◇ブラックホールに光速で落ち込む物質はブラックホールより重くなるか？: 万象酔歩

子供のころ抱いた原始的で単純な疑問が個人的に解決されないままになっていることは良くあります。

質量には３つの面があります。

原始的疑問とは、一般書で「物体は光速に近づくにつれ"重く"なる」と表現される現象ですが、光速は超えられないのですから、光速に近づくにつれ加速しづらくなるのは当たり前だとして

というものです。

重力場の中に物質を置き自由落下することを考えてみます。

物質は加速するにつれ「重く」なります。普通に考えると、ロケットなどによる加速と異なり自由落下の場合、質量に関係なく加速します（羽だろうと鉄球だろうと同じ加速をする）のでやがて光速に達します。

それはよいのですが、重くなった物質が他のものを引き付ける力はどうなるのでしょうか？重くなった物質はその分強い重力場を生まないのでしょうか

ブラックホールに落ちる物体は、光速に達した時点で、ブラックホール本体より重くなっているのではないでしょうか？

例えば、光速に近いスピードで近くを通過する物体は、ゆっくりと通過する物体に比べ強い重力作用をもたらすのでしょうか？
向こうの立場で言えば、こちら側が重くなっているはずなのでより受ける重力作用が強まっているのでしょうか？

あるいは強まるのは「加速しづらくなる」という性質だけなのでしょうか？
もし、加速しづらくなる、という性質のみが強まるのであれば、「重くなる」という表現は誤りだと言えるのではないでしょうか？

そもそも、特殊相対論では質量について述べながら、そのおよぼす力関しては述べません（重力は一般相対論の方）。
気楽に「重くなる」などと言って良いのでしょうか？

たとえば、「重力ポテンシャルを生むのは静止質量のみ」とか「相対論的効果により重さを増した物体は強い重力的影響を回りに与える」などと記述があれば、それだけですっきりする、単純な疑問なんですけどね。

＃＃＃　2008/12/28
タイトルを「重くなるとは？相対論Ｑ＆Ｑ」から「ブラックホールに光速で落ち込む物質はブラックホールより重くなるか？」に変更。

＃＃＃　2018/03/10
そもそも、速度の考えが違うという「説（妄想？)」を

に置きました。

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