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◇静電気:進歩の止まった科学世界

 色々なものの摩擦による帯電

木綿の布で下敷きをこすると下敷きがマイナスに木綿がプラスに 帯電します。
木綿と板ガラスをこすると今度は木綿はマイナスに帯電し、 ガラスがプラスに帯電します。
石綿とガラスをこするとガラスはマイナスに帯電します。

同じものでも組み合わせる相手によりプラスになるか マイナスになるかは変わるのです。

 帯電列(の例)

摩擦によりプラスになりやすいかマイナスになりやすいか を並べたものを「帯電列」といいます。

一応参考までに帯電列を以下に載せます。ただし、帯電列は 調べ方や、調べるものの形状によっても少し変わるため、 決定的なものはありません。ここに上げる表も、実は 複数の表を合成したものです。その際、矛盾している 部分は適当に割り当てました。 おおよその目安にすぎないと思ってください。

(+に帯電しやすい)
アスベスト
毛皮
ガラス
雲母
ウール
ナイロン
鉛
絹
木綿
麻
木材
人の皮膚
亜鉛
アセテート
アルミ
紙
エボナイト
鉄
銅
ニッケル
金
ゴム
ポリスチレン
白金
ポリプロピレン
ポリエステル
アクリル
ポリウレタン
ポリエチレン
セルロイド
セロファン
塩化ビニル
テフロン
(マイナスに帯電しやすい)

この表の物質を2つ取り出し摩擦すると、「プラスに帯電しやすい」側 のものはプラスに帯電し、「マイナスに帯電しやすい」側のものは マイナスに帯電します。
例えば木綿と塩化ビニルでは木綿がプラスに、塩化ビニルがマイナス に帯電します。

 本題、なぜ理由が未だに分からないか

この帯電列が、なぜこうなるのかは全く分かっていないらしいのです。ごくごく単純な 物質同士であれば電子軌道から導かれる電気陰性度の差ということで済むのですが 毛皮と絹の差、形状による差といったレベルになると分からないのです。

「分かっていない」ということを知ったのは、ん十年前、子供の頃です。

それが未だに分からないままだというのには驚いてしまいます。

ひょっとしたらと疑っているのが、既にきちんと分かっているにも 関わらず、「分かっていない」というのが常識となってしまって いるため表に出てこないのではないかということです。

まあ、帯電以前に摩擦そのものがとても難しくて解析不能の ようなので、本当に分かっていない可能性も十分あります。

そもそも、静電気の現象が、難しい以前に、全く興味を持たれていない ということもあるかも知れません。

 摩擦とは、帯電とは (妄想)

摩擦というのは、微小領域の結合と分離の繰り返しです。

この結合というのは共有結合に近いもので、近接した分子間で 電子の行き来がある状態だと考えています。

電子は互いに相手の分子の軌道に乗るのですが、その割合には 差が出ます。

片方に移っている間に物質は引き剥がされます。
電子の存在確率の空間の変化はほぼ光速で伝わりますが 電子の動きはとても遅く、取り残されるという表現も さほど間違ったものとはいえません。(量子力学的 関数の観点では引き離される時点で初めてどっちにいたかが 明確になります)

結合状態でどちらに電子の存在確率が高いかによって プラスになる物質、マイナスになる物質が決まります。

と、多分こんな仕組みなのですが、この電子の存在 確率空間が、巨大な布や下敷きの微小領域でどのように なるのかは、今の所分からないわけです。

ちゃんと調べる気があるなら、今なら、分かると思うんです けどねえ。。。。

 金属との摩擦による帯電?

金属も摩擦によって帯電するんですねえ。あんまり考えたことなかった。 例えば、アクリルの筒を回転させながらウールと摩擦を起させて アクリルに帯電させたものから、銅の電極で電子を拾い出すこと ってできるんでしょうか?というかできるんですけど。。 銅とアクリルの摩擦による帯電ってどういうことになるんでしょう?

 エレキテル

平賀源内のエレキテルはガラスと、和紙+皮+金箔の摩擦だ そうなのですが、電気を作っているのはガラスと何なんでしょう? 和紙?皮?金箔?おそらく金箔はできた電気を流しさるため のものなので和紙?皮?
ガラスに帯電するのはプラス?マイナス?
ネットで調べると、この辺り何も言ってないんですよね。
まあ、プラスなんでしょうけど。

 余りにも悲しすぎる現実

静電気を使った科学実験は子供向けの科学入門用に行われます。
しかし、子供が興味を持ってドアを開けると、そこには単なる壁 があるのが現状のようです。
何もわかっていない。エレキテルの世界なのです。

出て来い!量子摩擦力学。

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