■たっぷり宇宙ステーション5CG動画;2001年宇宙の旅
「2001年宇宙の旅」の宇宙ステーション5だけの5分弱の CG動画を作成しました。 演奏は 「音楽ボランティア」アンサンブル荒川です。この演奏には僕もコントラバスで 参加しています。
同じものをYouTubeでも見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=8OD7YZxca3Y
こういうものを作成してみると、ステーション5のデザインの素晴らしさが
良く分かります。
片側の輪が建造中であるため、単調な絵にならず、色々な姿を見せること
ができます。
輪の回転もよりはっきりとします。
回転する輪のなんと魅力的なことでしょう。
映画ではわずか2分弱しか写らないのが残念です。
シーン解説
各シーン/カットの説明(言い訳)です。
右の画像をクリックすると1920×1080の拡大画像が出ます。

導入部-1
予告編に出てきたシーンに触発されて作成しました。
とは言え、大まかな感じを踏襲しただけで、太陽の向きや
カメラの動きは異なっています。
手違いで回転速度が落ちてしまいました。しかし、これはこれで
曲に合う感じがする
のでそのままにしています。レンズ焦点距離は広角ぎみの40mmで撮って
います。50mmがデフォルトです。
導入部の最初の3カットはCGプログラムのバグにより輪のバンプマップが
壊れています。

導入部-2
回転する輪の片方の駆け上がるような動きを見せたいため、
鉄骨部のCGモデルの作りこみ不足をあえて無視して作成
しました。この作品がリアルさを狙っていない
ということを示す役割ももっています。
レンズは38mm広角ぎみにして軸からスポーク、輪の関連を強調しました。
完成している輪の居住部の窓壁にあまり望ましくない太陽の
光を当てたのは前のカットとのつながりを良くするためです。
回転速度は導入部-1での手違いを引きずり遅いままです。
ここは少し速めの方が効果的であると考えています。

導入部-3
ステーション5の「王道照明」による絵です。建造中の輪の側
から光を当て、完成輪の側から撮影します。居住区の窓壁に
太陽光があたらないため、窓の明かりが効果的に見せられる
上、モデルの作りこみの荒さを誤魔化すことができます。
レンズはデフォルトの50mmです。
CG素材の回転速度は遅いのですが最終ビデオ編集で時間を短くし
て若干回転速度を上げています。

導入部-4(ワルツ)
がらっと雰囲気を変えるために挟み込んだカットです。
これは「第一ワルツ-3」の方向を変えただけの単純な焼き直しです。
最後に速度が若干落ちて見えるのは、合成時に徐々に
ステーションのサイズを大きくしているにもかかわらず
移動速度を一定としているためです。曲とも合うので
そのまま採用しました。
CG素材は第一ワルツ-1の流用で、合成時に若干の色合い調整を
行ってあります。
ちょっと長すぎかも知れません。

第一ワルツ-1
軌道の高さ的にありえない絵です。太陽の
照り返しのある地球をバックに置きたくて作りました。
バックとの照明の調整は合成時ではなくCG素材レベルで
行っています。
レンズは110mmで遠くから大きめに撮影し、合成時に縮小しています。
導入部-4、第一ワルツ-3はこの素材の流用です。

第一ワルツ-2
「第一ワルツ-1」と「第一ワルツ-3」を直接つなぐと、地球が突然
傾くような動きに見えるのでこのカットを挟みました。
建造中の輪の側からのショットが欲しかったという理由もあります。
地球からのパンアップではなく単純に星空をバックとしていました。
つなぎのカットとしては星空をバックの方が良かったと思います。

第一ワルツ-3
太陽光のレンズフレアの中から飛び出ててくる絵が
欲しくて作りました。
CG生成素材は「第一ワルツ-1」と同じで合成で
別の絵となっています。
ステーションが地球と重なるところまで作ってあります。
タイミングの関係でその手前までしか使っていません。

第一ワルツ-4 (中間部)~第ニワルツ
背景全体を地球とし、ステーション5との色合いの
差を小さくし、なじむようにした画が欲しくて作成しました。
輪を通り抜けるというCGならではの若干あざとい
絵を作りました。
背景に使用した絵を考慮するとカメラはかなり広角と
すべきなのですが、輪と輪の距離感に不都合が出るため
他のカットより逆に望遠(60mm)にしています。
背景の写真がちょっと荒いのが残念です。

第ニワルツ-1 (中間部)
月の淡い照明による絵です。居住部の窓が強調されています。
角度を深くとり奥側の窓の明かりも見えるようにしています。

第ニワルツ-2 (中間部~リピート)
地球の影に入っているという説明のための絵です。
小さな画面では若干分かりづらいかも知れません。
見て把握するのに少し時間がかかると思われるので
本来欲しいと思ったタイミングより長めにしました。

