◇格助詞「へ」と「に」の意味
格助詞「に」と「へ」は明確な違いを持つ言葉であり、 一般的に誤用されることはまずありません。
この2つは
- 「へ」は単純な目的地格
- 「に」は対象地格+舞台格
あるいは次のように言うこともできます
- 「へ」は対象地(対象体/対象状態)(へ)の移動
- 「に」は対象地(対象体/対象状態)(に)存在する/存在させる/事象を起こす
「そこへ行く」というのは単に移動を意味します。「そこに行く」は 移動しそこを新たな存在地とすることを意味します。
「へ」は移動ですので「そこへいる」という
表現は成り立ちません。「そこにいる」となります。
「そこへ住んでいる」は移動先地としての「そこへ住む」の状態形ですが
使える場面は限られます。「そこへ留まる」の微妙さも移動の概念の
問題です。
舞台格としては「で」もありますが、「で」は対象地格ではありませんので
移動先として「そこで行く」という表現は成り立ちません。
「そこで住む」は住むことが中心ですが「そこに住む」はその場所が話の主対象
となります。
意味的にそれぞれ少しずつオーバーラップします。
しかしそれは「曖昧」ということではありません。
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