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AVCHD&HDV&TOD=>BD&DVD作成

メモです

同時収録したAVCHD/HDV/TODハイビジョンソースをマルチカム編集し、BDおよびDVDを作成する

ここで述べるのは「こうすべき」という話ではなく、 「こうやったらできた」という話です。ここにいたる までには沢山の落とし穴に落ち、沢山の地雷を踏み、迷路をさまよいました。

 前提

=== 最終生成物 ===

次のものを作成します。 

  • 1920×1080ハイビジョンのBD(メニュー付き)
  • 通常画質のDVD(メニュー付き)
  • 通常画質のDVD-RAM(メニュー無し)
  • メディアサーバ用の1920×1080ハイビジョンデータ

=== ソース ===

ソースは次のものが混在します。

  • AVCHD(1920×1080:SONY-SR12,P社-SD3)
  • HDV(1440×1080:SONY FX1,HS3)
  • TOD(1920×1080:VICTOR-HD7)
および
  • wav(PCM 192Khz/24bit:ROLAND-R44,R09)

=== 使用ソフト ===

次のソフトを使用します。

  • SoundForge/AdobeAuditon:整音
  • AVCHDプレーヤ/コンバータ:AVCHD変換
  • ProCoder:HDV変換
  • EdiusPro-4:マルチカム編集
  • EncoreCS3:BD/DVDオーサリング
  • Ulead DVD MovieWriter:DVD-RAMオーサリング

 BD作成手順

=== 前処理:ファイルの結合 ===

長時間録画/録音のためファイル分割されてしまったデータを結合します。

  • AVCHD(mtv)の接続:copy コマンドで接続
  • TODの接続:copyコマンドで接続
  • WAVの接続:オーディオ編集ソフトで接続
分割されてしまったHDVはドロップアウトのためのものなので結合不能です。

ファイルが分割されたものかどうかは、

  • AVCHDはCanopusのACVHDプレーヤ
  • TODは仮作成のEdiusプロジェクト
で確認します。分割されたものでないものをcopyで接続すると不正なデータ となってしまいます。

接続に使うcopyコマンドに関しては HDR-SR12のAVCHDファイルの結合と変換参照

オーディオの接続はAdobeAuditionではデータ欠落なく接続できることを 確認してあります。
万が一左右チャネルが間違っていた場合SoundForgeの[プロセス]->[チャネルコンバータ]: [ステレオからステレオ - チャンネルをスワップで入れ替える ]で ことができることを確認してあります。

SD-3は長時間撮影では8GのSDカードをセットしていても 4Gバイトに達した時点で撮影が終了してしまいます。 ファイル分割ではなく撮影強制終了です(再び撮影を開始すれば 合わせて8Gまで撮影できます)。また、撮影ボタンを 1度押すだけで撮影が始まるのですが「撮影を開始します」 というメッセージが出てしばらく消えないため、もう一度押すと「撮影を開始 する」のだと思ってしまい、もう一度押し、ポーズ状態 にしてしまうという失敗が起こります。 電源をオフにせずSDカードの入れ替えを 行うとうまく認識されないことがあります。 撮影された映像には 暗部に周期的で気持ちの悪いノイズが乗ります。 コンサートの撮影で4度使ったのですが、これらの 仕様の問題に起因する繰り返される失敗のため、 最終的にはSD-3の映像は殆ど使えません でした。
バッテリーが完全に筐体内に収まる形なので僅か30分程度 しかもちません。しかも、3脚につけるとバッテリーの 交換ができません。そのため、外部電源が必須です。 電源をホールからもらい電源コードをカメラまで 引っ張ります。これはセッティング、撤収作業を 著しく大変なものにしてします。 コンサートの収録には全く適していません。
加えて筐体が丸い筒の形で手のかかりが悪く、しかも スイッチの位置が不自然であるため、手持ちでは 安定した画面を得ることは不可能です。

=== 前処理:ファイル形式の変換 ===

結合済みのファイルを変換します。
  • AVCHD:AVIに変換(Ediusプロジェクトbin使用)
  • HDV:1920×1080のmpgに変換(ProCoder使用)※
TODはそのまま使います。

AVCHDの変換にはCanopus-AVCHD2AVIも使用できますが、Edius の仮プロジェクトを作りbinウィンドウで変換を行う方が確実 です。 HDR-SR12のAVCHDファイルの結合と変換参照

HDVを変換するのは、Ediusでは1920プロジェクトで1440ソース を使うとカメラ切り替え部で絵の乱れが発生するためです。 変換を予め行っても先頭が乱れますが、先頭は使いません