第ニワルツ-3
月を背景にシルエット状態のステーション5です。居住部の窓が
全体の形を示しています。

第三ワルツ-1
建造中の輪の直ぐ横を通り過ぎます。この先、中に入り軸をなめる
ように動き最終的に完成側の輪をくぐるところまで作成してあります。
ただし、軸をなめるように動く部分が若干長い感じがするので後半を切
りました。

第三ワルツ-2
前カットからの流れで、反対方向からの動きとなっています。
太陽の位置は少し変更しました。

第四ワルツ-1
ステーションの回転にカメラを合わす絵です。
普通に回転しているステーションをゆっくり直線的に動く
カメラで撮影する形で生成したCG素材を合成時に逆回転
させて止めています。

第四ワルツ-2
「導入部-2」で見せた駆け上がるような輪の動きの逆の
駆け下りる動きです。
輪に落ちる影を強調したくて、影をぼかさず、かつ光を
強めにしています。

第四ワルツ-3
前カットの繋がりでカメラ角度を変えたものです。
前カットは右の傾けており、次のカットも右に傾けて
いますので、その間に左に傾けた絵を挟んで
流れを作るために入れてあります。
地球を再び見せる目的を持っています。
照明がまずく、かなりのっぺりした絵柄と
なってしまっています。

第四ワルツ-4 (中間部:終了)
最後はやはり「王道照明」でしめます。
最初のカットと最初の「王道照明」カットが左に傾けて
あったので、このカットでは右に傾けています。
最後の打撃音で暗転し、クレジット表示をします。
編集について
あくまでマニア向けにステーション5のCGをずらずら並べただけの
普通に見るにはちょっと疲れる"濃厚な"編集となっています。
ステーション5の出ない地球だけのカットなどを挟み込むなど
の工夫が普通に見せるためには必要です。同素材で別編集版を出す可能性
もあります。
ゆったり見せることを目的としていますので、映画の画面に比べて
圧倒的にスピード感のないものとなっています。
ほとんどのシーンは回転速度、移動速度とも1.5倍程度にするのが適切です。
音楽との絡みは素材長の関係で若干気になる所もあります。
各カット素材は2日もあれば生成できるので作り直すことも可能では
あるのですが、今回はこの形とします。
なお、大きな単位での切れ目は音楽に合わせ、細かいカットはできるだけ
音と揃えないようにしています。
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恐ろしいことに、
だんだんと慣れるというのか、無神経になるというのか、絵が大胆に
なっていきます。
本当はCGに慣れるに従って、徐々にリアルな作品が出来るように
なればよいのですが、逆方向に進んでしまいました。
元々
CGモデルは
せいぜい480×270ピクセル程度を想定して作ってあり、
しかも部分のクローズアップなどはしないつもりのもの
です。
当初の感覚では「導入部-3」や「第四ワルツ-4」の絵が限度で、しかも
これすら明る過ぎます。
CGモデルを精密にした訳でもないのに、徐々に明るく、
しかもクローズアップするよ
うになってきました。当初は「王道照明」のみでしかも補助照明
はかなり暗めにしていました。輪の窓面に太陽光を当てるなんて
とても考えられませんでした。
星の扱いは苦労します。通常のダイナミックレンジの写真では景色と星を
同時に写しこむことは不可能なので、「フォトリアリスティック」と言い訳
して星を隠すこともできなくはないのです。しかし動きを見せづらく
なります。
星を置くとして、どのくらいのサイズにするか。星の明るさはサイズ
で表さざるを得ないので、明るい星は大きくなってしまいます。
画面サイズとの兼ね合いで1920×1080では見える星々が
480×270では消えてしまうので、480×270でもある程度残り、
かつ1920×1080でも不自然に感じない大きさにしなくては
なりません。
最初の頃は例えば
◆三日月号発進!「2001年宇宙の旅」に於ける照明の研究;CGによる検証
のCGなど星は合成しませんでした。
このビデオでも始めは、太陽の写っているシーンには星は入れませんでした。
このあたりも段々と大胆になって来ている訳です。
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2010/3/16:flvの置き換え
400bpsエンコーディングだったflvを650bpsに置き換えました。
ファイル容量の限界25Mに近い24Mになっています。
2010/6/7:参考コマ写真を一部入れ替え
2013/5/26:YouTubeリンクを1280×720版から1920×1080版に変更
2018/03/06:YoutTube画面にカスタムサムネイル設定
2018/03/06:動画をFlashからYouTubeに変更。
2018/03/06:サムネイル上のタイトル文字が、YoutTubeが表示するタイトルと被るため、位置変更
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