◇目のリアリティ(ロボット編)
人間との接点を多くとる非工業自律ロボットでは、 現時点で実用度が高くないこともあり、 デザインは機能より見た目の比重が特に高くなります。
特に重要となるのが目の表現です。
目はとても注意を引く器官であり、そのデザイン一つで 製品のイメージががらっと変わってしまいます。
代表的なロボットとしてHONDAのASIMO、SONYのAIBOがあります。
目のデザインはどうなっているでしょう?
どちらも目は目立たないデザインになっています。
人間風の白目を持つ切れ長の目にしようと思えば できたはずですし、誇張した「オバQ目」 (◆目のリアリティ(キャラクタ編)参照) にすることも簡単です。
深い考えが無いまま、顔に目をいれると不気味になるか、滑稽になります。
これを嫌い、目のはっきりしないデザインにしたのでしょう。
他にNECのPAPEROというロボットがあります。
PAPEROはASIMO、AIBOとは逆に目を強調したデザインにしています。
PAPEROは目のデザインのみでロボットらしさを表現しています。
目を隠すとPAPEROは単なる「しゃべる電気ポット」になってしまいます。
PAPEROで目を強調できるのは体が生物らしさを一切もっておらず 目を強調してもリアル感が出てこないからです。
体自体がロボット感を持つため目を隠したASIMOとAIBO、
体がロボット感を持たないので目によりロボット感を出したPAPERO。
単なる自動機械とロボットの差は何かというのは必ずしも
はっきりしませんが、目は自律の象徴であり、極めて
重要な点であることは間違いありません。
技術的な問題は大きくないのに、製品の質を根本から
変えてしまうデザイン要素といえます。
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目のリアリティ3題
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