※:Ediusを5にしたところ、単体のProCoderはなくなってしまいました。 そのため、TMPGEnc4.0Xpress で.mpg(1920×1080)に変換しました。
Edius5では1480と1920混在が可能となっているかも知れないのですが まずは混在無しで作業します。

=== Edius設定 ===

1920×1080/60Hzでプロジェクトを作成します。
このプロジェクトで設定を変更しSD画質の出力も行います。



プロジェクトを置いてあるフォルダの下に2つのフォルダ

  • title_HD:ハイビジョン画像用タイトルの保存場所
  • title_SD:SD画像用タイトルの保存場所
を作成しておきます。
これはEdiusでは
  • 1920×1080プロジェクトのままで720×480出力を行うと 縦の解像度が360しかなくなるので、720プロジェクトに設定しなおして 出力する必要がある
  • 1920プロジェクトのタイトルのままで720にプロジェクト 変更をするとタイトルのサイズが合わず、720プロジェクトで titleのsaveをやり直す必要がある。saveをやり直すと今度 は1920プロジェクトでのタイトルサイズがおかしくなる
という理由です。

タイトルはクイックタイトラーで作成します。
フォルダ"title"の下に作成されます。1920プロジェクトで 作成されたファイル群をtitle_HDの下にコピーしておきます。

なお、編集にEdiusを使う理由はなんといってもタイムラインのスケールの 分かりやすさ(数値指定可能)です。
マルチカム編集のやりやすさ、色補正のやりやすさ(数値指定可能)も理由です。
Premiereでは"直感的な操作"という名の"神業"が要求されます。

=== 編集 ===

基本の手順は次のようになります。

  1. 要素をタイムラインに並べる
  2. オーディオ波形を基準にして各要素の同期をとる
  3. (全トラックをグループ化する:時間軸が狂わないように)
  4. 各映像の色を合わせる(時間で変化する可能性はあるので マルチカム編集後さらに調整する必要がでるかもしれない)
  5. 曲間で分断し、黒マットを曲間に入れる
  6. タイトルを入れる
  7. マルチカム編集を、先頭の曲から順に行う
  8. タイムラインの最後に黒マットとタイトルを置く場合は、 仮の音声を付け、ボリューム0にする

黒バックでタイトルだけを入れる場合は「マット」画像をタイムラインに 置きます。これがないと出力異常が起こる場合があります。
また、タイムラインの終わりが音声無しの場合、m2vとwavのサイズが 不一致となる場合があり、オーサリングで異常が発生する場合があります。

グループ化は時間軸がずれるのを防ぐためですが、混乱の元に なる可能性もあります。

以下完全に個人的で一般性のないメモですが、 タイトルの時間配分です(ビデオの内容はアマチュアオケのクラシックコンサート収録です)

  • 演奏会タイトル:8秒
  • 指揮者名:3秒
  • (曲前におく)ソリスト名:3秒
  • 曲名:4秒
  • (曲中にインポーズする)楽章名:3秒
  • クレジットロール:1分~1分半
  • 楽団名:5秒
以上完全な個人的メモ

=== 編集済みファイルのBD用出力 ===

ProCoderを使いM2V+WAVファイルを作成します。

[ファイル]->[書き出し]->[ファイルに出力]
Canopus ProCoder Express for EDIUS Wizard

ストリームタイプはエレメンタルストリームにします。
プログラムストリームではEncoreでトランスコードが起こり、その段階で 絵が一部乱れます。

ビデオビットレートは25000~26000(kbps)程度になるように、[品質/サイズ] の[...]を押してでるダイアログで設定します。
30000程度にすると最終的に生成されるBDの動きが滑らかでなくなります。

音声はPCM/48.0kHz/16bitにします。

設定画面は次のようになります。



=== BDオーサリング ===

BDオーサリングにAdobeEncoreCS3を使います。
プロジェクトはBD:1920×1080にします。
BD<->DVDの切り替えはいつでも行えますが1440×1080 になってしまったものを1920×1080にすることは できません。

注意:プロジェクト名がサブフォルダ名として作られるのでEncoreのフォルダ であることが明確となるようにプロジェクト名の中にEncoreを示す 文字列、例えば_EN_などを入れること。

ファイル名に関する注意があります。

  1. プロジェクト名とソースファイル名を同じにしてはならない
  2. ソースファイルに変更があった場合、ソースファイルの名前を変える必要がある
例えば
  • ara2008_HD.m2v,ara2008_HD.wavをソースとEncoreプロジェクトの 名前としてara2008_HD.ncorは許されない
  • ara2008_HD.wavに変更があった場合、変更後のファイルはara2008_HD_2.wavといった 形で別名で導入しなくてはならない。名前を変えず、一旦プロジェクトから 消し入れなおすだけではだめなことがある。
これらの注意点は納得しづらいものですが、こうしないとエラーに なったり、変更が反映されなかったりします。

