。
空間に収められない

図では酸素に3本の手が付いています。
H-O-Hのはずなので、もう一本はなんでしょう。
H部は電位が+に偏りO部は-に偏っており、その間に働くクーロン力 による結合、水素結合です。
この結合が全体にわたって成り立っているのでしょうか?
それはありえません。
水素結合から共有結合のルートを考えると、1本が2本に、2本が4本に、 4本が8本にと2のn乗で広がります。
2のn乗で発散していくものを平面(nの2乗空間)、立体(nの3乗空間)に 収めることは出来ません。
空間に収めるためには、酸素が2個の水素と水素結合するなり、 あるいは水素結合をしない水素が半分であるなり、それらの 中間であるなりの条件が必要です。
実際には酸素が2個の水素と水素結合 し(共有結合を入れると一つの酸素が4つの水素とつながる 形)、平面ではなく正四面体(酸素を中心に置くテトラポッドの様な形) を形成する傾向を持ちます。テトラポッドを積み上げても 雪にはならず普通の氷となります。
回転力により押し広げられ、しかも回りに平均的に広がった形になる
雪は回転しながら落ちてきます。
そして、雪の美しい6角形の結晶の秘密はその回転にあるのです。
結晶は細かく見れば平面ではなく立体的な正四面体のつながりですが、 回転による遠心力、空気とのまさつ、生長点の平均化で偏りなく点対称に成長し、薄い板状になるのです。 細かな造作は分子の性質により円ではなく6角形となります。
回転を与えず実験室で作った結晶はけっして綺麗な6角形を形成 しません。
穏やかな環境が綺麗な結晶を生むと言う考えは間違っています。 ランダムに成長する性質を持つ結晶にはそれを整える別の 力が必要なのです。
本当に回転するか
回転します。
空中を落下するものは回転させない方が難しいのです。
しかし、安定した回転が得られるのでしょうか?
想定する回転は盤面に垂直な軸を中心として安定してくるくると回るものです。
さくらの花びらのような不安定なひらひらとした動きではありません。
おそらく盤面は水平に近いかたちで落ちてくるものと思います。
風車(かざぐるま)のような形をしているわけでもないし、 どのような力学作用で回転するのかは今のところ分かっていません。
ぜひどこかで調べてもらいたいと思います。(自分で調べろって?)
###
2018/01/18
煩雑な記述を削除しました。
| 固定リンク