◆鉄腕アトムの角;単なる機械人形でない証

子供の頃、頭を悩ませたものに「鉄腕アトムの角」があります。
立体構造が直感できないのです。
どこから見ても2本の角がきちんと重なりなく見え、2本
のバランスも常に同じ。
2本の角はどういう配置になっているのか?
実際のところ、見る角度にかかわらず「かっこよく」描かれれば
いいのであって、そのためには機械的な製図法のような
手法を採る必要はありません。
誇張された表現の中で立体としての正確さをどこまで持ち込む
か持ち込まないかというのは作家のセンスです。
「鉄腕アトム」にはアトム以外にも角を持つロボットがでます。
しかし、アトム以外の角は立体性を損なわない描き方をされます。
この事からもアトムの角が作家の表現だと分かります。
アトムが単なる機械ではないことを表しているのです。
子供心に思ったのが、自分はこういうセンスがないなあ、って
ことです。
アトムの絵を真似ようとしたとき、どうしても角の立体配置
が気になってしかたありませんでした。
最近のアニメのロボットは立体性をストレートに表します。
最近のロボットはアトムと違いあくまで機械なのでこういう
表現なのでしょうね。
### 蛇足
映画「2001年宇宙の旅」の
ディスカバリー号はどの角度からみても三日月型に照明
されています。
キューブリックから手塚治虫にオファーがあったというのは ホラ話だと思っていますが、少なくとも「アトムの角」と 同じ思想がディスカバリー号の照明に現れているといえます。
### っていうか~
本記事は当初[三日月号発進]の蛇足部に書きかけたものです。
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「あれは"角"ではなくヘアースタイルだ。」
はい、おっしゃる通り。
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昭和のロボット3題
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