メニューはできれば1920×1080で作成します。
720×480でもBDは作成できるが、メニューと本編の切り替え 時に一瞬画面がちらつきます。
次の4つのリンク設定を忘れないよう。

  • 起動時
  • 終了時
  • タイトルボタン
  • リモートボタン

プレビューで画面の乱れはでますが、「トランスコード無し」の 場合最終BDに乱れはでません。

 DVD作成手順

=== 編集 ===

ハイビジョン用のプロジェクトを開きます。

プロジェクト設定を720×480にします。

タイムラインでタイトルのある部分の画を出し、タイトル文字 の大きさが変であることを確認します。(もし変でかつ、 title下のファイルをtitle_HDに保存していない場合、title_HD にcopyします)

タイムライン上のタイトル部をクリックし、クイックタイトラー が起動されたら、「上書き保存」します。これでタイトル文字 の大きさが正常になります。
全てのタイトルについて「起動」「上書き保存」を行います。
全てについて作業が終わったら、title下のファイルをtitle_SD 下にコピーします。

次回からハイビジョン<->SD切り替え時にはtitle_HDあるいは title_SDからタイトル定義をtitleにコピーすることで 「起動」「上書き保存」は不要となります。

=== 編集済みファイルのDVD用出力 ===

DVD用の出力に関してはいくつか設定が無効となりますので 注意が必要です。

  • in点,out点を無視する指定が反映されない
  • ファイルの上書き指定が反映されない
  • ソースのアスペクト比は反映されない

in点・out点
DVDレベルの出力を行うときはin点out点による範囲を見ず 全体を出力する指定をしても効果がなくin点からout点まで しか出力されない(場合がある?)

タイムラインのタイム上で右クリックででるポップアップ メニューから「in点out点を消す」を実行すること。

ファイル上書き指定 ファイルの上書き指定があっても、上書きにならず後ろに"_番号"を つけたファイルが生成されます。
混乱を避けるためファイルは予め自力で削除する必要があります。

アスペクト比
ソースのアスペクト比は反映されません。
必ず手で明示する必要があります。

=== DVDオーサリング ===

BD用のもの開きDVD用に別名で保存します。
Encore開始に数分、それを別名で保存するのに数分かかります。
ビデオタイムラインとアセットを削除し、DVD用のビデオを 入れます。
チャプターを振りなおし、メニューにリンクしなおします。
プレビューで画面の乱れはでますが、「トランスコード無し」の 場合最終DVDに乱れはでません。

ハイビジョンソースからDVDを作成すると、波打った ような画になります。

 DVD-RAM作成手順

通常のメニュー付きDVD-Videoとして作成されたものを DVD-RAMに書くとPCでは再生できますが、Panasonicの DVD-RAMプレーヤでは再生できません。
Ulead DVD MovieWriterではm2v+wavは取り扱えませんでした (他のソフトは試していません)
EdiusでSDレベルのmpgファイルを作成しまし、それをMovieWriterに 読み込ませました。
mpgファイルのサイズは、
 4.13GB(4,438,806,532バイト)
は大きすぎるといわれ、若干低画質(4Mbps)で
 2.83GB(3,048,493,056 バイト)
のファイルを作成し、Ulead DVD MoviewWiterの メニュー無しモードで焼きました。
4.3Gまでしかできないのかもしれません(4.3Gが 実は何Gなのか良くわかりませんが)

 いくつかの誤解

Ediusではプロジェクト設定にかかわらずHD出力SD出力ができる。×

=>いいえ、できません。HDプロジェクトでSD出力をすると解像度は SD以下になってしまいます。

Ediusではプロジェクト設定でいつでも自由にHD/SDの切り替えができる。×

=>いいえ、できません。タイトル文字のサイズが狂います。

Ediusでは異なる解像度のソースを混在させて編集ができる。×

=>いいえ、できません。1920プロジェクトで1440ソースをマルチカム編集 すると、編集地点の前後で画面が乱れる場合があります。

Encoreでは一つのハイビジョンソースからBDもDVDも作成できる×

=>いいえ、できません。ハイビジョンソースをDVD用にトランスコードする 時点で動きのある画が波状になってしまいます。

Encoreでは必要に応じソースをトランスコードできる△

=>いいえ。Edius出力のmtpをトランスコードすると画が乱れることが あります。Edius出力のm2vでEncore上のモニタでは画が乱れる場合 でもトランスコード無しで出力すれば画の乱れは起こりません。(画面 切り替えにより長さのことなるGOPが存在するところがくさい)

