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◇クモと昆虫の大きな隔たり:昆虫は空を飛ぶ

昆虫とクモの最も大きな違いは

  • 昆虫は飛ぶが、クモは飛ばない
ことです。(ここで「飛ぶ」とは空中に於いて自ら揚力と推進力を生みだし 移動することです。風に飛ばされるタンポポなどは含みません)

昆虫は翅を持ち空中を飛び回ることができます。
もちろん翅を失って飛ばなくなった昆虫もいます。
しかしながら、昆虫は基本的に飛ぶ生き物であり、 その体のデザインは飛ぶために 出来上がったものなのです。

ごく些細な点に目を向ければ、クモは8本足、昆虫は6本足であり クモは胸部と頭部が分かれておらず、昆虫は分かれてるという違い もあります。

翅のある胸部と頭部が分かれるのは、

  • 翅を駆動する際の熱、振動、エネルギー消費 を情報処理部から分断すること
と、
  • 高速で移動するため、頭部を可動とし、 空間情報を取り入れやすくする
ためです。

足が6本になったのは、 足を持っていた体節が翅に使われた ためではないかと思われます。

全てのクモは翅を持たず飛行能力を持ちません。

クモと昆虫は類似する点は多くもちますが、 かなり根本的なところで異なった生物なのです。

昆虫はクモのみならず、他の虫(節足動物)からも大きく 違った生き物です。
翅を持つムカデはいません。翅を持つエビもカニもいません。

昆虫とは「空飛ぶ節足動物」なのです。

昆虫がいて翅が生えたのではありません。翅が生え、昆虫になったのです。
空を飛ぶ能力を得、彼らはクモや他の節足動物から抜きん出た大繁栄を みたのです。

### 補足
アリは翅を失ってはおらず、女王アリと雄は羽アリとなり、飛翔します。
ノミ、シラミ類は翅を失っています。ノミの場合痕跡はあるそうです。
シミ類は翅を持ちません。
シミ類は進化の初期段階で変態の失敗が起こり、翅を持たない 幼虫のまま生殖が可能になったのが定着したものと考えています。
こんな例外のために昆虫の本質が翅を 持ち飛ぶことだいうことを忘れてはなりません。

ダチョウがいようがキウイがいようが、ペンギンがいようが 鳥の特徴として先ず挙げるのは、何といっても「飛ぶ」ことです。

### 蛇足
飛べ(to be)、飛ぶな(not to be)、それが問題だ。(「HAMLET PRINCE OF DENMARK」より)
ううう。くだらない、かつ懐かしい駄洒落誘惑に負けた。
このダジャレのせいで、どうもto be notでもいいのかな とも思ってしまいます。原文はnot to beです。

### 蛇足2
些細な点にばかり目をやり本質を見失うことを 「木を見て森を見ず」または「足を見て翅を見ず」といいます。ウソです。
本質はともかく、分類だけ確実に行うことを「木を見ず葉っぱを見る」 または「翅を見ず足を見る」といいます。ウソです。

### 補足2
「飛ぶ」という言葉の曖昧な使い方についての指摘を受けました。
確かに指摘通りで、空中を移動すること、空中にとどまることは 全て「飛ぶ」といいます。

  • 空気より軽い物体が浮く(気球)
  • 空気より少し重い程度の物体がしばらく空中にとどまる(普通の風船)
  • 空気より重い物体が風に飛ばされる(花粉、糸で風に運ばれるクモの子)
  • 大きな初期速度で放出された自由落下物(大砲の弾)
  • 滑空
  • 空気を押す力により推力や揚力を得、場合によっては滑空も用い空中を移動する(本記事の「飛ぶ」)
  • 質量を放出する反作用で空中を移動する(ロケット)
  • 謎の力で空中を移動する(ウルトラマン)
これについてはいずれ別記事でまとめます。

### 2009/7/13 タイトルに「昆虫は空を飛ぶ」追加
わずかな例外があるとはいえ昆虫の最大の特徴である「翅があって空を飛ぶ」 というのを指摘している例を見ないのは余りにも不思議すぎます。

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昆虫力学3題

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