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♪乱数の心理;乱数に偏りを感じる心

一様分布のはずの乱数に基づく動作に微妙な偏りを感じることは良くあります。

♪超単純!単音-聴音:今日の音感チェック で聴音試験ツールを作成しました。当初問題の出し方を単純な乱数と したところ、どうにも不自然な偏りを感じてしまい、感覚としての 乱数と合致し、試験に適するように細かな調整を入れました。
上のツールは聴音ツールに調整機能を付け、統計データを表示 するようにしたものです。

 一様分布乱数に基づく事象発生をランダムだと感じるか

なんとなく

  • サイコロで同じ目が続くことは少ない
  • 大砲の弾は同じ地点に着弾することはない
  • 選択テストで同じ答えが続くことは少ない
など、「ランダムに起こる事象で同じことが連続する確立は低い(×)」という 感覚があります。

恣意性の高い選択テストは別ですが、言うまでもなく、本当にランダムに起こるのであれば、 ある事象が発生する確率と、それが発生した後であれば、同じ事象が起こる確率 は同じです。

それは分かっていても、実際に同じことが続くと「あれ?また?」という感じを 持ってしまいます。

 同じ事象が起こる確率

ランダム事象で、同じ事は何度に一度くらい起こるのでしょう?
例えば10の事象があったとして、

  • 同じ事が続いて起こる確率
  • 1回間を置いて起こる確率
  • 2回間を置いて起こる確率
  • 。。。
はどのくらいでしょう。
直感的には、数回の間を置いて起こる確率が一番大きそうに思えます。
実は、続いて起こる確立が一番高いのです。
続いて起こる確立は別の事象が起こる確率は(1/10=0.1)です。
1回間を置いて起こる確率は別の事象が起こる9/10確立に続いてまた1/10の 確立をかけた((9/10)*(1/10)=0.09)、2回間を置く場合は別の事象が2回 起こったあとの1/10なので((9/10)*(9/10)*(1/10)=0.081)です。
このように実は同じことが連続する確立は、間を置くほど下がっていく のです。

下の図は、単純乱数による試験です。一番左が、起った事象ごとの回数で、 一番右が、同じ事象の発生した間隔ごとの回数です。間隔のグラフは一番左 が間無しで、右に行くほど間隔があいています。

なお、真ん中のグラフは、事象の値の差の絶対値です。ゼロ以外は正と負の場合の 加算となっていますので、ゼロが少し小さく見えます。

ツールはFlashで作られており、プログラムはActionScript3で記述されています。
乱数はMath.random()で発生させています。
この関数の精度は不明です。多数回繰り返した場合の分布に偏りはないよう です。しかし、短期的には偏りを"感じます"。短期的な偏りに関しても統計 情報をとってみたいと考えています(未定)。

 確率の偏り感の補正

本当は偏りがないにも関わらず、ある事象が他より多く起こっている感じが することもあります。

ゲームやテストなど、乱数を元に事象を発生させるものは多くあります。
これらは単純に乱数を使っただけでは、感覚的には、偏りの多い不自然な ものとなりがちです。

不自然に感じる原因は事象の記憶にあります。
記憶にある事象が起こると目立ちます。例えば直前の事象は当然強く記憶されて いるため多いように感じてしまうのです。また、気になる事象の出現回数も 偏りがあるように感じてしまいます。

シャッフル

音楽の再生では「シャッフル」と呼ばれる手法が使われます。同じ曲が出ることなく 全体を"ランダムに"一回りするやり方です。

下の図は、シャッフル動作をさせた統計データです。事象の発生回数が一定しているのが 分かります。同事象の発生間隔は、短期のものが減っているのが分かります。シャッフル の切り替えを跨いで短い間隔が発生します。例えばシャッフルの切り替えを跨げば 同じ事象が連続することはありえます。従って短い間隔での事象発生はゼロには なりません。

シャッフル方式は、同じ事象を全く起こしたくない場合有益ですが、やはり 乱数としては不自然な感覚を受けてしまいます。
(設定:1,1,1,1)

一定期間内に一定個以内

シャッフルはシャッフル期間内にただ1度だけ事象が起ります。ただし、 シャッフル期間を跨ぐと一旦制限が外れます。
シャッフルのように固定の期間ではなく、一定長の期間の間に一定個 以内の事象発生を許すという方法もあります。移動窓方式。
下の図は、14回のうちに2回まで同じ事象の出現を許すとした 時の統計データです。

シャッフルにくらべ出現間隔が平坦化されているのが分かります。
(設定:1,1,1,2)

特定パターンの抑止

目に付く事象は出現回数が多く感じられる傾向があります。
同じ事象の繰り返しもそうですし、今回のツールでは、音が オクターブ違うものが続けて出る場合も目立ちます。
また、1回抜いて同じ音が出る場合も気になります。
下の図はそれらを抑止した場合の統計データです。

(設定:0,0,0,14)

実際の設定

いくつかの調整を組み合わせて、最終的に 採用したものの統計データを示します。

同じ音、オクターブ音が抑止され、同一音の出現間隔が少し広くなった上、 音ごとの出現数が少し平坦化されていることが分かります。
なお、調整は統計データを見ながら行ったのではなく、あくまで使用感で行った ものです。
(設定:10,3,4,3)

 最後に

乱数を用いたゲームや試験プログラムは沢山あります。それらを使っていると 同じパターンが繰り返し出るなどの偏りを強く感じることがあります。

人間を対象とするゲームや試験では少し人間の感覚を考えた乱数の調整を行う 必要があると考えています。

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う~ん、ランダム(チャールズ・ブロンソン)
それは違う。古すぎだし。
アムロ、行きます!
だから、違うって。
♪Can you celebrate~?
おい!どこへ行く。

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### 2015.3.6
Flash無し対応処理変更

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