◇位置による情報伝達遅延とドップラー効果と神様目線
ある地点から他地点の観測を行う場合、距離に応じ 情報の到達に時間がかかるため、決して自分と同時 事象の直接観測はできません。
例えば地球から"見る"月は地球と同時ではなく1秒ちょっと 昔の姿だし、地球から"見る"太陽は8分ちょっと昔の姿です。
仮に観測対象との距離が変わる場合、距離の変化に応じ、 時間の遅れは変わります。
例えば、どんどん近づく場合、この時間の遅れは距離に応じ小さくなり ます。観測対象の時間の進みが早くなったように"見えます"。光の 周波数は上がります。
ドップラー効果は、この距離の変化による情報伝達時間の変化 によるものです。

さて、このドップラー効果の根本原因である、距離による情報伝達
遅延ですが、何か名前が与えられているでしょうか?
どうも当たり前過ぎるのか特に名づけられてはいないようなのです。
例えば、
◆ローレンツ変換vsドップラー効果の図などでも、
図上で見えるものは、位置による遅延、位置の移動に
よるドップラー効果の2点が補正された、いわば神様目線
のものです。
一般書で相対論の説明を行う場合、「見える」という表現は
この位置効果を無視したものとなっています。そして、それが
誤解を生んでいる場合も見られるように思えます(お前が
誤解しているだけだという意見もあるでしょうが)。
位置による情報遅延効果、位置変化に伴う情報遅延変化効果(ドップラー効果) をあわせて「広義のドップラー効果」と呼んでよいのではと考えます。
ただ「広義の」といった場合でも「ドップラーによる周波数シフト」のみ にこだわり、例えば、「重力効果による周波数シフトも含む」といった 別方向への広げ方も考えられることに問題はあります。
「位置による情報遅延効果」と説明的に言うしかないんでしょうかねえ。
”位置による情報遅延効果(ドップラー効果を含む)を排した この静止座標系に於ける神様目線で見ると。。。。”
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2020/01/18 図を入れました
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