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◇モーツアルトのフーガにフーガを感じるか

フーガの「ぞくぞく感」は一体どこから来るのでしょう?

バッハのフーガ。ベートーベンの交響曲中に現れるフーガ。 バルトークの「弦チェレ」一楽章のフーガ(的展開?)。

同じテーマが高さを変えて出た瞬間の衝撃を何と 表現すればよいでしょう。

もちろん、テーマ全体の関わり合いが魅力なのですが、 高さを変えてテーマが出た最初の数小節に聴く者 をうむもいわさず引き込む魔力があると思うのです。

さて、ここでモーツアルトの話になるのですが、 モーツアルトの交響曲41番「ジュピター」 第4楽章のフーガ、実は、僕はこれに「フーガ」 の「ぞくぞく感」を感じないのです。

頭ではフーガだと分かるのです。4つのテーマがそれぞれの 模倣を伴いながら複雑に、しかも美しく絡み合っている。

でも、感じない。

一つはフーガに用いるテーマが短いということが あるのかも知れません。
フーガの最初の部分でのテーマの提示(わずか3つ の音)が短すぎるということもあるかとも思います。

つまり、僕にとって、十分なだけテーマが示される 前に模倣部が始まるため、高さを変えた模倣の 衝撃が来ないのです。

もう一つ、音に無理が無さ過ぎるということもあるかも しれません。
他の作曲家は「頭の中で捏ねくりかえし」作り出すのに モーツアルトは「頭の中に沸いてくる音をただ譜面に 落とす」だけ。なので、モーツアルトの音には人工的 な無理が無い。
実はフーガの魅力はこの「無理」あるいは音の衝突感 にあるのではと思うのです。
よい表現ではないかもしれませんが、音のスリル とサスペンスです。

モーツアルト41番のフーガこそが 「完璧であり最高のフーガだ」という意見は 多分正しいでしょう。
複雑でありながら、一切響きに無理がなく、綺麗です。

天国のモーツアルトにしてみれば

折角、こんなに綺麗で無理のない4重フーガが 作れることを示してやったのに、 ベートーベンの野郎、ゴリゴリのフーガ書きやがって
といった感じを持っているかも知れません。

「モーツアルト41番のフーガにフーガを感じない」というのに 賛同する人はとても少ないのですが、皆無ではありません。無理やり 賛同させている訳でもないと思います。

ベートーベンのフーガに酔いしれ、モーツアルトのフーガに 癒される。。。

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