◆PhotoShopで塗りつぶしなしの円を描く

PhotoShopで、よくあるごく単純な作業なのにかなりわかりづらいのが、塗りつぶされ ていない円を描くことです。
不思議なことに世の中に沢山溢れているPhotoShop本でも 取り上げられることが殆どありません。
次の方法があります。
-
円型の選択範囲を作り「境界線を描く」
-
作業パスを描き、「パスの境界線を描く」でブラシや鉛筆を使う
-
円形のシェイプを描き、レイヤースタイルで調整する (お勧め)
- 円の中に少し小さな円を「シェイプが重なる部分を中マド」で描く
・選択範囲が最も簡単な方法です。しかし、失敗すると 取り返しが付きません。しかも失敗しがちです。
・レイヤースタイルで調整する方法は、Photoshopの真骨頂とも言える 手法への入り口ともなりますのでトライしておく価値はあるかも しれません。後での色の変更なども簡単にできます。 若干面倒ではありますが、最も失敗の少ない方法であり、お勧めです。
残念ながらillustratorのように塗りつぶし色に透明を指定するといった 直感的で簡単な方法はとれません。(PhotoShopElementでは出来たような 記憶もありますが。。)
選択範囲を使う

(0)
重要!
[ウィンドウ]→「レイヤー」をチェックしレイヤーウィンドウを出します。
レイヤーウィンドウの「新規レイヤーの作成ボタン」を押し、
円を描くためのレイヤーを作成します。
これを忘れると、元画像のデータに直接塗る形になりますので、後で修正することが不能となります。
気を付けてください。

(1)
書きたい円を「選択範囲」で指定します。
選択ツールを長押しで楕円にし、シフトを押しながら画像上
をドラッグし円型の選択範囲を作成します。

[編集]->[境界線を描く]を行います。
画像のレイヤーが選択されていない場合、例えばテキストのレイヤーなど の場合[境界線を描く]がメニューにありません。画像のレイヤーを 選択しなおしてください。

ダイアログボックスが出ます。
ダイアログボックスで色と幅を指定します。

円が描かれます。
[選択範囲]->[選択を解除]で完成です。
作業自体は単純なのですが、「シェイプツール」の楕円でなく 「選択ツール」を使うというのが、どうにも釈然としない 所です。
パスを使う(滑らかにならない場合がある)

(1)
円を描くために「楕円ツール」を選択します。
上部のバーに「シェイプ」「パス」の選択ボタンが現れます
ので「パス」を選択します。

(2)
画の上でドラッグして円を作成します。
「作業用パス」が
作成されます。これ自体は「画」ではありません。
「パス窓」が現れるはずですが、現れない場合「ウィンドウ」
メニューから「パス」を選択します。

(3)
注意!この手続きはとても重要です。後からはできません。
線を描くツールを選択します。
ここでは「鉛筆ツール」としました。「ブラシツール」による
線も可能です。
線の属性を上部のバーで指定します。

(4)
パス窓のパスオブジェクトで右クリックし、「パスの境界線を描く」
を選択します。

(5)
「パスの境界線を描く」の窓で描画ツールを選択します。
ツールの属性、例えば幅などは予め設定しておかなければ
なりません。
ここでは「鉛筆ツール」を使いますが、「ブラシツール」を
使う場合であれば、予め(3)の手続きで「ブラシツール」
を選択し、属性を設定しておく必要があります。

(6)
塗りつぶしの無い円が描かれます。
この円はパスとは全く別のオブジェクトとなります。
画面上にはまだパス・オブジェクトが見えています。

(7)
パスオブジェクトを削除します。
描かれた円とパスオブジェクトは別物なので円は
消えません。

(8)
パスオブジェクトが削除され、完成です。
レイヤースタイルで調整(お勧め:最も失敗が少ない)

(1)
「シェイプ」の円を選び円を描きます。
この時、別レイヤーが作成されてその上の円が置かれますので元の画像データを
破壊しません。
(2)
「レイヤー」メニューの「レイヤースタイル」->「レイヤー効果」を選びます・

(3)
「塗りの不透明度」を0にします。


(4)
塗りが消えます。
(5)
「境界線」を選び、色とサイズを調整します。


(6)
完成です。
「レイヤースタイル」の各種スタイル(「ドロップシャドウ」~「境界線」)
を選んで色々値を変えてみると、光らせたり、影を落としたり、板や球にしたり
と色々な表現ができることが分かります。
小円でマドをあける
(1)
「シェイプレイヤー」と「新規パスレイヤー」を選択し、
円を描く。
この時点では「シェイプが重なる領域を中マド」は選択
できない。

(2)
「シェイプが重なる領域を中マド」は選択し、
中抜き用の円を描く。
円は後で数値で中心を揃え、サイズを調整する。

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もちろん言うまでもなく円以外の塗りつぶしなしの図形も基本図形のパス、 あるいはパスの追加を使って描けます。
(2010/3/9)レイヤーで調整する記述を追加。
(2010/10/23)レイヤーで調整する記述を「お勧め」にした。
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