◇退化論
コンピュータ・ソフト関連の仕事をしている人であれば
ソフトは改良するたびにデグレードを起こすことは
経験済みだと思います。
十分なデグレード試験を必ず施す必要があり、それでも
試験をすり抜けるデグレードが発生します。
使用頻度が高くない、一般的使用と少し離れた使用法を とっている場合、その使い方がデグレード試験に組み込まれて いないことがあり、デグレードを起こします。
使われない機能、検証されない機能は、時を追うにつれ "必ず"壊れていきます。使われている機能も同様に壊れますが、 使われている機能に関しては途中途中で選択圧が働き、問題は排除されます。
洞窟に住み着いた生物が目を失うのは、この単純な 仕組みによるものです。
目が壊れても生きていくのに困らないので壊れていくのです。
目が無い方が生存に有利なためではありません。
環境による適応圧力は、通常「進化圧」より
「現状保持圧」が強いものです。
現状が長い進化による適応の結果なので当然です。
この圧力が無くなると、通常、壊れていくのです。
この点では「退化」は頻繁に起こる、悲しいソフト・ウェアの「デグレード」と全く
同じなのです。
(ソフトの場合、大概リリース後に起こる「適応圧力」によって
機能が"復旧"する点が生物の退化と異なります;その圧力も
かからない機能はいつの間にか退化します)
「退化」も「進化」だという意見は直感に反するのみならず、 間違っています。「退化」は適応圧の低下により、排除される ことなく残る崩壊なのです。
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実は去年春ごろから幾つかのソフトでアップデート(アップグレード)に伴う
デグレードに悩まされ続けています。
最近楽譜ソフトFinaleをアップデートしました。目だったデグレードがないこと (当たり前ですが)に感動しました。
ごく最近CGソフトをアップデート(アップグレードを含む)しました。
。。。。う~ん。。。。洞窟の中?。。。
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