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◆相対論;多粒子同時加速試験(結論!縮むけど縮まない)

多数の粒子が同時に加速したとすると、粒子と粒子の距離は、 静止系に対して縮むのでしょうか?

粒子XとBが静止状態にあり、Xが徐々にBに向かい加速し、 最後にBと衝突するとします。

Xが動き始めてからBに衝突するまで、Bの静止時間でtb、 Xの時間でtxとします。 (相対論の効果を考慮するとtbとtxは同じではありません)

粒子YとAが静止状態にあり、Yが徐々にAに向かい加速し、 最後にAと衝突するとします。

Yが動き始めてからAに衝突するまで、Aの静止時間でta、 Yの時間でtyとします。 (相対論の効果を考慮するとtaとtyは同じではありません)

これら2つの結果にはそれぞれ何の問題もありません。
もし、XとYの加速の程度がたまたままったく同じであった場合、 A,Bの立場、X,Yの立場に差はないので
 tb=ta
 tx=ty
となります。

2つを並べるとどうなるでしょう?

隣に何がいるかによって位置が変化するはずはありません のでA,Bは静止状態で、X,Yは互いの距離を保ったまま それぞれ移動することになります。

途中の加速は別にして、衝突時、図はA,Bの静止系なので、 相対論的にはX,Yの距離は縮んでいる はずです。

とすると、BにXが衝突するより先にAにYが衝突するはずです。

tx,tyの関係はともかく、tb,taの関係は
 tb>ta
となるのです。

2つのセットの関係[Y-A][X-B]の位置関係を[X-B][Y-A]に変えると
 tb<ta
になります。

他の粒子の存在によりデータが変わってしまう、このようなことは 起こりえません。

試験データは、「空間が縮まない」ことを表すものになります。

では相対論は間違っているのでしょうか?

いいえ、相対論が間違っている訳ではありません。

2010/9/1:
空間に関するローレンツ変換式を導き出し、本記事の内容を もう少し精密にした論を、 ◆長さに関するローレンツ変換式を導く◆加速とローレンツ変換:縮んでない状態から縮むかと に置きました。

 ローレンツ変換による空間の縮みの適用法

特殊相対論の基礎となった ローレンツ変換は、2つの空間の1点をそろえ、そこから演繹していく 変換です。
この設問のように空間の2点で同時に考えるものではないのです。

例えばAとYが衝突した時点(時と位置)を基準にしたローレンツ変換では まだBとXが衝突していないということもありえます。(ありえる という微妙な言い方は長さと同時刻の解釈が微妙だからです)

A,Bが観測する事象はA,B空間で起こる事象ですが、ローレンツ変換で 演繹していってるのはA点を基準としたX,Y空間なのです。

A,B空間で実際に起こることを調べるには、基準点を A,B空間で移動させなければなりません。

A,B空間で基準点をAからBに移動するとどうなるかというと 今度は、AとYの衝突はBとXの衝突より以前に起こっていることに なるのです。

つまり、Aだけ,Bだけで考えるとX,Y空間は縮んでいる といえるのですが、A,B同時に考えると(すなわち 実際にA,B空間で起こる事象を見ると)X,Y空間は縮んでは いないのです。

そしてA,B空間ではA,Bで同時(同じ時刻)に衝突が起こります。
X,Y空間でもX,Y同時(同じ時刻)に衝突が起こるのです。

 移動空間の仮想同時刻補正では

A,B空間で考えるX,Y空間の同時刻がX,Y空間で感じる同時刻と 異なります。
これは ◆特殊相対論、時計突合せ試験 で述べたように、相手の時計が一致していないと考えられる からです。

実際にA,Bが同時にX,Yに衝突したことを基本に考えると、 X,Yの時計は一致してはいますが、そもそもYの時計は 遅れた状態なので、同時刻補正を行うと、もっと先に いて良く、それが縮んでちょうどB地点になったとする こともできます。

もし、伸びたものが縮んでちょうどのサイズになったと すると、X,Yは自分たちの間が加速中に伸びたと思うの でしょうか?いいえ、伸びたとされる長さはあくまで A,B空間から考えるX,Y空間の同時刻に基づくもので X,Y自身の同時刻に基づくものではないのです。

 では空間の短縮は観測されないか?

