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◆顕微鏡観察イラストとアトムの角

子供の頃どうも画に描かれた物の立体構造が気になってしかたが ありませんでした。

複雑な形状であるにも関わらず何時も同じ形で見えるアトムの角が気 になっていたというのは、 ◆鉄腕アトムの角;単なる機械人形でない証に書きました。

他にも、ゾウリムシは俵虫のはずだと思っていたということも以前書きました。

 細胞の構造も変だ

細胞の細かな構造なども変だなあと思っていたものがあります。

例えば、ミトコンドリア
どの画を見ても、豆を長方向横から切った楕円に描いており、
 ・前から見たら円なんだろうか?
 ・上からみたらどういう形?
 ・切らずに外から見たらどんな形?
と、疑問に思っていました。

例えばゴルジ体 だったっけ?
幾重かに折りたたまれたうどんの生地を包丁で切ったような形。
切り口じゃない側からみたら四角?

どちらも、見る角度によって見え方が違うはずなのに、どの画でも 同じ形になっている。

アトムの角も常に同じ形に見えます。
しかし、アトムの角は手塚治虫の表現であり芸術なのです。

科学のイラストは違います。
どこから見ても同じ形というのは球以外には ありえない。まさに有り得ない画、非科学的イラストだと思うのです。
模式図にしても余りにも変で頭を悩ますものでした。

 「サイエンスZERO」でミトコンドリアの本当の姿が

先々週のNHK教育の「サイエンスZERO」でミトコンドリアの姿についての 話題をやっていました。

なんと!これまでアトムの角のごとく常に同じ見え方をしていた図は、 ミトコンドリアの断面だというのです。

本当はミトコンドリアはサナダムシのような細くて長い形で、その途中の 断面をこれまでミトコンドリアの姿だと思っていたらしいのです。

ここまではさすがに思っていなかったのでびっくりすると同時に 長年の謎が一つ解けてうれしくなりました。

ひょっとして、これまで全く別のものだと考えていたものが、 同じものの見え方の違いにすぎなかった などということもありえるんじゃないかと思えてきました。

細胞内の微小管が実はミトコンドリアだとか。。。

とにかく、科学イラストはそろそろアトムの角を卒業してもらいたい ものです。

少し疑っているのは、ミトコンドリアにしろ、ゴルジ体にしろ、 リボソームにしろ、みんなちゃんと自分で観察して絵にしている のではなく、最初に書いた誰かの絵をなぞっているだけでは ないかということです。(この記事に付けたインチキイラスト と大差ないレベルです)
そしてそれが常識となってしまっているので、強い、激しい先入観 を持って細胞を見るため、やっぱり昔の画のように見てしまう。
ちゃんと見ていない。

 ちょっと気になったのが

映像を見ると、無数の糸状のミトコンドリアは、活発に動きまわり、 ミトコンドリア同士がつながったり切れたりを繰り返していました。

糸全体が一個体ではなく、小さいミトコンドリアの集合体のように 見えてしまいました。

TVなので質問もできず。。まあ、一本なんでしょうけど、どうやって つながったり切れたりしているのか。。。

 この画を見たら細胞内共生説の定着には時間がかかったかも

ミトコンドリアがかつて独立していた細菌が他の細胞内に共生した ものだ、というのは間違いないでしょう。

でも根拠というか発想の元に、その姿が細菌に似ているというの もあったと思いますが、映像を見る限り、ちょっと違いますよね。
ひょっとしたら正確ではないイラストが、共生説を生み出す力 になったのかも。

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