 補足

参考画面:
カメラ切り替え部での乱れ

ハイビジョン->SDトランスコード時のゆらぎ

マルチカム編集で画面転換にディゾルブなどを使う 場合、一旦グループを解除し、当該トラックのみ の切り替え位置をずらす必要がある。
マルチカム編集でなく、1つのトラックに並べた 場合は境目にドラッグすることによりできるのだが、 マルチカムの切り替え部ではうまくいかない。

カメラの同期は音声でとる。
規準オーディオときちんと合わない場合1,2フレーム画像部が進む ことは許される。音より画像が遅れると不自然。

Ediusのタイムラインのスケールはup/downでなく直接選択できる。
これだけのためにPremiereを捨てる価値がある。

重要な注意:
Windowsの自動更新は停止しておくこと。
ファイル変換作業や出力作業等、長時間実行は夜中に流すことに なるが、このとき、Windowsの自動更新によりファイル群が中途半端 な状態で止められてしまうことがある。場合によっては、修復が 難しくなる。
[コントロールパネル]の[システム]を開き、自動更新を行わない設定にする。 (「ダウンロードはするがインストールは手動」が望ましい)

ファイル名添え字 説明
.ezp Ediusプロジェクト
.ncor Encoreプロジェクト
.prproj Premiereプロジェクト
.mpg MPEG(音声+映像)一般
.m2p mpeg2 プログラムストリーム
.m2v mpeg2 エレメンタルストリーム(映像)
.m2t mpeg2 転送ストリーム(HDVなど)
.mts mpeg2 転送ストリーム(AVCHDなど)
.m2a なんだっけ?
.tod mpeg2 転送ストリーム(Victor)
.avi AVI
.wav PCM音声
.pk Auditionによる音声ピーク情報
.ewc Canopusによるmts変換情報
.ese
.cld Cannonラベルプリント
.ai Illustrator
.psd PhotoShop
.aep AfterEfects
.flv Flashビデオ
.divx divxビデオ
.xmp
.prtl
.shd Shade

フォルダ名 説明
Encoreプロジェクトと同名 Encoreのワーク
(プロジェクトがある状態での削除不可)
Project Ediusのワーク
(削除しても問題ない)
title Ediusのタイトル置き場
Encoded Files Premiereのワーク
AdobePremierePro Auto-Save Premiereのワーク
(消すべし)
AdobePremierePro PrevoewFiles Premiereのワーク
(消すべし)
Media Cache Files

 フォルダ構成メモ(2009/8)

3種のファイルを次のように結合/変換します。

 .MTS(AVCHD素材)  --concat--> .MTS(結合) --変換--> .AV(HQ-Codec)
  .TOD(Victor素材) --concat-----------------------> .TOD(結合)
  .MT2(HTV素材)    -------------------------変換--> .mpg
これらを次のようなフォルダに置くことにします。
 org_src 撮影素材
     音中央
   音_1
     音_2
     下手(MTS:AVCHD,SR12) ○
     上手(M2T:HDV/FX1)  △
     中央_主(MTS:AVCHD,XR520) ○
     中央_補(M2T:HDV,HC3)
     舞台(TOD:Victor)   ○
  cat_src  AVCHD結合素材
   下手              ara2009s_L_1.mts,ara2009s_L_2.mt2
   中央_主           ara2009s_C_1.mts,ara2009s_C_2.mt2
 edt_src  編集素材
     音中央
   音_1
     音_2
     下手(AVI(HQ))
     上手(mpg)         ara2009s_R_1.mpg,,,,(分断はカメラの都合)
     中央_主(AVI(HQ))
     中央_補(mpg)
     舞台(TOD)         ara2009s_S_1.tod,ara2009s_S_2.tod
  edt     編集(プロジェクト)
   menu.psd,titleSD/,titelHD/など
  img     DVD/BDイメージ
---
ファイル名  楽団名 年   季節  カメラ位置 分断番号(通常1部か2部か)
            ara    2009 s     _S_        1
            sai         s:夏 S:stage
      sera    a:秋  C:中央
                        w:冬  L:下手
                        p:春  R:上手

 カメラを他人に任せる場合の最重要メモ!!!

個人的メモです。毎回言い忘れがあり、かならず失敗が あるので(なぜかいつも下手側が失敗します)
カメラ数台で撮影する場合、カメラ操作者に 次のことをしつこいくらいお願いしておく必要があります。

  • カメラの基本は動かさないこと
  • カメラが動いている部分は余程ゆっくりでないと通常使えない
  • フレーズの途中で移動すると、そのフレーズの頭も使えない
  • 指示により特定の楽器を狙う場合は、狙ったら一切動かさない
  • 音が出てから楽器を探しても遅い
  • 全体の絵は別途撮っているので、全体を撮る必要はない

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