ローレンツ変換による空間の縮みは時空のある1点からの演繹です。

ということは基準が実際に1点であればなんの問題もなく適用できる はずです。

宇宙からやってくるミューオン粒子に対しては、地球に 対してミューオン空間が縮んでいるかどうかはともかく、 1点であるミューオンに対し地球空間が縮んだ状態にあったという見方は 無矛盾なのです。

 ロケットは縮むか?

相対論の一般書では縮んだロケットがよく出てきます。

本記事で示した通り、実際には縮んだ物体/空間を観測することはありません。

「ロケットエンジンで押す形だと、超剛体を考えても縮む」という 意見は無意味です。ロケットに先端エンジンがあり引っ張る 形だとどうなるでしょう。

10光年先を出発したロケットが空間の縮みで1光年にまで近づく といったことはありません。もしそうなら、スピードを緩めると また5光年、6光年先まで遠ざかってしまうというのでしょうか?

ロケットが観測地点に到達した時点で、縮んだ空間をやってきたんだ と考えてもおかしくないだけなのです。

10光年の間にいくつか一里塚(一光年塚?)があれば、ロケットの 空間が一気に縮まるのではなく、光速以下のスピードで ポイントポイントを通過してくるのが確認できます(もちろん 地球からの光観測では、距離による情報遅延とドップラー効果 を含むものとなりますが、それら非相対論的な効果を補正 した結果は、まったく相対論的縮みはないのです)。

 最後にまとめ

繰り返しとなりますが。

この一連の記事は相対論を否定してはいません。
(しかし、科学雑誌や一般書の記事に関しては疑問を投げかけるものとなっています)

特殊相対論は、「遅れる」「縮む」「重くなる」 などの日常用語の解釈は別として、無矛盾で完璧であるといえます。

問題は計算上「空間が縮んだ状態にある」ことをどう捕らえるかです。

さらに、「縮む」という言葉が持つ「縮んでない状態」から「縮んだ状態」 への移行という意味合いにも問題があります。
特殊相対論ではこの"移行"は完全に対象外なのです。
つまり、本来、特殊相対論の範囲内では「縮む」という言葉を使っては ならないのです。
特殊相対論は"ずるい"というか、尻尾をつかませないというか、 無矛盾水かけ論というか、つまり、完璧なのです。
(本記事は加速という特殊相対論外の話を 持ち込み"縮む"を論じています)

「縮む」ためには空間のどこかを基準にする必要があります。
そして、宇宙に特別な点などありません。
移動系は静止系全ての点それぞれにに対してはそれぞれの点を基準とした 縮んだ状態にあり、静止系全体 に対して、すなわち基準点を静止系全体にずらして 確認する形では、縮んだ状態ではないのです。
(なお、どこか一点に縮んだ状態を想定しても特殊相対論として 矛盾が出るわけではありません。)

宇宙から飛び込んできたミューオンが残す軌跡はあくまで われわれの系のものです。軌跡の先頭は、軌跡の先頭を 基準としてミューオンの系と交わったものであり、 軌跡の最後は軌跡の最後を基準としてミューオンの系 と交わったものなのです。
われわれが観測するのは、この軌跡だといえます。 そしてその軌跡は、けして移動系における軌跡が縮んだ ものではないのです。

われわれは静止系の一点から移動系を観測しているつもりでも、 現実には移動系の離れた場所を直接観測しているわけではありません。
離れた場所を直接観測できないというのは、相対論の無矛盾性 の骨格原理です。もし離れた場所を直接観測できると すると水掛け論に矛盾が生じ相対論は破綻します。
実際に観測するのはわれわれの静止系で起こる事象、例えば各 地点での移動体の通過など、からやってくる情報なのです。
直接観測できない空間は確かに縮んだ状態であるとしても、 あるいは唯1点だけが経験する空間は縮んだ状態だったとしても、 広く実際に観測する事象空間は縮んでいないのです。
つまり、「縮むけど縮まない」のです。

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