◆illustratorでバネや絡んだ紐を描く
illustratorを使っていてバネや重なり合った紐を描くことが必要 になることはしばしばあります。

このような一定幅を持つ紐状の線図形が交差する図は
- アートブラシを使う
- アピアランスで線を多重化する
複雑に絡み合わない紐であれば、これらの手法の他、「分割・拡張」を用いる 事もできます。
アピアランスで線を多重化する
縦長の楕円を描く。
線の幅を、内が5ピクセル外側を2ピクセル×2とすることとし、
9ピクセルを指定する。
色は外側の色(ここでは黒)とします。
[ウィンドウ]⇒[アピアランス]でアピアランスを表示させます。
アピアランスで「線」を選択しの「選択した項目を複製」をクリック(上図)
すると、「線」が複製され2個になります(下図)。
新しい線の幅を5ピクセルとし、線の色を白にします。(下図)
バネを描く

「はさみツール」で右端を切ります。

端点をつかみ、ずらします。
[オブジェクト]-[変形]-[移動]-「コピー」でコピーします。

右の結果が得られます。
(この図で若干つながりが悪いことが分かります)
新たなレイヤーを作り、コピー図形を元のレイヤーでコントールXで切り取り 、新レイヤー でコントロールFで同位置に貼り付けます。

新レイヤーをロックします。

元の図形の端点をつかみ、ずれを修正します。

右図のようになります。

下の端点を下に移動し、楕円の下半分を伸ばします。
端点を、右端点の移動距離の半分ほど右に移動します。
底の制御線、左右の制御線を延ばし、なめらかにします。
楕円を下に伸ばすのは手前と向こうの傾きの差を
表すためですが、伸ばす代わりに左右の端の
制御線の傾きをいじることでも表現は可能です。
ただし、下に伸ばす方法の方がより簡便にバランスを
とることができます。

コピーを置いたレイヤーを削除します。

再び[オブジェクト]-[変形]-[移動]-[コピー]でコピーします。

コントロールDで必要分コピーしバネを延ばします。
冒頭の絵はこのバネの一番左の輪の上半分を削除し、 「自由変形の台形変形」で左側、つまり奥側をごくわずか小さくしています。(奥側 を小さくするのは、奥が広がって見える錯覚を回避するためです)

(2008/10/16)
参考までに3DCGソフトShadeで作成したバネの絵を載せます。
絡み合った紐を描く
ここでは、赤と白の紐でかた結びをする図を描きます。
アピアランスで幅をつけた2本の紐を重ねておきます。それぞれのアピアランスを変更し、色を付けます。



上下関係が入れ替わる部分に"はさみ"を入れます。

上に来る部分を選択し、[オブジェクト]-[アレンジ]-[最前面へ]で上に
もってきます。

他の箇所も前面に移動し完了です。
分断部/接続部にうっすらと線が見えますがこれは編集中のみで
最終的な出力にはでません。
複雑に紐の絡んだ図をこのやり方で描いた例を新聞、雑誌の束ね方、結び方、縛り方に置きました。
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