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▼柔らかな手首とは;シミュレータで明かすなめらかな動きの秘密

弦楽器や打楽器の演奏では手首の柔らかさが要求されます。 では、手首の柔らかな動きとはどのようなものでしょう? 腕と手からなる手首の動きシミュレータを作成しました。


(1),(2),(3)の動きを見てください。
(1)は完全に手首を固めていて当然「柔らか」では ありません、ところが、手首を大きく動かしている(2)も 「柔らか」な動きとは言いづらく、動きの柔らか なのは(3)です。

(2)は大きく手を振る動きには良いのですが、弓やスティック を操るには不適当です。
指揮でも(2)の動きはいわゆる「メトロノームのような」 棒さばきという事になるのだと思います。

(2)と(3)の違いは手が腕と同期しているか、腕から遅れて 動くかです。
(3)では手首に引きづられるように手先が動いているのが 分かります。

一番左の腕はパラメタを変更できるようになっています。

  • a:腕のふれ幅:腕を振る角度を指定します
  • m:腕の移動:腕を前後に移動させる距離を指定します
  • d:手首の基本角度:揺れないときの手首の角度
  • p:手首の位相ずれ:腕の動きから手先の動き がどの位進む/遅れるかをしていします。一周を360度としています。 マイナス値だと遅れとなります。 -120度くらいが最も自然でかつ抑制された 動きに見えます。-60度になるとただ振り回されている 感じになり、-150度では抑制が強すぎる感じがします。
  • v:手首の仮想揺れ幅:手首の角度制限がない場合どの くらい揺れるかを指定します。この値で基本角度が計算されます。
  • r:手首の実揺れ幅:手首に角度制限を与えます。 仮想揺れ幅を元にした角度がこの実揺れ幅を超える場合、 実揺れ幅を採用します。
    仮想揺れ幅と実揺れ幅の差が大きい場合、途中は一定 の角度となり、揺れの両端で角度が変わるような動きと なります。
  • L/R:左/右の動き抑圧:手首のふれ幅を左右別に 抑圧します。数値分の1の動きになります。また、0以外 が指定されると、その側のvを無効にします。即ち1を 書けばvの無効化のみ行えます。
いくつかのサンプル値も用意されており、[<<]ボタン[>>]ボタン で選択できます。
これらのサンプルを見れば、この「位相差ジョイント・ シミュレータ」が単に手首の動きをシミュレート するだけでなく、ダンスなどの色々な反復動作を示すものに なっていることが分かります。

speedの数値を大きくすると速度が速くなり、小さくすると 速度は遅くなります。数値は直接1分あたりの振れ数などを 表してはいません。

もちろん、演奏技術として例えば「位相を -120度にする」といった 値を意識することはできません。
しかしながら、柔らかな動きを目に焼付けることにより、 体の動きに反映させていくことは可能だと考えています。

音楽に於ける体の'のり'には位相差が重要な要素となっていると 思います。
これはあくまで個人的感性に過ぎないかも知れませんが、1関節 の動きの場合

  • 0度~:堅い動き
  • -60度~-90度:力ない動き
  • -120度:柔らかな動き
  • ~180度に近づくにつれ、抑制が効きすぎた動き
と見えます。-120度が一番自然に見えるのは、全体を3分割 した波の動きの始めと中ではと考えています。

この機構を利用したメトロノームを作成しました。 ▼柔らかメトロノーム

# 2010/5/12
手先と手首の動きの、位置、速度、加速度をグラフで示すシミュレータ を作成し ▼シミュレータで見る、柔らかな手首効果 に置きました。
いったい柔らかい手首の動きにはどんな物理的効果が あるのかを解析しています。

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